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社会人で東大受験!?決断する前に知っておきたい情報8選

筆者はこの大学受験.netの運営母体である赤門アカデミーで教務責任者をしている。

そんな中で社会人でありながら東大を目指したいという人も今までに5、6人ほど実際に教えたことがある

しかし、かなりの勉強時間が必要となる東大受験を社会人で働きながらこなしていくのはかなり難しい

教えている中で、生徒さん本人の勉強時間の確保がとにかく毎回の課題となっていた。

そんな中で、社会人の方が東大受験を決断する前に、知っておいてほしい厳しい現実を8つほど紹介していく。

社会人として東大を受験するにあたり、どのような壁があるのか、正しく認識した上でこそ効率的な対策が取れる。

そして、この効率的な対策こそが合格への近道となっていくので是非この記事の情報を参考に東大受験に挑んでほしい

目次

5、6人中受かったのは0人

正直にいうと、筆者が教えた社会人の中で合格した人は0人だ

ただ、一年前に東大を20点足らずで不合格となっており、過去問も十分に解くことができ来年の受験には合格の見込みがかなりある人は一人いた。

この方は夏の模試ではB判定まで取れていたものの、9月ごろから家族の介護をせざるを得ない状況になり、結果的に受験勉強ができず受験を断念した

その他の人は全員、東大受験に向けての勉強を始めたものの、仕事との関係で学習時間の確保が難しかったり、モチベーションを維持できずにリタイアしてしまった。

このように、社会人ともなると実際に東大に合格できる実力があったのが1/5程度でその一人ものっぴきならない状況で受験を断念せざるを得ないことも起こりうるのだ。

実際の東大の倍率は3倍程度なので、普通の受験生と比べるとこの数字からかなり過酷であるということがわかるだろう

なぜ東大に行きたいのか?

そもそもなぜ東大に行きたいのかというのを明確化させることが必要だ。

なぜならば、その目的は東大でなくても達成可能なものかもしれないからだ。

例えば、医者になりたいからと理三を目指すという人が社会時に限らず一定数いる。

しかし、臨床医を目指すのであれば、医師免許さえ取れてしまえば、どの大学を出ても変わらない

であれば、わざわざ最難関の東大理三を目指すよりも難易度のより低い大学を受験した方がコスパが良い

研究医でかつ、東大でしか研究ができないもしくは研究しやすい分野を目指すことを考えるのであれば、確かに東大理三を受ける価値があるだろう。

よって、東大にかかる時間とお金のコスト以上に自分の目的が東大に合格することでより達成しやすくなるのかどうかしっかりと考えるべきである。

学問がしたい

学問がしたいという理由で東大を目指す人は多いだろう。

しかし、ここで考えなければいけないのが、東大でないとその学問は学べないのかということである。

例えば理系のある特定の分野の研究がしたいなどの具体的な目標がある場合は東大は最適な場所といえよう。

研究費もその設備も日本一揃っている大学なので、最先端の研究ができること間違いなしだ

しかし、例えば経済学を勉強したい、や文学を勉強したいなど文系科目の学問がしたい場合は注意が必要だ。

文系科目は東大でなくても書籍や参考書などで十分独学で勉強をすることができる

よって、文系科目を学習したい場合は、東大のこの先生に直接教わりたいなどの強いこだわりがない限りは東大である必要はない。

受験勉強をあえてするのではなく、直接その学問を勉強した方が近道だ。

社会や仕事で成功したい

社会や仕事で成功を収めたいというのも考えられる理由の一つだ。

しかし、社会人の年齢になって東大を卒業したからといって、仕事のキャリアとしてプラスになることは稀である。

まず、新卒での採用は年齢的に無理だ。

さらに、再就職しにくくなる可能性すらある

よって、より待遇の良い職につきたいなど社会や仕事で成功するために東大に行くことは良い選択とは言えない。

むしろプログラミングや動画編集など直接仕事につながりそうなスキルを学んだ方が早いだろう。

東大に受かって通うこと自体に価値を見出している

最後の目的としては、東大に受かって通い、卒業すること自体が人生での目標となっている場合である。

これは、その人本人が東大にどれだけ価値を見出すかによるので、あえて筆者がどうこう言える問題ではない。

ただ、後程詳しく述べるがその際は経済的リスクだけはよく考えて受験に挑めると良い。

科類の選択について

次にとの科類を受けるのかについて状況に応じて説明していく。

理系のある特定の分野についての研究をしたいなどの目的がない限り基本的には文系を選ぶと良い

これは、勉強時間を短縮するためである。

理系の場合、数学に数3が入ってくる。

数3は極めればこそ得点源になるが極めるにはかなりの時間がかかる。

東大受験では文系でも理系でも数学の勉強時間が半分近くを占める。

ここで文系を選択すれば、この数3の勉強時間をけずることができる

さらに、理科はインプットもそうだが、問題演習などを繰り返して自分の理解を深めていく時間も必要となるので一般的に社会よりも勉強時間が必要だ。

よって、文系を選択することによって勉強時間を2~3割ほど節約することができるのだ。

ちなみに、文系の科類については近年どの科類も点数に差がなくなってきている。

よって、

  • 政治・法学系 => 文一
  • 経済系 => 文二
  • 文学・哲学・歴史・心理学などその他の分野 => 文三

となんとなく決めてしまっても良い。

さらに、文一は共通テストの足切り点が低くなりやすい代わりに、二次試験の合格点が高くなりやすい

また、文三はその逆で共通テストの足切り点が高くなりやすい代わりに、二次試験の合格点が低くなりやすい

文二はその中間といったような特性もあるため、共通テストに自分が向いているかいないかで後々変更しても良い

理系の場合は確かに理一の方が工学系に進学しやすいが、理二からでも十分目指せるので合格点の低い理二を受験すると良い

医者を目指す場合は先ほど述べたように、本当に理三である必要があるのかということもよく考えるように。

ちなみに、かなり良い成績を取らなければいけないが理二からでも医学部医学科に進学することはできる

「東大に入りたい、できれば医学部がいい。」という感じであれば理二にとりあえず入って進振りで頑張るという手もある。

受験勉強期間はちょうど3年

受験勉強期間としては3年は見ておいた方がよい。

確かに、地頭が良い人が最も効率的な方法で勉強すれば2年で合格することも難しくないだろう。

しかし、東大はギリギリ合格する人もで合格率が3割程度である。

ギリギリ合格できる実力が2年でついたとしても落ちる可能性というのは十分ある

しかし、そこからもう1年勉強すれば高い合格率で余裕を持って受験をすることができるので、3年は見ておこう。

逆に、3年以上かけてもダメだった場合はこれ以上頑張っても合格する見込みはかなり低い

なぜならば3年以上ついやしていると記憶の維持にコストがかかってしまいそこからの成長率が低くなってしまうからだ。

さらに、経済的なコストも大きくなってしまう。

3年目でギリギリ落ちてしまったなどよほどの事情でない限り長期戦になると思ってほしい。

よって、とりあえずまずは3年で合格するようなペースを目標に受験に挑もう

仕事との両立について

仕事との両立というのが最も大きな課題となる

社会人の生徒さんの中でほとんどの人が仕事との両立ができず必要な勉強量が確保できていなかった

そのため、なかなか勉強が前に進まずモチベーションも維持できなくなりリタイアしてしまうのだ。

よって、仕事とどう両立していくかしっかりと考えて勉強に挑むべきだ。

 

まず、仕事は完全にはやめない方が良い

確かに、バイトなどで少しでも仕事をしておけば、その分学費などの資金をある程度稼ぐことができる。

だが、それ以上にある程度仕事をすることで生活リズムを一定に保つ効果がある

今までの経験上、宅浪の受験生は生活習慣のみだれにより有り余った勉強時間を効率的に使えていない人がほとんどだ。

仕事を辞めて受験勉強一本に専念するということは宅浪の受験生と環境が同じになるということだ。

完全にやめるのは最後1年から半年などある程度合格の目処がたってきて追い込みの時期に入ってからで良い。

よって、最初のうちは生活の中で仕事を入れることによって、強制的に生活リズムを保つということが極めて重要なのだ。

 

 

かといって、フルタイムで働くのはおすすめはしない

仕事をした分時間と共に体力も失われていく

仮に1日8時間労働をした場合、睡眠時間が8時間だとしてのこり8時間も勉強できるかと思いきや、体力的に5時間以上勉強するのはかなり厳しい。

時間は作れても体力がもたない。

結論としては、週5日間、1日あたり3〜5時間程度のバイトをするのがおすすめだ

これくらいの労働時間であれば体力的にも時間的にも1日最高で7時間勉強することは難しくないだろう。

よって、受験に挑む際はこのような働き方ができる環境を作るのが大切だ。

資金などの経済的なコストについて

当然資金面など経済的なコストについても考えておかなければいけない

特に、仕事をフルタイムからアルバイトに変えると収入が大幅に減ってしまう。

よって、3年間分の支出を計算しどれだけ貯金があれば3年間は受験勉強しつつ生活ができるのか計算しよう

住居を借りている場合は、家賃という大きな出費が毎月発生してしまうので、できることなら実家に暮らした方が良いだろう

さらに、3年後に無事東大に合格できた時にも入学金を始め都内に住居を探し、入居したり教材を購入したりとある程度のお金はかかってくる。

こちらの合格後の出費についてもしっかりと資金を確保しておいた方が良い。

このような経済的なコストについては、実際に社会人で東大に合格したoimouさんのブログの記事がかなり参考になる。

社会人受験 | 経済状況について

ぜひこちらを参考にしながら自分で費用計算をしてみてほしい。

塾や予備校について

塾や予備校については正直社会人での受験であれば最初から通うのはおすすめしない

まず、集団で授業を受けたり、受講時間が決まっている予備校のようなスタイルの塾はやめてほしい。

仕事をしながらの受験勉強になってくるので、予備校の授業などがスケジュールの中に固定されているとかなり不便だ。

仕事の都合で休まなくてはいけなくなったりと何かと不都合であるうえ、そもそも授業を聞いてインプットするというやり方は時間がかかる。

よって、オフラインの集団授業が主体の予備校は通うべきではない

 

次に、オンラインでの個別指導や東進、スタディーサプリのような時間に融通の効く塾について考えてみたい。

筆者としては、スタディーサプリ以外の教育サービスは基本不要だ

まず、東進などの予備校はかなりお金がかかる。

貯金とわずかな収入で受験勉強することを考えると、コストパフォーマンスが悪い。

さらに、今の時代ネットを通じてありとあらゆる受験の情報を手に入れることができる

先ほど紹介したoimouさんのブログのように社会人で合格されてた方もこと細かいに勉強内容を書いていくれている。

このようなただで手に入る情報があるのに、わざわざ同じものにお金をかけるのは勿体無い

個人的にはこのような塾や予備校で本格的に授業をとるのは過去問対策に入ってからで良い。

過去問対策では、ネットや市販の参考書に載っていないノウハウがかなり多い。

こういった専門的なノウハウをプロの講師に教わることができるのはかなりのアドバンテージになる。

よってまとめると、

最初の2年間は基本独学で頑張り、最後の1年間に東大過去問対策講座などを東進などの時間の制約のない塾で受講すると良いだろう。

勉強法の調べ方について

最後に勉強法の調べ方について解説しておく。

勉強法を調べる際に社会人受験専門の情報を集めた方が良いのか、一般的な高校生と同じ情報で事足りるのかよく質問を受ける。

基本的に社会人で東大受験に挑む場合も高校生が挑むのとで、勉強のやり方が大きく異なるということは決してない

むしろ、普通の高校生が3年間かけて東大受験に挑むのと同じように、

  1. 最初の1、2年で英数の基礎固め
  2. 英数の基礎が固まる2年目中盤から3年目開始時あたりから英数の過去問と理科・社会の勉強を始める。
  3. 3年目の中盤あたりから、国語や共通テストしか使わないザコ科目も勉強し始める。

といった手順で受験勉強をしていけば大丈夫だ。

よって、先ほど紹介したような社会人受験ブログなどに絞らずに、普通の高校生向けのコンテンツも積極的に参考にしていってほしい

なお気になる勉強法については、当サイトにも情報が豊富に揃っているので、以下のようなサイトを参考に自分ができそうか確認してみると良いだろう。

東大受験・記事一覧

まとめ

以上、実際に社会人への指導経験のある筆者が、社会人が東大受験を決断する前に考慮しておくべきポイントを8つ紹介した。

もし、今社会人で東大受験を目指したいと考えている場合は、必ず以下の8つのこと

  1. 合格率がかなり低い。
  2. 東大にいく目的をしっかりと明確化させて、東大受験がそれに見合っているか考える。
  3. どの科類に出願するのか?
  4. 3年分も受験勉強をするモチベーションはあるか?
  5. 仕事との両立はどうするのか?
  6. 受験期間中の資金繰りはどうするのか?
  7. 塾や予備校はどのタイミングでどこに通うのか?
  8. 勉強法はどのように調べどのような形で今後勉強していくのか?

を必ず考えるようにしよう。

特に、1、2、5、6は直接受験期間中の勉強へのモチベーションや継続性に関わってくる問題なので、ぜひ真剣に考えていただきたい

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