国語という教科は非常に厄介な教科である。現代文と古文と漢文という3つの科目を有している。
その中で、現代文はまだ日本語であるからわかるにせよ、古典に関しては解読すらできないと苦労している人が多いのではないか?
特に漢文なんて漢字だらけで読めたものではない、と感じている人も多いはずだ。
しかし、漢文はしっかりとしたステップをふんでちゃんと勉強していけば、絶対に読めるようになる。
ここでは、参考書を用いて、漢文が苦手な受験生に対して、しっかりと漢文が読めるようになり問題が解けるようになり、結果的に偏差値が10上がるための漢文の勉強法を3つのステップに分けて解説する。
君たちもこれを読んで漢文でもう悩まないようになろう!
漢文を読むためのファーストステップ
漢文を読めるようになるためにはある程度の前提的な知識が必要である。
ここでは、漢文の勉強をする初期段階に必ずやっておいてほしい勉強を2つ紹介する。
これができないと話にならないので是非やっておこう。
漢文の元は古文
漢文は確かに漢字だらけの古代中国語の文章である。
しかし、昔の日本人はそれをみんなが解読できるように、日本語の読み仮名を当てて返り点を付けて、書き下し文に直して読んでいた。
よって、書き下し文は当然古代日本語、つまり古文で書かれている。
つまり、漢文を読めるようにするためには、まずは古典文法の知識が必要である。
そのほかに多少の古典単語などを知っていないとまず読めるはずがない。
よって、まずは歴史的仮名遣いから古典文法などある程度の初歩的な古文の勉強をすることが必要なのだ。
また、それと同時に初歩的な古文単語も同時に習得しておくことが絶対に必要だ。
古文の勉強を一切真面目に取り組んでいないという人は漢文の勉強をする前に絶対に古文の勉強をしよう。
ある程度古文の初歩的な勉強が終わったら、その後は同時並行で勉強していこう。
最低限書き下せるようになろう。
漢文の初歩的な勉強で、古文の知識以外にもやっておかなければならないことがある。
それは、最低限、返り点のついている文章から書き下し文に直せるようになることだ。
これは、返り点(レ点、一二点、上下点など…)の仕組みを覚えればすぐできることである。
また、これは漢文の意味を理解する必要がないので、古文の初歩的な勉強ができていなくても、簡単にできることだ。
よって、古文の勉強と同時並行でやっていこう。(といっても本当に簡単なのですぐに終わってしまうだろうが…)
漢文の句法と単語
しっかりと古典文法の理解ができて、書き下し文に直せるようになったら、いよいよ次のステップである。
次は、漢文の句法と漢文に使われる単語を覚えよう。
ここでは、句法と単語とは何かと共に、その覚え方まで詳しく解説していく。
句法とは?
漢文には、ある特定の漢字の列が並んでいたら、必ずこのように返り点をつけてこのように書き下して、このような意味になるというのが決まっている。
例えば、「非A不B」とあったら、「Aにあらざれば、Bせず」と書き下し「AでなければBしない」という意味になる。
このような漢文独特の文法的な規則を句法という。
句法は返り点の付け方と書き下し方が決まっているので、重要な句法がある部分は白文で出されても仕方がない。
そのため、もし白文で出されても君たちは読めるし訳せるといったような状態にしておかなければならない。
それゆえに重要な句法がある部分は、書き下せや訳せなどと問題にも出題されやすいのだ。
知っていないとまず途中で読めなくなってしまい、逆に句法が聞かれる問題も多いので句法は必ずすべておぼえるようにしよう。
漢文独特の単語
句法がわかったからと言って、必ず漢文が訳せるようになるとは限らない。
なぜならば、古典単語の様に漢文にのみでてくる独特の単語があるからだ。
例えば、故人と言われたら現代の日本語では死んだ人という意味になる。
しかし、漢文の世界では、旧友や親友といった意味になる。
また、寡人と聞いたら意味が全く分からないだろう。
これは、王が自らをへりくだっていう王様の一人称なのだ。
これを覚えないと、漢文の文章中の漢字がどういう意味を表すのかわからなくなって、訳せなかったり、文章の意味が分からなくなったりしてしまうわけだ。
よって、句法と同時に漢文に現れる独特の単語を覚えていこう。
漢文の句法と単語の覚え方
絶対に覚えよう、と言われても「じゃーどうやっておぼえればいいんだ。」と思う人がいると思う。
そんな人たちは安心してほしい。
ここできっちり説明する。
まずは、この参考書を使ってほしい。
それは、田中雄二の漢文早覚え速答法(大学受験VBOOKS)だ。
これは、漢文の句法や単語が収録されている参考書の中では一番有名で使いやすいものだ。
これを用いて繰り返し学習の方法を応用していこう。
まずは、参考書を5~10個くらいの区間に分けよう。
最初からテーマやレベルに区切ってあるところで大丈夫だ。
次にその区間の単語または句法を一日何個か決めてコツコツ覚えていこう。
終わったら、その区間で二周目を行うのだが、その際は必ず一日に覚える個数を増やそう。
次に、それをすべての区間についてやって、参考書を一周しよう。
そして、これだけでは参考書の句法や単語は完璧にならないので、その一冊を何周も覚えるまでやりつくそう。
詳しいことは、以下の繰り返し学習についての記事で解説してある。
これは、暗記系の勉強には大事なことなので絶対に見てほしい。
受験を成功させる最強勉強法(暗記法)!?忘却曲線を利用した繰り返し勉強法について
漢文の問題演習をしてアウトプットしていこう
しっかりと、句法と漢文独特の単語の勉強をしたら、おそらくセンターレベルの文章であれば内容をしっかりとつかむことができるだろう。
しかし、それだけでは、実際の問題で満点近くとることができない。
それは、単純に問題に慣れていないからだ。
よって、句法と漢文独特の単語の勉強をしたら、必ず問題演習をしてアウトプットをしていこう。
以下にアウトプットで使うことができる、絶対にやるべき問題をここに記しておく。
センター試験の過去問はアウトプットに最適!
センター試験の漢文は時間さえ図らなければ比較的簡単で読みやすい。
問題演習の初心者がやるには完璧な問題集だ。
また、問題も選択肢なので漢文の問題に慣れていない人でも十分解くことができる。
たとえセンター試験で漢文を解かない人でも、ぜひセンター試験の過去問は解いてほしい。
自分の志望大学の過去問を解こう
二次試験で漢文が課されている大学は、割と上位の大学に限られるのではないかと思う。
そのような大学を受験する人たちは自分の志望大学の漢文の問題形式を十分研究しておく必要がある。
二次試験に漢文があるとわかっている人は、必ず自分の志望大学の漢文の問題を解いておこう。
(※ただし注意してほしいのは、二次試験の過去問はかなり出回っている数が限られているということだ。よって、問題形式になれるのであれば、十分漢文の基本的な演習をつんで力がついた後に取り組んでほしい。)
余裕があれば、問題集をこなす
センター試験の過去問だけでは不十分で余裕がある人は、自分の大学の過去問をやる前に、何か問題集を選んで一冊仕上げてみるとよい。
これは、学校で配られる問題集など何でも構わない。
自分で問題集を選んでみてしっかりと一冊やりこなしてみるとかなり力がつく。
是非余裕がある人はやってみよう!
まとめ
以上が、参考書を用いて、漢文が読めるようになって、偏差値が10上がるための3つのステップだ。
このステップ
- 古典文法など基礎的な知識をつける。
- 句法や漢文独特な単語を覚える。
- 問題演習を十分積む。
を守っていけば、必ず漢文の問題が満点近くとれるようになる。
是非この方法を守って、漢文をクリアーしよう。
(celly 東京大学理科二類在学)