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今更聞けない、受験生必須の『ロイヤル英文法』の活用術とは?

英文法の参考書はたくさんあり、どれを使って良いか迷うものである。

自分の英語レベルがどの段階にあるのか把握し、レベルに合った参考書をどのように選べば良いのかということは非常に難しい問題だ。

 

そこで今回は数ある文法書の中から、『徹底例解-ロイヤル英文法』について紹介する。

『ロイヤル英文法』は基本的な文法事項から細かい表現まで網羅している昔から定番の参考書である。

 

ここでは『ロイヤル英文法』の特徴や、他の参考書とは違う点を一通り見ていきたい。

そしてそれをこれからの参考書選びや英語学習にぜひ役立ててほしい。

目次

ロイヤル英文法の特徴

まずは『ロイヤル英文法』の特徴、そして他の参考書とは違う点について紹介する。

専門書の詳しさ

ロイヤル英文法は約900ページあり、圧倒的な情報量を誇る。

基本的な文法からさらに踏み込んだ用法まで網羅しているため、この一冊があればたいていの文法事項は大丈夫と言えるだろう。

ほかの参考書には載っていない細かい文法や表現まで細かく載っているため、「この文法について知りたいのに載っていない」といった事態は、大学受験英語の範囲ではほとんど起こらない。

口語・現代語対応

ロイヤル英文法の特徴の一つに、ネイティヴ表現、現代英語表現まで記載されているという点がある。

慣用会話表現を300精選し、その文法的裏づけと機能を記しています。例文はマーク・ピーターセン教授の厳重な英文校閲を受けています。学校で学習者・授業者の間でよく問題になる事項を具体的に解説している「Q&A」欄も増えています。

(旺文社公式ホームページより)

このように、現代英語の実態を基にして口語的表現、硬い学術表現の両方が解説されているのだ。

慣用会話表現は、文法問題だけでなく、リスニングや物語文、対話文で非常に多く出てくる。

会話表現や慣用表現まで明記し、解説している文法書は非常に少ないが、ここを抑えることでさらに一段階上の英語力の向上につながるだろう。

辞書的要素

圧倒的な情報量を持つ『ロイヤル英文法』であるが、それと同時に、辞書のように索引が充実していることも大きな特徴だ。

索引は全部で4つあり、索引に割かれているページ数は約60ページにもわたる。
疑問に思ったこと、深く知りたいと思った文法事項を索引ですぐに調べることができる点もこの文法書の特徴である。

索引は以下の四つである。

  • 文法事項索引
  • 英文語句索引
  • 日本語表現索引
  • 機能別会話慣用表現

このように索引がたくさんあることで、知りたいと思ったことを逐一調べることができる。

ロイヤル英文法の活用法

次に、これらの特徴を踏まえ、どのようにこの参考書を活用したら良いのか紹介したい。

辞書として

分からない文法事項や表現がある際、索引を使って調べ、疑問点を解消する。

参考書を熟読することは大切だがそれだけでは意味がない。

演習問題や長文問題を実際に解いていく中で生じた疑問を『ロイヤル英文法』で解消していくのが効果的であろう。

また、『ロイヤル英文法』を「辞書」としてだけ活用し、他の参考書をメインに学習する方法もある。

文法・語法の基礎を他の参考書を使って覚え、学習の際に生じた疑問点を随時『ロイヤル英文法』で活用する方法も一つだ。

参考書として

苦手な文法事項がある際、その単元の解説・例文をチェックする。

苦手分野の解説や例文を熟読してまずは基本的な文法事項をしっかり学ばなければいけない。基礎を理解してから細い表現まで網羅していくのが良いだろう。

ここで学習した文法事項を、さらに演習問題を解いたり例文を作ったりして確認することもおすすめだ。「復習」という行為は脳に記憶を定着させる上で非常に重要なため、参考書を何度も復習し、苦手分野を少なくしていってほしい。

このように「辞書」としての活用、「参考書」としての活用などと二パターン使い分けることで効果的な文法学習が期待できる。

注意しなければならない点

非常に細かい点まで文法事項を網羅している『ロイヤル英文法』ではあるが、それゆえに注意して使わねばならない側面もある。

一気に読まない

ロイヤル英文法』は約800ページで分量が非常に多いため、最初から全部読もうとすると莫大な時間と労力が必要となる。

一気に読もうとすることはかえって総合的な英語勉強の妨げとなる恐れがあり、非効率だ。通読して時間も体力も大幅に損なわれることは、できるだけ避けた方が良い。

大学受験英語は文法だけの勉強では対処できない。

文法学習だけでなく、それを活用させたり、英語長文を読む際の手助けとしなければならない。

あくまでもわからないところ逐一調べる、引くといった「辞書的」な活用が効果的である。

初心者には向かない

ロイヤル英文法』は他の参考書と比べ、文体が硬く辞書的である。

細かい点まで丁寧に解説していることは事実であるが、基本がわかっていないと理解しにくいものも多い。

 

また、文字も白黒でデザインもシンプルであり、決して視覚的に見やすいとは言えない。

よって文法を一から学習しようとする人にとっては決して易しい参考書であるとはいえない

 

一方で、基本的な文法事項を一通り理解・学習している中・上級者向けの参考書としては非常に良いだろう。

参考書として、また辞書として効果的に使うことでさらなるレベルアップが期待できる。

基本事項を一通り学習し終えた上で、さらに細かい表現を学習、勉強していきたい人におすすめの参考書である。

まとめ

このように『ロイヤル英文法』の特徴や概要を紹介してきたが、いかがだっただろうか。

 

確かに『ロイヤル英文法』は情報量が多く、視覚的に見やすいとは言えない。英文法を基礎から学びたい、一から知りたいという人にはあまり適した参考書でないかもしれない。

しかし、細かい文法事項、会話慣用表現まで網羅し、他の参考書に比べて圧倒的に多い情報量を保持しているのは事実だ。

よって英文法の基礎を一通り理解し、さらに英語力のレベルアップを図りたい人にとっては、まさに「文法の辞書」として非常に役に立つだろう。

 

ロイヤル英文法』の特徴や活用術を踏まえ、今後の参考書選びや文法学習にぜひそれを活かしてほしい。

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