医者という職業は近年人員不足に陥っている。
そんな中で、医者を志す高校生は少なくないのも事実である。
しかし、医者になるためには、難関な医学部入試を乗り越えて、さらに医師の国家試験を受けて合格しなければならない。
ただ、医学部の中にも地方中堅クラスの国公立から日本でおそらく最難関の東大、京大医学部までと様々なレベルが存在する。
そんな中で、医学部志望者は自分の志望校を選ぶのにかなり悩むことが多いのではないか。
そんな医学部志望の高校生たちのために、ここでは、どのように自分の志望校を決定すればいいのか、それぞれの大学のレベルを詳しく記したうえで、解説する。
目指す医学部の志望校を具体的に決定しておくことは、自分の受験勉強のモチベーションアップに大きく貢献する。
この記事を読んで具体的な志望校を決めてしまおう。
医学部のレベル別分類
志望校を決定するうえで、まずはどんな大学の医学部がどの程度のレベルなのかをしっかりと認識しておくことが最初のステップとして一番重要である。
よって、ここでは、それぞれの大学の医学部がどの程度のレベルなのかを詳しく説明する。
まずは、これを読んで医学部の情報を蓄えよう。
都市部の難関大学の医学部
まずは、医学部の中でも上位の都市部の難関大学の医学部のレベルについて説明する。
やはり、断トツで一番レベルが高いのが、東大の理科三類と京大の医学部医学科の入試である。この二つの大学の医学部に関しては、かなりの勉強量に加えて、勉強の才能と、塾の講師などの素晴らしい指導者も合わせて必要になってくる。
また、単に医学部志望というだけではなく、「東大の理三がいい!」「京大の医学部じゃないと絶対に嫌だ!」などこの二つの大学に対する強いこだわりがないと受験勉強が続かないだろう。
この二つのいずれかを志望する場合は相当な覚悟が必要である。
その次に難関と言われているのは、残りの旧七帝大と東京医科歯科大学の医学部である。
これらは偏差値が70以上ないとやはり厳しいだろう。
この大学に合格するためにもやはりかなりの勉強量が必要だ。
仮に模試でA判定をとったことがあったとしても、確実に合格するとはいえないというレベルなのだ。
東大京大に比べ確かにレベルは劣るが、こちらもかなりの覚悟をもって志望するべきである。
都市部大学、または地方難関大学の医学部
ここでは、都市部の難関とはいえない、二番手大学と地方の難関大学医学部について説明する。
つまり、横浜市立大学、金沢大学、名古屋市立大学、京都府立医科大学、大阪市立大学、神戸大学、広島大学、岡山大学、千葉大学などだ。
ここの大学は、偏差値が65以上ないと志望するには厳しい所がある。
実際に目指すのであれば、都市部の難関大学医学部を合格するつもりでやらないと、確実に合格することは難しそうである。
地方大学の医学部医学科
次にそれより下のレベルの地方大学の医学部医学科のレベルについて説明する。
この次に来るのが地方で高い人気を誇る、筑波大学、新潟大学、三重大学、滋賀医科大学、奈良県立医科大学、熊本大学などがあげられる。
ここのレベルにきてやっと、東京大学の理科一類や理科二類と同等の学習量が必要となる。
これを知ると、いかに医学部入試が難しいかということがわかるだろう。
しかし、これは単に難易度を比べられるということではない。
それは、東大の受験問題はかなり考えて作られているので、しっかりと実力差が出るのに対して、
このようなレベルの大学の医学部は、問題に癖があり、いくつか問題をうっかり間違えてしまうだけで、かなり順位を落としてしまう。
確かに、東大の普通の科類と同じ勉強量でいいのであるが、しっかりととれる問題を確実に落とさないという能力が要求されるという面で難しさが異なるものになる。
次に、来るのが地方の中堅レベルといわれている大学の医学部医学科だ。
ここは三つのレベルに分けることができる。
中堅レベルで一番高いのは、札幌医科大学、弘前大学、富山大学、岐阜大学、福井大学、香川大学、山口大学、長崎大学などである。
次に来るのが、福島県立医科大学、浜松医科大学、群馬大学、大分大学、琉球大学、山形大学、秋田大学、信州大学、和歌山県立医科大学、徳島大学、愛媛大学、鹿児島大学である。
最後に地方中堅の中でも一番やさしいのが、鳥取大学、島根大学、高知大学、佐賀大学、宮崎大学だ。
これらの大学もいくら地方中堅とはいえど、センターで最低でも8割以上を得点したり、二次試験が課されていたりと、決して楽とは言えない。
やはり、医学部を志望している以上は、かなりの覚悟と、勉強量が必要であることは確かだ。
医学部医学科後期試験
医学部医学科の中で実際に後期試験を行なっているところはかなり少なく、信州大学、岐阜大学、山梨大学の3つだけである。
このうち、信州大学と岐阜大学に関しては、前期でかなりレベルの高い所を受けて失敗した人たちが受験しに来るので、前期に比べてかなりレベルの高い戦いとなる。
信州大学は地方のわりに問題のレベルが高い。
また、岐阜大学はセンター試験と二次試験との得点比が1:3とかなり二次重視になっている。
また、二次試験に理科が課されているなどしているため、かなり高倍率で厳しい戦いとなるだろう。
逆に山梨大学は地方中堅レベルなの二つに比べてレベルは劣る。
以上が、全国の医学部を含む大学のレベル分けをざっくりとした説明だ。
いずれにせよ、医学部は下のレベルでも全体で見ると相対的に高い位置にいるので、しっかりと勉強しておこう。
医学部受験における、志望校の決め方
次はいよいよ、実際にどのようにして志望校を決めていけばいいのかについて説明する。
これを読んで今のうちからしっかりと目標を立てておこう。
第一志望は高すぎず低すぎず
志望校を選ぶときに真っ先に選ぶのが第一志望だ。
おそらく、この第一志望校を選ぶのに一番神経を使うだろう。
なぜならば、第一志望は受験勉強のモチベーションを大きく左右するからだ。
もし、低すぎるところを選んでしまうと安心してしまって勉強しなくなってしまうだろう。
逆に、高すぎるところを選んでもなかなか成績が伸びずつらくて途中で逃げ出したくなるだけだ。
よって、第一志望校選びは一番重要なのだ。
ここからは具体的な選び方について説明する。
基本的には、もし入試まで1年以上あるのであれば、先ほど示した大学のレベル分けで、自分が現時点いるレベルの1個ないし2個上のレベルの大学を第一志望に設定しよう。
一年以上もあればまだ成長の余地があるからだ。
1年以内半年以上であれば、1個上のレベルまではレベルを上げていいかもしれない。
現時点で半年を切っているのであれば、自分と同じレベルの大学から志望校を選び、そこの大学に確実に合格するようにしっかりと勉強しよう。
志望校は3個以上決めておこう
第一志望を決めさえすれば、志望校を決定し終えたとは決して言えない。
特に、医学部志望者の場合、センター試験の得点によってかなり出願する大学が左右される。
そうなったときのためにあらかじめ第一志望校の下のレベルの志望校をいくつか決めておくことが重要なのだ。
まず、大学受験には国公立と私立がある。
このうち私立はどの大学でも日程さえかぶっていなければ受験可能なので、第一志望校以外の大学を決める際は、まずは私立の大学についてどこを受験するか決めよう。
次に、国公立についてだ。
国公立は前期と後期受験がある。
後期受験で受けられるところは、先ほども述べたが、岐阜大学、山梨大学、信州大学の3つだけなのでそちらは簡単に決められるだろう。
前期については、センター試験の得点がどうしてもかかわってくる。
医学部受験において、センター試験の点数は非常に重要であり、少し点数が違うだけで受験できる大学、または受験でき尚且つ勝機がある大学がだいぶ違ってくる。
よって、具体的にセンターで失敗した場合も考えて、この点数ならどこと具体的に決めておこう。
そして、ここで上がった大学は必ず事前に入試情報(試験日、試験時間、試験科目等)を調べておこう。
センターに失敗してから慌てて調べて遅い場合もあるからだ。
できれば過去問も合わせて解いておいてほしい。
レベル以外に重要視すること
今まで、大学の入試のレベルによって大学をカテゴリーに分けて、また、それに基づいた志望校の決定方法を述べてきた。
しかし、志望校の決定において、入試のレベルがすべてではない。
あくまでも入試のレベルは一つの決定する要素にしかすぎず、他にも立地やその大学の雰囲気、大学の設備等の要素があるだろう。
これらをないがしろにして、入試のレベルのみで志望校を決定すると、大学に入って自分に合わないなどといった取り返しのつきにくい失敗をしてしまう。
入試のレベルはあくまでも志望校決定の一つの要素に過ぎないということを十分わかってほしい。
まとめ
以上が医学部志望者の学生のための志望校決定マニュアルである。
医学部志望者の人はこれで、どの大学がどれくらいのレベルなのか、どのようにして志望校を決定していけばよいのかということが分かったと思う。
ぜひこの記事を参考にして、早めに志望校を決定して自分の大学受験の目標を具体的にイメージしよう。
きっと勉強もはかどり第一志望校に合格できるだろう。
(celly 東京大学理科二類在学)