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新数学スタンダード演習で偏差値を10上げる最強の勉強法

新数学スタンダード演習とは、東京出版から発行されている数学の問題集だ。

正確な名称は「大学への数学・4(5)月号増刊 新数学スタンダード演習(数学Ⅲスタンダード演習)」となっている通り、有名な数学雑誌「大学への数学」の増刊という扱いにはなっているものの、一冊で独立した問題集として使用することが可能だ。

様々なサイトで推薦されている問題集だけあって、とりあえず使ってみるという人も多いようだが、作りがシンプルな分使い方がわからず、やみくもに問題を解いてみるだけ、という人も多いのではないだろうか。

また、数学の問題集は数が多いため他の参考書と比較してもあまり差がないように見えてしまう。

そんな人たちにこの記事では、新数学スタンダード演習がどんな人に向いているか、新数学スタンダード演習をどのように使えばいいか、ということを解説する。

この記事を読んめば、新数学スタンダード演習を用いて勉強の効率を上げ、より成績アップに結び付きやすくなるような勉強法ができるようになるのだ

目次

新数学スタンダード演習のポイント

まず、新数学スタンダード演習は「『大学への数学』4月増刊号 新数学スタンダード演習」(以下、4月増刊号)と「『大学への数学』5月増刊号 数学Ⅲスタンダード演習」(以下、5月増刊号)の二冊に分かれている。

毎年「~年度」という冠がついて新規発行されているようだが、内容に大きな変化はない

補足だが、古本屋などで2014年度以前のものを見つけても敬遠したほうがいい。

これは数学のカリキュラムが改訂されているため、現在出題されている内容とは異なる内容が掲載されているためだ。

4月増刊号では数学ⅠA・ⅡB、5月増刊号では数学Ⅲと実践編が掲載されている。

文系は4月増刊号だけ、理系は4月増刊号・5月増刊号の両方をやるのがいいだろう。

新数学スタンダード演習の難易度

新数学スタンダード演習の難易度はかなり高めだ。

受験期に入ったばかりという人がすぐに取り組み始めてもあまり効果はないだろう。

ただし高めと言っても、難関大学志望者以外しなくてもいいというわけではない。

誰でも解ける問題ではないからこそ、他の受験者と差をつけることができる、つまりこれを解ければ合格に近づくことができるような問題が多く掲載されているわけだ。

実際に、新数学スタンダード演習を出版している東京出版のHPにはこのように書かれている。

文系理系を問わず、入試で合否に直結するスタンダードな問題を、着実に解く実力を身につけるための演習書。
【出典】:大学への数学_新数学スタンダード演習

以上のように、新数学スタンダード演習の難易度は難関大学なら必須、それ以外の大学志望者でもやっておくべき参考書である。

受験に備えて数学力をより鍛えたいという人、基礎的な問題集では物足りなくなってしまったという人にはうってつけの問題集と言える。

もう一つ、新数学スタンダード演習の特徴としてその章立てが挙げられる。

公式HPには次のように書かれている。
本書の章立てにおいては、教科書的な配列ではなく、より効率的に学習できるように配慮。例えば、数と式、方程式、不等式は、教科書では数Iと数IIに分断されますが、本書では、これらと2次関数などをまとめて“§1高校数学の数式的基盤”としました。
【出典】:大学への数学_新数学スタンダード演習

これらまとめられている章は、教科書では多くのページを割いて書かれている章だ。

しかし、実際の問題ではそれらは基礎知識として考えられ、問題そのものとなることはほとんどない。

章立てからも、新数学スタンダード演習が実践向きの参考書として使われる参考書であるのがよくわかるわけだ。

新数学スタンダード演習をやる前には?

以上のように、新数学スタンダード演習はいきなりやり始める参考書としては適さない

しかし、新数学スタンダード演習をやる前にはどの参考書をしたらいのだろうか?

ここで思い出してほしいのが、新数学スタンダード演習は大学への数学の増刊号であるということだ。

大学への数学の増刊号で、他に有名な参考書と言えば、もちろん「1対1対応の演習」だ。

「1対1対応の演習」と言えば、数学の基本的な問題の解法を解説する参考書として有名かつ、多くの受験生が使っている参考書だ。

同じ出版社、同じ雑誌の増刊号ということもあって、新数学スタンダード演習はこの1対1対応の演習からの接続が非常にやりやすくなっている

実際、上でも出したHPにはこのように書かれている。

「1対1対応の演習」からスムーズに接続
「1対1対応の演習」シリーズで基礎固めができている人は、本書にスムーズに移行でき、そしてステップアップをはかることができます。
【出典】:大学への数学_新数学スタンダード演習

このように、1対1対応の演習を一通り終わらせてから新数学スタンダード演習に移行するのが最も効率がいい勉強法だ。

もし1対1対応の演習を終わらせた人がいたら、新数学スタンダード演習でさらに数学の力を身につけよう

また、1対1対応以外にも、例えば、青チャートや教科書傍用問題集の4STEPなども新数学スタンダード演習をやる前にやる問題集としては適切だ。

学校などで4STEPが配られていたり、もう青チャートをやっているという人は、そちらの問題集でも構わない

これら2つについては以下の記事を参照して欲しい。

数学のおすすめ参考書!チャート式を使った偏差値爆上げの勉強法

実は落とし穴がある!?数学問題集4stepの正しい使い方

他の参考書との比較

新数学スタンダード演習とよく比較される参考書として挙げられるのが、「やさしい理系数学」だ。

やさしい理系数学は、そのタイトルとは裏腹にハイレベルな内容で知られる問題集で、新数学スタンダード演習と問題のレベルが似ていると言われている。

この2つの問題集を比較するとき、参考となるのが掲載されている問題数だ。

上述のように新数学スタンダード演習は200題以上の問題が掲載されている。

それに対し、やさしい理系数学に掲載されている問題数は、50題だ。

しかしだからと言って、新数学スタンダード演習のほうが絶対にオススメ、というわけでもない。

やさしい理系数学は、問題数が少ない分解説が豊富である。

そのため、新数学スタンダード演習では解説が不足している、と感じる場合にはやさしい理系数学を使うと効果が高い

また1対1対応の演習を使ってない人も、やさしい理系数学に一度目を通しておくとよい。

いずれにしろ、自分の目で確認してから自分に合っているか確認するのが重要で、実際に書店に行って内容に一度目を通しておくことが重要だ

やさしい理系数学については、以下の記事を合わせて見ておいて欲しい。

やさしい理系数学(やさ理)で入試数学の偏差値を10上げる方法

自分に合った参考書を使用して、より効率的な勉強をしていこう。

新数学スタンダード演習の使い方

ここまで、新数学スタンダード演習のポイントを解説してきた。

ここからは、新数学スタンダード演習を実際に使っていくときにどのように使っていけばよいかを解説していく。

適切な使いかたで参考書を使うことで、より成績アップにつながりやすい勉強をしていこう。

まずは問題を解いてみる

新数学スタンダード演習は基本的には問題集なので、まずは普通に問題を解いてみよう

各章のはじめに公式などの必須事項が書かれているが、問題を解く前にこれを暗記する必要はない。

実際に自分で問題を解いていくうえで気づいたことや、問題を解いてみて解説に気づかされたことだけが自分の力になる。

生半可に暗記しても、その場しのぎで終わってしまうだろう。

それよりは確実に自分の力になるような勉強を心がけよう。

問題に取り組むときは、中途半端にいろいろなジャンルの問題に取り組むよりも一つのジャンルの問題に集中して取り組もう

ひとつのジャンルの問題を集中的に解くことで、そのジャンルの問題の解き方、解くのに必要な知識を体系的に覚えることが可能だ

問題を解いたら必ず復習

問題を解くと言っても、ただ単に問題を解いて終わりというわけではもちろんない。

問題を解いたら、しっかり解説と照らし合わせて復習をしておこう

自分の解答に何が不足していたのか、どのようなことを付け加えれば完璧な解答となることができるかを見直しておくことで、似たような問題が出てきたときに二度と間違えないようにすることが重要だ。

また、先ほどまだ見る必要がないといった必須事項の欄はこのタイミングで見直しておこう。

解いた問題のどこに、どのような形で必須事項が使われているのかをしっかり見直すことが重要だ。

必須事項は教科書に書かれていることだけではなく、教科書に書かれていない重要なテクニックなども書いてあるので、この知識を身につけることが周りと差をつけるチャンスとなる

さらに、問題を復習するときのテクニックとして、間違えた問題の問題文を別紙に書いておくことも有用である

これを見直して、解法を思い出すことができればいいし、解法を思い出すことができなければその部分の解説を見直せばよい。

本当に知識が自分の身についているか、ということを見直すことができるのだ。

わからなければ一度立ち戻ってみる

そうは言っても新数学スタンダード演習はかなりハイレベルな問題集であることに間違いはなく、しばしばお手上げとなることもあるだろう。

そんなときは、一度1対1対応の演習に戻ってみることも重要だ

上で述べた通り、新数学スタンダード演習は1対1対応の演習をすでに使用した人に使いやすい作りになっているから、逆に言えば新数学スタンダード演習で当然の知識とされていることは1対1対応の演習ですでに解説されていることも多い

一度1対1対応の演習に戻ってみることは、決して無駄な遠回りではなく、自分が今本当に足りていないところを見直すきっかけになるわけだ

これは新数学スタンダード演習に限った話ではなく、すべてのレベルが高い参考書・問題集に言えることかもしれない。

むやみやたらとレベルの高い参考書を使うのではなく、本当に自分に合った参考書、自分に今足りていないところを補足できるような参考書を使って、自分の能力を一番効率よくあげられるような学習をしていこう

まとめ

以上では、新数学スタンダード演習について、その内容やポイント、また使い方を解説した。

新数学スタンダード演習は確かにレベルの高い参考書だが、その分他の受験生と差をつけることができるようになる参考書でもある。

問題を解いて復習していく過程で、得られる知識というのは必ず数学の問題を解いていくうえでの力になるだろう。

今回解説した参考書の使用法を使って、他の受験生と差をつけ合格をつかみとろう

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