大学受験において、ほぼ間違いなくどの大学でも出題されるのが、英語の長文問題である。
よって、長文を難なく読解できる人は、大学受験の英語においてとても有利になる。
しかし、これを苦手としている人は、案外多い。
また、難関校と呼ばれる大学はクセのある文章が出題されるので、長文読解で合否が決まる場合も少なくない。
ここでは、そんな受験生に英語長文がサクサク読めるようになる勉強法を紹介する。
長文読解は苦手意識をもつ受験生が多いが、チョットしたコツで大きく得点をのばすことが可能だ。これを読んで、君たちも長文読解を得意にしていこう。
英語の長文読解において単語は命!
英語の基礎的な勉強として、まず
- 英文法
- 英単語
- 英熟語
などの、暗記系の分野が取り上げられる。
この三つのうちすべてを網羅しておくことは長文読解において必須事項である。
しかし、この中で特に絶対的にマスターしておかなければならないのが、英単語だ。
逆に英単語をかなりの量覚えてしまえば、長文読解はかなりスムーズになる。ここではそのメカニズムを紹介する。
英文法は完璧だが単語力にかなり欠ける場合
ここで、英文法の事項はすべて網羅している文法マスターだが、語彙力にかなり乏しい文法マスターを考えてほしい。
そんな人が、大学入試の長文を読めるだろうか?
言語情報の最少単位は単語であり、その単語が言語情報を保持しているのであって、文法の知識は一切言語情報を保持していない。その情報の、関係性をただ示しているだけだ。
よって、単語力が乏しい文法マスターは大学受験に出題される英語の長文を一切読むことができない。
英文法の知識は平均くらいの単語マスターの場合
次に、英文法の知識は高校生の平均くらいしかしらないが、単語をものすごく膨大な量を覚えている、単語マスターを想像しよう。
この単語マスターは大学受験の長文を読解することができるだろうか?
ここで、単語の意味がある程度わかれば文法の知識が平均的であっても、ある程度の読解は可能であり、長文全体の意味を推測することができる。
事実、アメリカ人と会話するときに文法がめちゃくちゃでも正しい意味の単語を発していれば、かろうじて伝わることが多い。センター試験でも文法の配点よりも長文の配点の方が圧倒的に多い。
以上の例からわかるように、英文法も英熟語もある程度は必要だが長文読解に最も必要な分野は英単語だ。
長文の中に、意味の分からない単語が多いという自覚がある人は、まずは単語を覚えることから始めよう。
英語の.長文を一文一文訳すのは厳禁
単語力はあるにも関わらず長文読解が苦手だという人も多い。この人たちは、特に読むのが遅くて時間内に終わらせることができていないケースが多い。この人たちは、何をしているかというと、英語の一文一文を和訳している。
しかし、これはよく考えてみると非常に無駄な行為である。
ここでは、なぜ和訳が無駄なのか、どうやって読んでいけばいいのかを解説する。これを実践すれば、読解が得意になるだけでなく、読解速度を上げることができる。
なぜ和訳が無駄なのか?
どうして英語を一文一文和訳することが無駄なのだろうか?
一回和訳しながら読んでいる人の思考プロセスと普通のアメリカ人の思考プロセスを比べてみよう。
和訳しながら読んでいる人は当たり前だが以下のようなプロセスを経て頭の中で長文の情報を処理している。
英語→日本語→イメージ
しかし、普通のアメリカ人は
英語→イメージ
というような思考プロセスで長文の情報を処理している。
考えてみれば当然のことだが、一個プロセスが多いのだ。ゆえに読解速度も遅くなる。
テストが時間内に終わらないことも出てくるわけだ。
英語→イメージへと読み方を変えよう!
では、どんな読み方をすればいいのだろうか?
それは、単純に英語→イメージへと読み方を変えていけばいいのだ。
そんなことどうやって?と思う人もいるかもしれない。そこで、その方法をここでは紹介する。
自分の持っている使い慣れた長文問題集を用意しよう。そして、一回読んだことのあり意味の分かる英文を選ぼう。そして、その英文を音読するのだ。その際に、止まって和訳してはいけない。音読していくと同時に、その文のその部分の内容のイメージを訳さず思い浮かべるのだ。
これをしていくことで、だんだん英文を訳さず直接
英語→イメージ
というような思考回路で長文を読解していくことができる。
単語を覚えてもなかなか読めるようにならない、和訳しながら読んでいて時間が足りないという人は、このように、音読しながら内容をイメージする訓練をしよう。そうすることで、かなり長文の読解スピードがあがってくる。
英語の長文の論理的読解力をつけよう
英単語をかなり覚えて、英語→イメージというような思考プロセスで読解が出来さえすれば、センター試験の長文はもちろん、難関国公立、私立の普通の長文は読めるようになってくる。
しかし、東大レベルになってくると、それだけでは歯が立たない。
ここでは、東大レベルやそれと同等の上級レベルの大学受験者向けの読解方法英語の長文の論理的読解力を紹介する。
これを身に付けて、難しい長文でも対応できるようにしよう。
どうして東大レベルの長文が難しいのか?
ほとんどの大学の長文は単語のレベルはやや難しめだが、内容が非常に具体的で論理的構造もさほど難しくない。
しかし、東大レベルの長文は、単語自体は標準的だ。ただ、内容が非常に抽象的で論理的構造も非常に複雑である。
つまり、ただただ長文の内容をつかむのでなく、相手の言いたいことを、文章全体を通して、把握して、そのメッセージが長文のなかでどのような論理関係にあるのかということをつかむ力、英語の長文の論理的読解力がどうしても必要になってくるのだ。
東大レベルであれば、この力は必須である。
自分がかなり上位の大学志望者で過去問を見てみて、1や2を実践しているのに全く読めなかったという人はこれを身に付ける必要ある。
東大レベルの長文攻略は、別途解説する。しかし、長文攻略の基礎ができていない中で、東大レベルの長文攻略にとりかかってみても時間の無駄になる可能性が高い。まずは、基礎をしっかり身に着けているか確認しよう。
まとめ
以上が英語の長文対策を3つのレベルに分けた対策法である。
これを順に実践していけば、かなりの長文をサクサク読みこなせるようになる。是非実践して、長文読解を得意分野にしていこう。
(celly 東京大学理科二類在学)