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東大英語の英作文の対策法を90点越えの東大生講師が解説!

東大英語には毎年5問大問があるうちの第2問に出題されている。

この英作文を得意と感じている人もいれば、苦手意識を持っている人もいるだろう。

そして、このサイトを見ているということは英作文が苦手だったり、どこか英作文に不安を抱えているに違いない

しかし、東大の英作文はネイティブや帰国子女でなくとも正しい対策をしていけば、しっかりと得点することができるようになる。

また、この東大英作文を早く正確に解くことができると、時間のない東大英語全体にかなり余裕ができ解きやすくなる。

つまり英作文を得意にすることで東大英語全体の得点アップにもつながるのだ

今回は、そんな東大英作文の特徴と正しい対策法を実際に東大英語で90点以上得点した東大生講師が解説していく。

この記事の対策法で是非英作文を得意になって、東大英語全体の得点を上げていこう!

<解説動画>

目次

東大英作文の特徴

実は、東大英作文は英語自体はそこまで難しくないが、ある点においては難しい。

よって、対策法について解説していく前に、まずは東大英作文の特徴について解説していく

まだ、過去問を見ていない人はまずは東大英語に出題される英作文の特徴を正しく理解していこう。

過去問を解いていても英作文の特徴についてそこまで考えたことのないという人も是非参考にしてほしい

問題形式

東大英作文の問題形式は、

  • 2A:自由英作文
  • 2B:和文英訳

の2題で構成されている。

2017年度までは自由英作文が2題出題されたが、、2018年度以降は自由英作文1題と和文英訳1題となっている

自由英作文については、語数は50~80語程度の語数指定で、絵を見てそれについて述べさせたり、ある意見を提示して、それについて自分の意見を理由付きで述べさせたりする問題が出題されている。

和文英訳については、日本語の文章が出題され、下線が引いていある部分を英訳する問題だ

中学生の問題でありがちな機械的な日本語ではなく、より日本語的な日本語であるため英訳が難しいのが特徴だ

出題内容

以下に過去10年分の出題内容を表にまとめてみたので参考にしてほしい。

2022
2A:自由 60~80語 「芸術は社会の役に立つべきだ」という主張に対する意見表明。理由が必須
2B:英訳 なし 和文英訳
2021
2A:自由 60~80語 暮らしやすい街とは何かという問いに対する意見表明。理由が必須
2B:英訳 なし 和文英訳
2020
2A:自由 60~80語 私たちは言葉を操っているのか操られているのかに対する意見の表明。
2B:英訳 なし 和文英訳
2019
2A:自由 60~80語 新しい祝日を設定する。
2B:英訳 なし 和文英訳
2018
2A:自由 40~60語
戯曲『ジュリアス・シーザー』(シェイクスピア)での対話に対する意見の表明
2B:英訳 なし 和文英訳
2017
2A:自由 60~80語 キャンパスについて気づいたことを文章にする。
2B:自由 60~80語 祖父からの遺産に関する手紙への返答
2016
2A:自由 60~80語 手と猫の遠近法による写真についての意見の表明
2B:自由 50~70語 猿と象への実験に関する文章の最終段落の作成
2015
2A:自由 60~80語 少年と鏡のイラストについての説明と意見の表明
2B:自由 60~80語 相反する2つのことわざの意味の説明
2014
2A:自由 50~70語 自販機と男女、犬が登場する写真を見て会話文を作成する。
2B:自由 50~70語 有名な言葉に対する意見の表明
2013
2A:自由 60~70語 森の中にいる2人の人物の絵に対する会話文の作成
2B:自由 50~60語 これまで学んできたことの中で大切に思うことを書く、理由も必須

これを見ると、他の大学ではみないようなさまざまな形の問題が出題されていることがわかる。

出題の内容まで予測することは極めて困難なので、基本的にどんな話題が振られても何かしら一貫性のある文章を書けるようにしておくことが大切だ

難しい英語力よりも論理的で説得力があることが大事!

東京大学は昨年から出題の意図というのを発表するようになった。

英作文に対しては以下のようなことを言っている。

2. 作文問題 【英語 2 (A)・2 (B), ドイツ語 II, フランス語 II・III, 中国語 II】
和文の外国語訳においては、日本語で与えられた情報を外国語で過不足なく、正確に読み手に伝える能力が試されています。自分の考えを外国語で表現する問題においては、自らの意見が読み手に明確に伝わるよう、適切な語句や表現を用いて、論理的で説得力のある文章を作成する能力が試されています。

出典:「外国語」の記述式問題の出題の意図及び「外国語(英語)」の記号選択式問題の解答

これと先ほど紹介した出題内容を見てみると、基本的に難しい英語を書くことは要求されていない

特に2014年や2013年にあるような会話文の作成や、2017年のようなキャンパスで気づいたことについての英文は、中学生で習った英語だけでも書けそうである。

それ以上に大切なのは「論理的で説得力のある文章」を書くことができるかどうかということだ。

正しい英語はとりあえず並んではいるものの、理由が書かれていなかったり、一貫性のない文章では点数は来ないということになる。

自由な発想力が必要!

最終的に東大英作文のポイントになってくることは、自由英作文も和文英訳も自由な発想力である。

どんな話題が指定されても、どんな日本語を訳せと言われても、とにかく正しい英語で論理的に説得力のある内容を書けば良い。

そして、東大英語は時間がかなり厳しいことでも有名だ。

英作文は15~20分程度で終わらせたいところだ。

よって、論理的で説得力のある内容をどんな話題に対しても瞬時に思いつかなければいけないということになるのだ。

標準的な英語のライティングスキルがあることは前提として、その上で瞬時に自由な発想ができるかどうかというのが最終的に肝になってくるのだ

なお東大英語全体の時間配分については以下の記事を参考にしてほしい。

時間に厳しい東大英語の得点が20点以上あがる時間配分対策

東大英作文の対策法

それでは、いよいよ東大英作文の対策法について解説していく。

この対策法を使えば東大英作文を得点源にすることができるので、是非参考にして頑張って欲しい

標準的なライティングスキルを身につける

まずは、標準的な英作文スキルを身につけることが大切だ。

そのためには以下のステップを踏んで勉強して欲しい。

  1. ドラゴンイングリッシュによる構文暗記
  2. キムタツライティング&グラマーを使った英作文の練習/模範解答の暗記

まず、ドラゴンイングリッシュを使って英語の構文を暗記することが必要となる。

この参考書の英文を100個暗記することによって、正しい文の型を頭の中にストックできる。

今後の英作文ではこの型を例えば単語などを少し変えて使っていくことができる。

逆にまずは100個程度の文の型のストックがないと英文をそもそも書くことがとても難しくなる

英語長文をやる前に英単語をしっかり覚えないと話にならないのと同じである。

暗記は面倒だと思うがしっかりと取り組んでいこう!

以下にドラゴンイングリッシュの構文暗記についての記事を載せておくので合わせて見ておいて欲しい。

英作文に構文暗記が必要な理由とオススメの4つの暗記ステップ2

英作文のおすすめ参考書!ドラゴンイングリッシュで英作文の得点を爆上げする3ステップ

次にキムタツライティング&グラマーを使って英作文の対策を行なっていく。

このキムタツライティング&グラマーというのは、東大英作文と4Aで出題される文法・精読問題のための参考書だ。

今回は英作文の対策なので、この参考書の前半部分を使っていく

キムタツライティングでは、東大の問題に似た形式の英作文の問題が掲載されており、内容もかなり書きやすいものになっている。

標準的な英作文を練習するにはぴったりの参考書だ。

やり方としては以下の手順で進めて欲しい。

  1. 問題を解く
  2. 添削してもらう。
  3. 添削後の自分の答案と模範解答を暗記する。

特に3つ目のステップの添削後の自分の答案と模範解答を暗記することがとても大切になる。

ドラゴンイングリッシュで一応文の型となるものを100個暗記した。

しかしこれだけでは不十分だ。

キムタツライティングの自分の添削後の答案、そして模範解答を暗記することによって、文だけではなく文章全体の型までしっかりと身につけることができる

面倒な部分だが、しっかりと取り組んで欲しい。

なお、暗記できているか確認する際は口で英語の文章を話せるかで確認はしても大丈夫だが、最低でも2回は実際に紙に書けるかどうか確認して欲しい。

また、暗記する際は、自分がこういう内容を伝えたいからこういう英語のしたなどとまるで自分がその文章をその場で作って書いているかのような思考をすることが大切である。

この2点は注意して欲しい。

キムタツライティングには模範解答が一つの問題につき2〜4個ほどついているが、基本的に全部暗記することをおすすめする

過去問対策

標準的な英作文のスキルが身に付いたら過去問対策に入っていく。

東大英作文には自由英作文と和文英訳があるが、まずは自由英作文の対策をして欲しい。

やり方はキムタツライティングと変わらず以下のステップで問題をどんどん解いてって欲しい。

  1. 問題を解く
  2. 添削してもらう。
  3. 添削後の自分の答案と模範解答を暗記する。

なおこの対策には2009年以前の過去問を使うことをお勧めする。

2010年以降の過去問は、近年のものと傾向が似ているので、1年分を時間を測って一気に解いていくのに使いたい。

まずは、2009年以前の英作文の問題だけを個別で解いていこう。

慣れてくると、10分以内で一通り書けるかどうかなど時間制限を設けて対策していくと良い。

 

和文英訳はある程度自由英作文の対策が進んでとりあえず文法的に間違いのない文章が書けるようになってきてから始めると良い。

東大には過去問が少ないので、京大の過去問を使うことをお勧めする

京大の過去問は長年和文英訳が出題され続けている。

おまけに、東大のものよりも文量も多く遥かに難しいので、京大の過去問で対策しておけば東大の和文英訳は難しくなくなる。

和文英訳に対策法に関しては以下の記事を参考にしてほしい。

京大の対策法になっているが、東大にも十分通用する内容となっている。

京大英語の自由英作文、和文英訳の究極の対策法と間違いやすい3つのポイント

東大英作文の注意点

最後に東大英作文を解いたり、対策したりする上での注意点を述べておく。

必ず添削してもらうように!

東大に限らず英作文の対策には添削が不可欠だ。

文法をチェックするだけならパソコンの文法チェックソフトを使えばできるが、例えば文章の一貫性があるか、論理的に正しいかなどは、人でないとチェックできない。

学校の英語の先生や塾の先生の中にも英語は教えられるがしっかりと英語のライティングのスキルがない人もいる。

できれば、しっかりとライティングのスキルを持ったプロの先生に見てもらうようにしよう。

問題文の条件は必ず守る

過去問を解く上で、問題文の条件というのは必ず守って欲しい

これは英作文に限った話でなく東大の全科目の全問題に共通することだ。

東大はとにかく問題文の指示が厳密に書かれている

指示に従える人かどうか、要求されているものをしっかり提示できる人なのかどうかよく見ているのだ。

例えば、「理由を添えて」と書いてあるのに説得力のある理由が書けない人は問答無用でバツになる

指示から少しでも外れたことを書くと、0点になると思って欲しい。

複数の答案を作ってみる

最終的には問題の内容に対してどれだけ瞬時にまとまった答えがかけるのかどうかということが勝負になってくる。

この発想力を鍛えるために制限時間を設けて英作文を書くというのも一つの方法である。

さらに、他にも複数の違う意見の答案を自分で作成してみることも非常に有効だ

自分の意見だろうがなかろうが、要はとりあえず一貫性のある意見を説得力を持って語ることができれば良い。

自分が本当のそう思っていようがいまいが、どんな意見でも素早く説得力のある文章を書けることも非常に重要だ。

これができると、日頃その話題について考えたことがなかったとしても、それなりに説得力のある文章を書くことができる

自分の意見でなくても、嘘の体験談でもいいので複数個違う意見で文章を書けるように対策しておこう。

和文英訳は訳さない

和文英訳を解く上で重要な考え方は訳さないということだ

これを聞いて、「何言っているだ」という人もいるかもしれないが、東大は日本語を訳して欲しい訳ではない。

その日本語の内容が的確に伝わるような英語の表現を書いて欲しいだけなのだ。

よって、訳すのではなく日本語の内容を英語で「説明するのだ」と思えばよい

日本語の場合は和訳と異なりどうしも訳そうと思ってしまうと変な英語が出来上がってしまう。

例えば2016年度の京大の問題に、

パンは気軽に食べることができる食品であるが、

という文が和文英訳で出題されている。

これを多くの人は

We can eat bread easliy

と訳す。

しかし、これでは、パンを食べるという行為の物理的な難易度が低いという意味になってしまう。

「手軽に」という日本語がどういう意味なのかというと「簡単に手に入りたべることができる。」だ。

つまりこれは

We can easily buy and eat bread

もしくは

We can afford bread easliy

でなくてはいけないのだ。

また、英語では到底聞いたこともないような日本語を英訳する際も、その日本語を説明すると思えばよい。

京大に以前「星座」という言葉が問題に含まれていた。

だが、受験生のほとんどが「星座」という言葉を英語で耳にしたことはないだろう。

その際に、

a grouping of stars which draw certain shapes such as animals or instruments

などと説明するつもりで英語で書いても多少なりとも点数がくる。

このように、和文英訳は訳すのではなく「言い換える」や「説明する」のだと思って欲しい。

まとめ

以上、東大英作文の特徴と対策法を東大英語90点以上の東大生講師が解説した

東大英作文は苦手としている人が非常に多い。

しかし、上記で説明したように

  1. ドラゴンイングリッシュによる構文暗記
  2. キムタツライティング&グラマーによる英作文の練習/模範解答の暗記
  3. 過去問による自由英作文の演習
  4. 京大の過去問による和文英訳の演習

とこの4つのステップに従って対策していけば必ず英作文が得意になる

あとは、細かい注意点をしっかりと把握しておいてくれると幸いだ。

この記事で紹介した対策法で英作文を得点源にし、英語全体の点数を上げていこう

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