センター試験の英語でも長文は配点が大きく、長文ができないとセンター英語での高得点は望めなかった。
しかし、2021年度入試からセンター試験が廃止され、共通テストに変わり英語のテスト全体が長文問題へと変わってしまった。
これでは、長文が苦手であるということが英語の点数に直接的に影響してしまうことになる。
また、センター試験に比べ共通テストの英語長文では、文章量も多くさらに速い読解スピードが要求されるようになった。
しかし、共通テスト英語長文もセンター試験同様に正しい対策をして、正しい解き方で解いていけば、しっかりと得点源にしていくことができる。
ここでは、共通テスト英語の長文を得点源にしていく読み方を4つのステップに分けて説明していく。
この記事を読んで、共通テスト英語の長文を苦手とする人は克服していこう!
共通テスト英語の長文は重要!
共通テストにおける英語長文は、導入にも書いたが非常に重要で、ほとんどの人にとっては、入試のカギを握る部分になる。
ここでは、まず共通テスト英語の長文の読み方を解説する前に共通テスト英語の重要性について説明しておく。
英語は入試で最重要科目
グローバル化が進む中、英語の重要性が様々な場所で叫ばれている。
そんな中、英語はどの受験生もほとんどの大学受験をするのに必要な科目となってきた。
文系と理系という枠組みがあるが、英語はどっちに属していてもたいていの大学では受験科目に入ってくる。
また、全体の入試の点数において、英語の配点を大きく設定する大学も多い。
このような意味で、英語が得意であると全体的に大学受験において有利になりやすいのだ。
よって、英語は他のどの科目よりも大学入試においては最重要科目となる。
共通テストの英語は長文がカギ
そんな中で、ほとんどの人が共通テスト試験を大学入試において受ける。
その中で当然最重要科目である英語の得点は合否を大きく左右することが多い。
2020年度以前に行われていたセンター英語では、発音、文法、会話、長文、リスニングがある。
リスニングは別科目扱いなので、それを除けば、長文は英語の中でも最も配点が高い部分となる。
以下がセンター試験の英語の配点である。
- 第一問(アクセント)→14点
- 第二問(文法・会話・並び替え)→44点
- 第三問(語句類推・正誤判定・要約)→31点
- 第四問(グラフ・広告)→35点
- 第五問(イラストの長文)→30点
- 第六問(長文読解)→36点
(年度によって少し異なる場合があります。)
このように見ると、問題数が多い第二問を除いては、長文の第五問、第六問の配点が高いことがわかる。
よって、過去のセンター試験でも長文が重要で合ったことがわかる。
しかし、2021年度から実施されている共通テストはどうだろうか?
- 第1問(書籍情報・ウェブサイトの読解)配点:10点(一問あたり2点)
- 第2問(施設案内文・記事の読解)配点:20点(一問あたり2点)
- 第3問(ブログ記事・雑記記事の読解)配点:15点(一問あたり3点)
- 第4問(複数のブログ記事の読解)配点:16点(一問あたり2 or 3点)
- 第5問(伝記文の読解)配点:15点(一問あたり3点)
- 第6問(論理的な文章の読解)配点:24点(一問あたり3点)
このように、共通テストでは、センター試験にあった発音や文法問題は廃止され、資料やグラフの読解も含め、長文問題一色になった。
このように見ると、「共通テスト英語 = 英語長文」ということになり、英語が全科目の中で最重要であるならば、すなわち英語長文が最重要であるということになるのだ。
このように、大学受験において、共通テスト英語の長文は非常に重要となってくる。
まずは、このことをしっかりとおさえておこう。
正しい読み方の前に長文読解の対策
いくら、正しい読み方をしたところで、長文読解に必要な勉強を同時にしっかりこなしていないと、全く得点できない。
例えば、長文を読解するには、その文章に見合った単語力が必要になるわけだが、単語力がまだ十分でないのに、この記事に書いてある読み方を実施しても完璧に理解できるわけがないのだ。
よって、少なくとも共通テストレベルまで英単語の単語力を上げておく必要がある。
以下記事を参考にまずは単語の勉強にしっかりと時間を割いてほしい。
単語帳も様々あるが、とりあえずはシステム英単語を2章あたりまで進めておけば共通テストには十分である。
また、それと同時に最低限の文法の知識も必要である。
確かにネイティブなどであれば、英文法の勉強をせずとも自然に英語が身に付く。
しかしこれは、日常生活で常に英語を聞いたり使わざるを得ない環境に身をおいている人だけの話であり、普通の高校生が英語の文章を読むことができるようにするには文法は必須である。
こちらも以下の記事を参考に英文法の学習に取り組んでみてほしい。
英文法の勉強、どれを使えばいいの? 有名参考書8冊を徹底解説!
また、英単語と英文法の勉強がある程度進んだら、今度は正しい読み方を知ると同時にしっかりと長文読解に必要な勉強をしておくことが重要と言える。
以下の記事に長文読解に必要な勉強がのっている。
この記事を読んでしっかりと勉強しておいてほしい。
特にハイパートレーニングを使った音読による勉強方法はかなりおすすめである。
英単語と英文法の勉強がしっかりとできていれば、短期間ですくに共通テストレベルまで英文の読解力を上げることができる。
共通テスト英語の正しい読み方4つのステップ
共通テスト英語の長文の重要性と、そのために十分勉強しておくことが必要だとわかったら、次はその正しい読み方を4つのステップに分けて説明していく。
これを読んで是非とも共通テスト英語の長文でしっかりと得点していこう。
まずは問題文から読もう
長文読解では、いきなり本文から読んでいく人が大半だと思われる。
それで、時間内に普通にスラスラ解けるのであれば、全く問題ないのであるが、長文読解が苦手な人がそんな読み方をしていては、時間内に解けずに終わってしまう。
ここで、問題を先に読んでおくとどうだろうか?
問題を先に読んでおくことによって、実際に聞かれていることは何なのか、どんなことを本文から読み取ればよいのか、だいたい把握ですることができるようになる。
長文読解では本文の内容すべてがわかるのが理想的ではあるが、すべてわからなくとも問題は解けるのだ。
よって、問題でどんなことを聞かれているのかわかることによって、答えを見つけやすくなるだけでなく、本文の理解すべき部分と理解しなくてもよい部分が明確になり、読みやすくなるのだ。
また、問題文を先に読むと本文を読む前に本文にどんなことが書いてあるか、より把握できることがある。
長文が苦手で、しっかりと長文の内容をつかめない人にとっては、これがわかると非常に読みやすくなる。
共通テスト試験の英語長文が苦手な人はまずは、本文から読まず問題文から読んで、何を聞かれているのか、本文はどんな話なのかある程度把握しあうえで本文を読み始めよう。
答えの根拠の位置を把握
問題文を読んだら、次は、本文のどの位置に答えがあるか本文を読みながら把握していこう。
共通テスト英語の長文の問題は、問題の順番通りに本文にその問題の根拠がある場合がほとんどである。
問題文の内容と本文を読み進めていくことによって、ある程度根拠が書いてある範囲をしぼることができる。
どのあたりに根拠があるか予測しながら読んでいくと良い。
また、共通テストでは、センター試験に比べて複数箇所から根拠を拾う問題が増えたので注意が必要である。
しかし、根拠の場所には必然性が必ずあるので、しっかりと根拠の場所を予測することが大切になる。
このように、問題文からだいたいどこに答えの根拠があるのか書いてあるので、問題文から得た情報から本文を読みながら答えの根拠となる部分を探していこう。
答えの根拠となる部分を把握できたら、その都度答えを選ぼう
しっかりと答えの根拠となる部分を把握できたら、その都度問題を解いていこう。
本文をすべて読み切ってから答えを選んでいる人も見かけるが、これは長文読解が苦手な人がやると正しく答えられなかったり時間がかかったりするケースが多い。
なぜならば、本文をすべて読み切ってから答えを探すと、最初の方の問題の解答の根拠がどこにあったのかわからなくなってしまい、また本文の一部を読む羽目になって非常に時間の無駄である。
よって、答えの根拠が見つかったらその都度答えを選んでいくスタイルが、一番効率が良いと思われる。
答えの根拠を本文中に見つけたら、すぐに答えを選んでマークしよう。
また、根拠が見つかる前、あるいは全て出揃う前に選択肢を見てしまう人がいるがあまりおすすめはしない。
根拠を見つける前に選択肢を見てしまうと、選択肢同士を比較して正しい答えを選んでしまいやすくなるからだ。
当然根拠はあくまでも長文の中に存在しているので、選択肢を眺めて見比べていても、残念な結果にしかならない。
根拠が全て出揃ってから選択肢を見るように心がけよう。
各段落の内容を頭の中でまとめよう
最後の第5問、第6問あたりに出題されやすが、段落の内容を問う問題が出題されることがある。
これは、各段落がどのような内容だったかしっかりと頭の中でまとめながら読んでいないと、解くことができなくなる。
問題を解こうとしたときに、段落の内容を少しでも忘れてしまうと、もう一度読み返すハメになりる。
これも本当に勿体ないので、絶対に読んでいる最中に各段落の内容をまとめて覚えておこう。
補足:英語長文の点数が低い人は、解く順番を変えるとよいかも
共通テスト英語において、時間がなくて順番に解いていたら時間が無くなって長文の点数がいつも低いという人がいる。
そのような人は前から順番に解いているからそのような事態になってしまうのだ。
上に書いた配点から考えると、長文の問題である第3問以降の方が問題あたりの配点が大きい。
よって、ここが、時間がなくて解けないとなると、英語全体の得点を下げていることになるので、非常に勿体ないのだ。
そのような人たちは解く順番というものをもっと考えるべきである。
長文が時間がなくて解けないという事態になって全体の得点が結果的に低くなってしまわないように、第3問以降の問題から解くなどしてもっと順番を変えてみると、共通テスト英語の得点が変わってくることが多い。
そのような人は是非解く順番を変えてみよう。
まとめ
以上が、共通テスト英語の長文を得点源としていくための正しい読み方の4つのステップだ。
この記事を読んだ人であるならば、共通テスト英語の長文をいかに得点するかが入試に大きな影響を与えることが分かっただろう。
さらに、英語長文の勉強以前に英単語や英文法の勉強を進めておくことも非常に重要である。
そして、音読などによる長文の勉強も忘れてはならない。
これらの対策をした上で、以下の4つステップ
- まずは、問題文を読む。
- 答えの根拠となる位置を探しながら文章を読む。
- 根拠を見つけたら選択肢を見る。
- 頭の中で段落の内容をまとめながら読み進める。
を守って、長文問題を解いてみてほしい。
是非、この記事に書いてあるように、長文読解の対策も同時にしつつ正しい読み方で読んでいくようにしよう。
(celly 東京大学理科二類在学)