大学受験での英語の対策において、英文法の学習は避けて通れない壁だ。

英文法そのものの知識を問う問題はもちろん、長文読解や英作文に取り組む上でも結局は文法の知識量が必要不可欠である。

そんな英文法の知識を万全に蓄えるためには、やはり英文法を専門に扱う参考書を1冊丸々やり通すのが一番だ。

 

さて、東大や早慶を始めとする難関大を目指すにあたって、世間に溢れている英文法の参考書のうちどれを使えばいいのだろうか。

時間が限られている受験期に、いろいろな参考書を試して自分に合ったものを探すような余裕などあるはずがない。

多くの受験生が、周囲の友人の勧めやネットのレビューを参考にして、信頼のおける1冊を見つけることになる。

そこで本記事では、これから英文法の参考書を入手して一気に文法の力をつけたいという受験生に向けて、数多くある参考書の中から特に有名なものを取り上げ、その特徴を解説していこうと思う。

本記事が、英文法の参考書選びで悩んでいる読者にとって少しでも助けになれば幸いである。

 総合英語 Forest

言わずと知れた超有名な英文法のバイブル本。現在 7th Edition まで出版されている歴史ある参考書だ。

日本の高校生なら誰もが持っているような文法書だが、中級から上級まで様々なレベルの大学受験対策に適応できる教材でもある。

 

Forestは、高校に上がって英語の学習を本格的に始める上でまず最初に取り組むべきで、言わば初心者用の参考書だ。

わかりやすいレイアウトやイラストと簡潔な解説のお陰で、文法のいろはをスムーズに頭へ入れていくことができる。

また単語やイディオムも最低限の単純なものが使われているので、語彙がまだ身についていない段階でも容易に読み進めることができるのだ。

Forestを一通り使い込んだら、次は文法の問題集に取り組むのがオススメだ。

これから紹介していくスクランブルや Next Stage、UPGRADEなどがそれに当たる。

 

Forestの有効な使い方として挙げられるのは、文法辞典としての活用だ。

問題演習をしていて文法的にわからない箇所があったら、このForestを開いて調べるのが手っ取り早い。

そういう意味で、この参考書は入試直前までずっとお世話になる一冊であると言える。

どの大学を目指すにせよ、受験英語はこのForestから始まると言っても過言ではない。

まずはこれをしっかり頭に叩き込むことが、英語を苦手教科にしないための大切な一歩である。

 

詳しい解説はこちら↓

1冊で英文法完璧!英語の参考書Forestの最強の使い方

ロイヤル英文法

これもまた大変有名な文法書だが、前述のForestと比べるとずいぶん毛色が異なる。

まず800ページという途方もない分量からして何かが違う。

ロイヤル英文法は、まさに英文法の辞書に他ならない。

半端ないボリュームの一冊にはこれでもかと文法の情報が詰め込まれており、これさえ手元にあれば文法で困ることはまずないだろう。

 

一方で、ロイヤル英文法を文法の解説書として初学の段階で使用するのはさすがにオススメできない。

説明がかなり論理的・専門的だし、いきなりこれを通読しようとしてもまずどこかで挫折してしまうだろう。

やはりこの文法書の活用法としては、英語の勉強をする時に脇に置いておき、わからない文法事項があったら辞書として引くというのが一番良いやり方だ。

安河内の新英語をはじめからていねいに

東進の名物講師・安河内哲也による英文法の講義書。入門編と完成編の2冊セットとなっている。

はじめからていねいにと謳うだけあって、ともすれば中学英語で扱うような文法事項からしっかり噛み砕いて解説してくれる。

苦手の根底には基礎の欠落があることが多く、一旦それを埋めなおすことで一気に苦手を克服できることも珍しくない。

だからこそこの参考書は英語初学者と、英語に苦手意識を持つ人に強くオススメしたい。

また安河内の新英語をはじめからていねいには、とにかく受験を見据えた文法の解説に特化しているという点で大変貴重な参考書である。

レイアウトなどのビジュアル面も教科書とは比べ物にならないほどわかりやすい。

文体などは敷居の高さを一切感じさせず、取っつきやすい仕様となっている。

章末に単語のチェックリストが載っているため、単語のストックも同時に増やすことができてありがたい。

これから文法を固めたいと思っているのなら、この講義書を通読してから他の問題集に手を出すのがセオリーだと言える。

スクランブル英文法・語法

まず最初に断っておきたいのは、このスクランブル英文法・語法は、文法のいろはを解説する講義書ではなく問題集であるということだ。

英文法を網羅的にまとめたバイブルが欲しいと考えているのであれば、スクランブル英文法・語法はあまり適しないだろう。

一方で、基礎的な文法を一通り学校で学び終え、これからバリバリ問題をこなして文法を定着させたいという人には強くオススメできる。

 

スクランブル英文法・語法は、過去の入試問題を研究した上で編まれた文法・語法問題1667問を収録している。

問題は一問一答形式であり、手軽に問題演習に取り組むことができる。

文法、語法、語彙、イディオム、会話表現、発音・アクセントの6つのPartから構成されているため、なかなか手薄になりがちな語彙の分野まで手広くカバーすることができる。

また会話表現をしっかり扱っている参考書はなかなか出回っていないためこれもありがたい。

これ一冊で、センター試験レベルの文法事項については十分にマスターすることができる。

東大・早慶をはじめとする最難関大を目指す上でも、長文演習に取り組む前に是非ともコンプリートしておきたい問題集だ。

詳しい解説はこちら↓

英文法はこれだ!スクランブル英文法・語法を使った最強の学習法

Next Stage 英文法・語法問題

通称ネクステと呼ばれ、多くの受験生に支持されている定番の文法書、Next Stage

これもスクランブル英文法・語法と同様に、講義形式の解説ではなく問題演習が中心となっているため注意が必要だ。

オススメ対象は既に基礎文法に一通り触れ、それをこれから定着させたいと思っている人である。

Next Stageは、文法・語法・イディオム・会話表現・単語と語彙・アクセントと発音の6つのカテゴリーで構成されている。

特に注目すべきはアクセントと発音で、この分野をメインカテゴリーとして厚くカバーしてくれる文法書は珍しい。

次に紹介するUPGRADEとよく比較されるが、こちらの方が分量的にはややヘビーである。

 

センター試験・中堅大学入試では差をつけることを、また難関大学入試では合格ラインに到達することを目標に設定した問題集であり、内容もなかなかに骨のあるものとなっている。

見開き左ページに問題、右ページに解答という形式の一問一答であり、解答ではかなり丁寧な解説がされている。

問題数がとにかく膨大であり、これ一冊を全てこなしてしまえば、大学受験の文法事項はほぼ完璧であると言って差し支えないだろう。

 

詳しい解説はこちら↓

英語受験の必携参考書「ネクステ」の活用ポイント4選

効率よく英語の点数があがる!定番参考書ネクステの正しい使い方

UPGRADE英文法・語法問題

UPGRADE英文法・語法問題もまた、スクランブル英文法・語法や Next Stage と同様に問題演習を中心とした編集になっている。

そのためやはり、対象は既に基礎文法を一通りさらい切っている人となる。

一から文法を勉強したいという人には、まず教科書やForestを使うことをオススメする。

 

形式や使い方は Next Stage とさほど変わりないので、中身を見比べて編集やレイアウトがよりしっくりくる方を選んでしまって構わない。

レイアウトに関してはこちらの方がややすっきりしているという意見が聞かれるが、そのあたりは個人の好み次第だ。

ただし細かいところを比べると、こちらの方が要点をしっかり絞っている傾向があり、より上級者向けと言えるかもしれない。

特徴として掲げているのは、過去15年6000回分の入試問題を徹底分析し、頻出項目を厳選していることである。

基礎から応用まで網羅されたこの一冊を何周もすれば、文法面で怖いものは何もない。センター試験や中堅私大レベルの対策としては十分すぎる問題集だ。

 

詳しい解説はこちら↓

UPGRADE英文法・語法問題を使った最強の勉強法

英文法・語法問題ベスト400

結局コテコテの解説書よりも問題集寄りの参考書ばかり紹介してしまっているが、英文法・語法問題ベスト400も有名な文法の問題集の一つである。

スタンダードな一問一答形式だが、特筆すべきはレイアウトのわかりやすさである。

余白が大きめに取られており、メモを書き込みやすいのもありがたい。

 

問題数は400題とこの手の問題集にしてはやや少なく抑えてあるが、「もっとも効率よく合格に導く、頻出問題を厳選した文法問題集」を謳うだけあってその質は確かなものである。

またジャンルは文法・語法に絞られているため、そこを集中的にやっつけたい人にはオススメだ。

センター試験直前などにサッと確認したい時にも手軽で良い。

文法の要点をまとめた小冊子も付属しており、問題演習の時に脇に置いておくと役立つだろう。

ただし網羅性にはやや欠けるので、時間と労力に余裕のある人は Next Stage などに先に取り組むべきかもしれない。

全解説頻出英文法・語法問題1000

通称桐原1000といわれている英文法の問題集だ。

実は1000と表記しているが実際は1000を超える文法問題が収録されている、とんでもない分量の問題集。

分量のみならず難易度も標準から高難度までを揃えており、大変骨のある仕様となっている。

正直なところ全解説頻出英文法・語法問題1000は、英語に苦手意識を持っている人からすればやや荷が重すぎるかもしれない。

対象は主に英語を得点源にしたいと考えていて、一通りの文法学習をしっかり済ませている人である。

英語が苦手ではあるけど、この機会に文法を徹底的に身につけたいと思っている人は、この問題集よりも先に Next Stage や UPGRADE で基礎から標準までの問題に当たっておくのが得策だ。

本番までに頑張ってこの問題集を何周もすれば向かうところ敵なし、難関校の文法問題にも臆せず立ち向かうことができるようになるだろう。

まとめ

ここまで8冊の英文法の参考書を解説してきた。どれも有名なだけあって、内容は確かなものばかりだ。

その中から自分に適した一冊を選ぶにあたってまず気にするべきなのは、講義・解説中心の参考書が必要なのか、それとも問題演習が中心の参考書が必要なのかということである。

基本的にはまず前者を通読してから、後者を何周かして知識を固めるというのが王道の進め方だ。

ネイティブスピーカーでもない限り、文法の力なくして英語の上達は見込めない。今回紹介した文法書でしっかり下地を作り上げて、英語を得意教科にしてしまおう。