ポレポレ英文読解という参考書を聞いたことはあるだろうか?
英文読解の良参考書として知る人ぞ知る名著と言われているこの本は、さまざまなところで推薦されている。
しかし、難易度の高さもあって実際に使っている人はそれほど多くない印象を受ける。
では一体、ポレポレ英文読解とはどのような参考書なのだろうか?
また、どのように使用していけば効果的にこの参考書を使うことができるのだろうか?
実は、ポレポレ英文読解とは自分がどうやって英文を読んでいるのかを意識しつつ、英文を読むことが可能になるようなトレーニングができる参考書なのである。
そして、このようなトレーニングをすることによって、共通テストのリーディングはできるが、それ以上のレベルの英語が読めないや、難関大学の英語長文が早く読解できないという人の悩みを一気に解決してくれるのだ。
この記事では、そんな英語長文をより読みやすくする参考書・ポレポレ英文読解について、その良い点を紹介しながら具体的にどのように使っていけばよいか、注意するポイントはどこかという使用法を解説していく。
この記事を読んで、ポレポレ英文読解で思考のプロセスが明確な長文読解を身につけ、英語の成績アップを目指して行こう。
ポレポレ英文読解の内容
ポレポレ英文読解には、それなりに難易度の高い英語長文が50個掲載されている。
英語長文の問題といっても、その設問の種類は様々で、和訳や選択問題などがある。
しかしいずれの場合でも共通して重要なのは、英文の意味をしっかりとらえていることだ。
このポレポレ英文読解の問題を一通り訳してみることで、そういった英文の解釈がかなりやりやすくなることが期待できる。
ここで言っておきたいのは、ポレポレ英文読解に掲載されている長文はほかの参考書と比較してもかなり難しいので、英語長文があまり得意でない人や、英語長文向けの参考書を初めてやる人が使用するのは難しいだろう、ということだ。
後ほど具体的解説するが、そのような人は、まず別の参考書で英語長文の勉強をしてみてからこの参考書に移るとよい。
逆に、英語長文が得意で今使用している参考書が物足りなく感じる、という人にはぴったりの参考書である、ということが可能だ。
また、共通テストや中堅大学レベルの英語の長文であればスラスラ読めるが、それ以上のレベルになると、全く読めなかったり、読解スピードが遅くなってしまうという人にもこのポレポレはピッタリである。
この問題集は、英語の長文読解レベルを共通テストレベルから一気に難関大レベルまで引き上げてくれる参考書なのだ。
いずれにせよ、私立・国公立問わず難関大を目指している人なら英語長文を読む技術は必要不可欠なので、ある程度上のレベルの大学を目指す人はぜひやっておきたい一冊である。
ポレポレに入る前に
先ほど、ポレポレにはかなり難しい英文が掲載されていると解説した。
そして、共通テストレベルの英語は難なく読むことができるが、それ以上のレベルになると手が付かない人向けであるということも解説した。
ここでは、具体的にポレポレを始めるにはどれくらいの能力が身についていないといけないのか詳しく解説していく。
まず、目安としては、共通テストのリーディングにおいて安定して8割以上得点ができるだけの長文読解能力が必要である。
それと同時に、文法の知識もある程度は必要になってくる。
英文法については、昔のセンター試験の英文法問題が8割以上得点できるだけの能力が必要である。
また、文法問題が感覚的に解くことができるだけでなく、文法用語などを用いて理由を説明できるようになっていないといけない。
これらの能力がなぜ必要なのかというと、ポレポレの解説が理解できなくなるからだ。
ポレポレには、各例題ごとに読解プロセスというものがついている。
この読解プロセスで例題の文章の文法構造を解説していくわけだが、この読解プロセスの説明を読んでも意味がわからないようでは、全く勉強が進まないのだ。
ポレポレ自体に取り組む意味がなくなってしまう。
よって、ポレポレに取り組むにはある程度の読解力と英文法の知識が必要となってくるのだ。
また、必須というわけではないが、単語力としては、システム英単語やtarget1900などの主要な参考書はとりあえず一通り終えておくと良いだろう。
ポレポレに取り組む際に初めてみる単語が多いと演習する際にいちいち一つ一つ覚えなくてはいけない。
ただでさえポレポレの読解の演習は難しいのに、単語の暗記まで必要になってくるとかなり骨が折れる。
よって、何か単語帳を一冊終わらせておくと良いだろう。
ポレポレ英文読解の良い点
ポレポレ英文読解の良い点は、2つある。
一つ目は、文の構造によるタイプ別に問題が分けられているところだ。
上にも書いた通り、この参考書はある程度のレベルに到達した人向けの参考書なので、簡単な構造の文章なら読めてしまうだろう。
この参考書は、英語長文を読んでいくうえでつまづきやすい複雑な構文の文章にスポットを当て、そのような構文に慣れることで複雑な文章への苦手意識をなくすことが可能になるわけだ。
また複雑な文構造が含まれている文章は難関大学の入試に多く出題されるので、そのような大学を志望している人にとってはより実践的な問題に触れる機会にもなる。
このような、複雑な文法構造の文が、タイプ別に50個分けられているので、正しい使い方をすれば、このような文章に順当に慣れていくことができる。
そしてポレポレ英文読解の良い点二つ目は、解説が詳しい点である。
ポレポレ英文読解には、解説欄に「読解プロセス」という項目があり、ただ和訳が書いてあるだけではなく、なぜそのような和訳に至ったのかが詳しく記されている。
後でもう一度言うが、これに照らし合わせながら自分の書いた和訳を読んでみることにより、自分の長文読解がしっかりと論理だてられたものかどうかが判別できる、というわけだ。
また、この読解プロセスが活字で読みにくいという人には別の方法もある。
このポレポレを執筆した、西きょうじ先生のyoutubeチャンネルにおいて、ポレポレの各例題を丁寧に先生本人が解説してくださっている。
活字に慣れず勉強が進まなかったり、一部分だけでも説明がわかりにくい部分があれば、このyoutubeチャンネルの動画を見て勉強をするというのも一つの手なので是非活用してほしい。
ポレポレ英文読解の使用法
ここまで、ポレポレ英文読解の良い点を見てきた。
しかし、どんな参考書も闇雲に使っていては意味がない。
これから書く使い方で、ポレポレ英文読解をより効率よく使っていこう。
まずは解説を見ずに訳してみる
どれだけ解説が有能でも、最終的に自分が問題を解けるようにならなければ意味がない。
まずは問題を、何も見ずに自分で訳してみよう。
最初はわからないところがあっても仕方ないと割り切り、あまり悩みすぎないのが重要だ。
とはいえあてずっぽうに書くのではなく、英文の一語一語に「こうだからこう訳そう」という理由を自分の中でつけていくのが大事だ。
また、SVOCMのような記号を文中の単語につけながら読み進めることで、文構造の把握がよりやりやすくなる。
これは後に行う読解プロセスの明確化にもつながることなので、できる限り実行してもらいたい。
自力で訳し終わったら、次は辞書を使って訳していこう。
単語はつい最初から調べたくなるが、それでは実際に問題を解くときに重要な「単語の意味を推測する力」が育たない。
この力を育てるためにも、自力で訳してみてから単語を調べる癖をつけよう。
解説を読まずにまず自力で訳していくことで、実際の問題を解くときの感覚も養いながら勉強していこう。
解説を見ながら自分の読解プロセスを明確化する
自力で訳してみたところで、いよいよ解説を見よう。
まずは和訳を読んでみて、自分の訳した文章とどこが違うかを確認してみよう。
細かいニュアンスにとらわれず、文の大きな意味でチェックするのがポイントだ。
それが終わったら、今度は解説、特に「読解プロセス」を参照しながら、自分の文章の読み方と解説の文章の読み方ではどこがどのように違うのかを確認していこう。
自分の中では正しい読み方に思えるようなところでも、実際は別の読み方の方が正しいこともある。
そのようなところで自分と解説は何が違っていたか、解説ではどのような考え方をしているかを確認することで同じような間違いを再びすることを防ぐことが可能だ。
大幅に違った場合は、文章のコピーを取ったり、ノートに移したりしたあとに、読解プロセスの説明に基づき、SVOCMなどを用いて、文法構造を直接自分で書いてみると良い。
文法構造がさらに自分のなかで明確化して覚えやすくなる。
さらに、のちの復習で正しいかどうかを確認する際、いちいち読解プロセスを読まずに、視覚的に文法構造がわかるので非常に便利だ。
音読と口頭での和訳を練習する。
最後に、ポレポレの学習で最も大切な工程を説明する。
それは、音読と、口頭での和訳である。
最終的に、読解プロセスに書いてあるような考え方を文章をスラスラ読むのと同時並行で感覚的に行わなければ、ポレポレレベルの文章をスラスラ読むことができない。
自力で訳してみて、解説を見ただけではじっくり考えながら難しい文章をゆっくり読んでいくことはできるようになるが、入試で要求されるようなスピードでの読解力は得られない。
よって、この音読と口頭での和訳の練習が非常に重要になるのだ。
そして、この練習は以下の手順で行ってほしい。
- 1文音読する。(スラスラつまらずに読むことができるまで何度も繰り返す。)
- 音読直後に口頭で和訳する。(スラスラ和訳できるようになるまで、何度も繰り返す)
- 次の文へ
簡単にいうと、1文ずつ音読して、口頭で和訳するというのを繰り返すだけである。
しかし、ここで注意してほしいのは、しっかりと音読の際にSVOCMなどの文法構造を思い浮かべながら読めているかどうかということである。
そして、音読の直後の口頭での和訳はあくまでもこの文法構造が音読と同時並行して読み取れているかどうかの確認であって、和訳自体が目的ではないということだ。
すなわち、多少直訳に近いような硬い不自然な日本語になっても構わない。
注意すべきは、決して単なる和訳の暗記による復唱にならないということだ。
文法構造を音読の最中に把握し、それをもとに和訳するというのが大切なので、和訳を暗記しては練習の意味がなくなってしまう。
さらに、つまらずにスラスラ音読でき、スラスラ和訳できることも大切だ。
よって、音読や和訳の際につまってしまったり、音読と和訳の間にあまりにも大きな間があるようなら、もう一度やり直し、何度も繰り返し練習してほしい。
注意ポイントを以下にまとめる。
- 口頭での和訳は暗記による復唱ならないこと。
- スラスラ読めずに、詰まったら何度も繰り返し練習すること。
最低限2周は繰り返すこと
このような勉強方法で最低限2周は繰り返そう。
最初は、自力で和訳してみたり、読解プロセスを読んで文法構造を書き写したりと時間がかかると思われるので、1週間に10題ずつ進めていくのが良いだろう。
2周目はもうすでにある程度インプットが終わっており、あとはアウトプットの速度を速くより確実なものにするだけなので、1週間に17~18題あるいは25題ずつ進めると良いだろう。
合計で7, 8週間かかりおよそ2ヶ月程度で終わらせると良い。
- 1周目:1週間に10題(5週間)
- 2周目:1週間に17~18題あるいは25題(2~3週間)
ポレポレの次に取り組むべき参考書、問題集
ポレポレの演習を終えたあとであれば、今までより楽に難関大学のレベルの文章を読むことができるだろう。
あとは、ある程度の文章量に慣れて、まとまった量の文章に対して、問題を解いくという演習が必要である。
よって、難関大学レベルの長文問題集をやると良いだろう。
おすすめとしては、ハイパートレーニングlv.3や東進英語長文レベル別問題集lv.5, 6である。
その他にも良い問題集はたくさんあるが、和訳だけでなくできれば文法構造がしっかりと一文一文解説されている問題集を選んだ方が自力で勉強できるので便利である。
まとめ
今回は英語長文の参考書、ポレポレ英文読解について良い点の紹介と、使い方の解説をした。
英語長文で重要なのは、なんとなく読むことではなく、自分がどういう読み方をしているのかをしっかり意識して、自分のなかでプロセス化された思考をもって英文を読んでいくことだ。
今回紹介したポレポレ英文読解の使い方を基に、英語長文を論理的に読み、英語の成績アップにつなげていってほしい。
また、英語長文は、いくら勉強しても、わからない単語があると、全く読めなくなってしまう。
以下のページで英単語の勉強法を確認しておこう。
さらに、英語長文の一般的な勉強法についても解説している記事が存在する。
英語長文の一般的な勉強法、読解テクニックなどを知りたい人は以下の記事を参考にすると良い。