大学受験生にとっては、勉強というものは切っても切り離せないものだ。
では、君たちは日々どんな勉強をしているだろう?
今、君たちがしている勉強で、本当に大学受験を成功させることはできるのだろうか?
もし君たちが忘却曲線を利用した繰り返し学習というものをしていないのであれば、それは危険信号だ!
受験に失敗する可能性が大いにある。
繰り返し学習はおそらく、大学受験で成功するための最強の勉強法であるからだ。
実際に、東大などの最難関大学に合格した受験生は、ほぼ確実に、忘却曲線を利用した繰り返し学習法をマスターしている。
ここでは、繰り返し学習がどのようなものか、受験勉強においてどうしてそれが有効なのか、繰り返し学習の仕組みから詳しく解説していく。
是非これを読んで、君たちも正しい勉強法で大学受験を成功させよう。
忘却曲線を利用した繰り返し学習が、なぜ大学受験勉強に有効か
忘却曲線を利用した繰り返し学習は、受験で成功するための最有力の勉強法である。
それはなぜだろうか。
ここでは、繰り返し学習の有効性について詳しく説明していく。
勉強と暗記の密接な関係
勉強には、どのような行為が含まれるだろうか?
理解、思考、知識の応用などが挙げられるが、これらは知識のインプットなしでは成り立たない。
上の三つの勉強での行為は、知識のインプットなしでは成り立たない。
つまり、知識のインプットという行為は、勉強の根源的な行為であると言える。そして、知識のインプットそれ自体が暗記というものである。
暗記は、勉強の中の最も根源的な要素で、それなくしては、勉強は絶対に成り立たないのだ。
このような意味で、暗記と勉強は密接な関係にある。
忘却という人間の能力
ここで、勉強と密接に関係している暗記だが、忘却という敵がいるせいで勉強を困難なものにしてしまっている。
もし、一回で完璧に暗記してしまって、覚えたことを一度も忘れないなんてことがあったら、どれだけ勉強が楽になるだろうか。
しかし、忘却というのは人間に必要な能力でもある。人間がすべての情報を忘れることができなくなってしまったら、どうなるだろうか?
つらいできごと、悲しいできごとも一切忘れることができず、脳の情報量は膨大になりパンクしてしまうだろう。
忘却というものは脳の情報を整理しておくためのとても優れた能力なのだ。
よって、我々は、忘却という能力とうまく付き合ってきかなければいけないのである。
忘却という能力に勝つために
勉強と暗記が密接に関係していて、勉強において暗記は非常に重要なわけであるが、暗記は、人間の忘却という能力によって、邪魔されてしまう。
しかし、忘却という能力はもともと情報を整理しておくための能力である。
つまり、必要な情報と必要でない情報を分けて、必要でない情報を暗記しにくくするための能力である。
ということは、忘却という能力によって、覚えておきたい情報を脳内で覚えておくように整理しておく方法があるはずである。
それが、まさに忘却曲線を利用した繰り返し学習なのだ。
人間は、一度インプットした情報はすぐに忘れてしまう。しかし、二度や三度と繰り返し情報をインプットしていくことによって、より忘れにくくなっていくのだ。
(図1)
このグラフを見てほしい。
これは、エビングハウスの忘却曲線というもので、青色の線は、復習しなかった場合、一度覚えた記憶がどのような時間で忘却しているのかを表したグラフである。
これを見ると復習しなかった場合、みるみるうちに忘れていってしまうことがわかるだろう。
しかし、オレンジ色の線を見ると、繰り返し復習をすることによって、記憶がどんどん定着していくのがわかる。
このように、何度も繰り返して記憶をインプットすることで、覚えたい記憶をより忘れにくくすることが可能なのだ。
つまり、これらのことから考え合わせると、繰り返し学習というものは、勉強から切っても切り離せない関係にある人間の脳の自然な現象である忘却という能力と、うまくつきあっていくための非常に合理的な勉強法なのだ。
これで、この記事を読んでいる大学受験生諸君はいかに繰り返し学習が有効かわかっただろう。
大学受験で役立つ、繰り返し学習の例
上では、いかに繰り返し学習が有効かわかったと思うが、それだけではどんなふうに繰り返し学習をすればよいかわからない。
しかし、繰り返し学習という勉強法は、暗記が伴う勉強法であれば、必ず使える。
ここでは、そんな繰り返し学習を用いた勉強法の一例を紹介する。
英単語の暗記
おそらく、高校生の中で、だれもが英単語の暗記に苦労していると思う。
しかし、英単語の暗記は100%暗記要素しかないので、繰り返し学習は大いに役立つものとなっている。
逆に、繰り返し学習を用いないと、全く覚えることができないのが英単語だ。
では、いまから具体的にどのようにして繰り返し学習を行えばよいか説明する。
まず、英単語帳を5~10くらいの区分にわけよう。
だいたいこれは、どの英単語帳でもテーマがレベルごとに分けてあると思うので、区分わけはそれに従えば大丈夫だ。
次に、まずは一日何個ずつやるか決めて、その区分の中の単語をその個数に従って覚えていこう。
このとき、この個数ができるだけ多いほうがよい。
というのも、より短期間により何回も繰り返すことで記憶はより定着しやすくなるからだ。
1区分ぶん終了したら、その区分の英単語をもう一度繰り返そう。その際には、一回目よりも倍以上の速度で繰り返すことを心がけよう。
これをすべての区分について繰り返して、やっと単語帳を1周する。そしたら、これを今度はさらに、単語帳が完璧だと思うまで2~5周繰り返そう。
仕上げは、単語帳の索引を使った暗記だ。
単語帳の中身ではなく、索引に書いてある単語を順番に見て意味が言えるか確認するのだ。
単語帳だけで覚えてしまうと、その順番で出てこないと単語の意味が出てこないというデメリットがある。
しかし、索引というのは同じようなつづりの単語が前後に並んでいる。
つまり、隣接した単語同士を識別しにくいのだ。
ここで、しっかりと意味を区別して言えるようになると、どんなところで出てきてもしっかりと意味を反射的に思い出すことができる。
以上が、繰り返し学習を用いた英単語の暗記方法だ。
より詳しい解説は以下の記事にも載っているので、合わせて読んでおいてほしい。
理系科目での繰り返し学習
理系科目というと、数学、物理、化学など、暗記ということとは全く関係のないように見える科目ばかりである。
しかし、これらの問題を解くにあたっても、繰り返し学習というものが必要になってくる。
例えば、数学や物理などでよく例題といった感じで、頻繁に出される同じような問題が出てくることがある。
これらは、何が同じかというと解法が同じなのである。
それくらい、その問題で使われる解法は重要で頻繁に使われているということだ。
つまり、同じような解法で解ける問題が何個も出題される可能性がある数学や物理などの理系科目において、この問題やその解法を応用した問題を解けるようになるためには、解法の暗記が必要なのである。
ここに、忘却曲線を利用した繰り返し学習が有効なのである。
今から、具体的にその方法を説明しよう。
皆が持っているような学校の数学や物理の問題集があると思うが、だんだん解いていくと必ずわからない問題が出てくると思う。
それらは、そこで考え込むのではなくて、ある程度考えてもわからない場合は答えを見てしまおう。そしてそこで解法を覚えてしまうのだ。
解法を覚えるというのは解答を覚えるのではなく、解答の論理的な道筋のみを覚えるということなので、そこまで大変ではないはずだ。
覚えたと思ったら、何も見ずに答えを再現してみよう。
ここでしっかりと解答を自分の力で作れれば、覚えられたということになる。
ここで、しばらく時間をおこう。(1週間程度で、ある程度問題集でキリがつくところ)
そして、特にできなかった所や、次に解けるか怪しい問題をもう一度解いてみよう。
ここで問題が解けたなら、次いつ出ても解ける。
逆に解けなかった場合は、また同じように解答を見てそれを再現してみて、また時間をあけて再チャレンジしよう。
このように、問題集のできなかった問題などを何回も繰り返し行うことによって、自然と解法が身に付いて忘れにくくなるのだ。
まだ、他にも繰り返し学習を用いた勉強法がたくさん存在する。
以下の記事は、繰り返し学習を用いた勉強法や、少しでも繰り返し学習に関係があることが載っている記事だ。
こちらも合わせて読んでおくと、より具体的な勉強法がわかる。
忘却曲線を利用した繰り返し学習は、少しでも暗記が伴う勉強であれば活かすことができるので、これは繰り返せば覚えられるなどと少しでも思ったら繰り返していこう。
まとめ
以上が、繰り返し学習がいかに有効であるかと、具体的にどのように勉強に繰り返し学習を活かしていくのかの具体的な勉強法の解説である。
このように、繰り返し学習とは、忘却という脳の情報をうまく整理するためのシステムを合理的に活かした勉強法である。
また、英単語の暗記などの、暗記があからさまに関係するものだけでなく、数学などの理系科目の問題の解法暗記にも活かすことができる、非常に重要な勉強法である。
まだ実践したことのないという人が是非実践しよう。
成績が向上して、大学受験に成功すること間違いなしだ!
(celly 東京大学理科二類在学)