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漢文読解力急上昇!漢文句形のポイント・覚え方を解説する

漢文という科目は、国語という教科の中でも特殊な科目の一つだ。

理系の人や、文系でも二次試験に漢文がない人の中には漢文という科目の何を勉強すればいいのかわからない、勉強するポイントが分からないから試験でも中々問題文を読み進めることができない、という問題がしばしば発生する。

しかし、漢文というのは実はそんなに複雑な科目ではない。

実は、覚えるべきところをしっかり覚えておけば簡単に高得点を目指すことができるのだ。

この記事では、そんな漢文を読み解くためのカギとなる句形を、覚えるべき10のジャンルに分けて解説していく。

この記事を読んで、センター試験高得点を目指せる漢文力をつけよう!

目次

覚えるべき10の句形ジャンル

漢文において、読むのに必須とも言える句形を読み解く力。

「見たことはあるけど、難しそうで覚える気にならない・・・」という人も多い。

しかし実際は、句形はたった10のジャンルに分けることができる。

  1. 再読文字
  2. 否定
  3. 疑問・反語
  4. 受身
  5. 使役
  6. 仮定
  7. 限定
  8. 比較・比況
  9. 選択
  10. 願望・詠嘆

この10に分けて覚えることができれば、漢文読解力は劇的に伸びるだろう。

ここではそんな漢文句形を一つずつみていく。

再読文字

再読文字は、未・将(且)・当(応)・宣・須・猶(由)・蓋の7つがある。

再読文字はセンター試験でも問われることが多く、この意味を知っているだけでも解ける問題は少なくない。

一つ一つの意味についてはここで見ることはしないが、最重要暗記事項なので、各種参考書を使って必ず暗記し、問題中でも必ず追えるようにしておきたい。

否定

否定の句形には様々な種類がある。

このうち、「不」や「非」など一文字で後ろの部分を否定する漢字に対しては、いちいち覚えずともその場で理解できると思う。

重要なのは、「せざるは無し」と読めるような二重否定や「つねに〜ず」、「つねには〜ず」と読める部分・全部否定といった句形で、これは一つ一つ覚えて行く必要がある。

特に部分・全部否定については、二つの境界が中々わかりにくい時も多いので、しっかり覚えておこう。

疑問・反語

疑問と反語は一見すると非常によく似ている。

しかし、どちらに取るかで文の意味が全く変わってしまうから、どちらかをしっかり見極める必要がある。

ポイントは「〜ぞ〜ん(や)」という読み方で、このような読み方がある場合は反語である。(古文の意味をイメージするとわかりやすいかもしれない)

受身

受身において、覚えることは少ないが、意味としては動作の主体が入れ替わるわけだから読解上の重要性は大きい。

受身において重要なのは「見」・「被」の2つの文字だ。

また、「為」「所」の2文字がセットで「為A所B」のように登場した場合は、「AのBするところとなる」と読むことができ、こちらも受身の意味になる。

使役

使役において覚えるべき漢字は「使」・「令」・「命」・「説」の4つだ。

使役は意味もそんなに難解ではないし、センター試験だとあまり重要ではないが二次試験で現代語訳の問題が出てきたときはしっかり訳する必要がある。

仮定

仮定には多くの漢字が使われている。

それらを覚えるポイントは、「バ」「トモ(ドモ)」といった送り仮名を振ることができるかどうか、という点である。

また読解の時に気をつけるべきなのは、仮定ではしばしば「AならばB」のような言い方が出てくるがこの時に重要なのはBの方なので、そこを間違えないようにしたいということだ。

限定

限定の時に注意したい漢字は「唯」「独」「耳」といった漢字だ。

特に「耳」は普段使っている意味とは違う意味だから注意したい。

限定を使っているときはそれによって強調されている部分が重要なポイントという意味だから、読解の時に見逃さないようにしたい。

比較・比況

比較・比況では「如」のような漢字が使われるが、より重要なのは比較・比況では「AはBにしかず」というように対比されるAとBがいる場合と、「Aにしくはなし」のように対比するものがない場合の二通りが存在するということだ。

特に、AとBが存在しているものはどちらが上・下なのかという上下関係を理解することが読解のカギとなる。

選択

選択形はまず読むのが難しい場合がある。

「AはBにいづれぞ」と読める「孰与」を含んだ文章など、覚える部分は多いが、その分他の人と差をつけられる問題として出題されることも多い。

願望・詠嘆

最後に見るのは願望・詠嘆だ。

こちらも、文意に大きく影響を与えるというわけではないが現代語訳なら外せない部分となっている。

文末の「哉」のような一字は特に見落としやすい部分でもあるので、その点は注意しておきたい。

句形の覚え方

ここまで、代表的な句形10ジャンルについてみてきた。

句形は一見多いように見えて、ジャンルごとに分けて考えればそこまで多いわけではない。

しかし、それでも句形の学習は中々取り組みにくく、どのように覚えればいいか分からないという意見も多い。

そこでここからは、句形の覚え方について、実際にどのような方法で覚えたら良いかを解説していく。

ここで解説した方法で、漢文の成績アップにつなげていって欲しい。

問題集で句形を覚える

問題集に取り組みながら句形を覚えるときのコツは、復習にある。

問題集を解き、答え合わせが終わったら、ペンを蛍光ペンに持ち替えて、問題文に出て来た句形に線を引いていこう。

問題集をやっていく途中で気づかなかった句形などもあると思うので、適宜各種参考書や、問題集の解説を参考にして欲しい。

また、センター試験の選択式の問題集であるなら、選択肢のどこに句形の意味が入り込んでいるかを適宜確認するのが重要だ。

作問者は句形の意味を理解できているかを確認するために問題を作っているので、これを確認することで作問者がどのポイントを重要視していたかを知ることができる。

特に過去問を解く時には重要なのはテクニックとして使うことができるだろう。

漢文でも音読は重要

句形を覚えるときに意外と重要なのは、書き下しを正確に読めるかどうかという技術だ。

それには文法やルールの理解がもちろん重要だが、感覚として、そして読みのスピードを上げるために有効な練習が音読である。

音読は英語や古文などではしばしば有効な学習法の一つとして取り上げられるが、同様に漢文も文章を読むのが重要なのだから漢文でも音読が有効である。

漢文を音読するときには、ただ単に何も考えずに読むだけでなく現代語での意味をある程度抑えながら読んで欲しい。

特に送り仮名によって意味が全く異なってくる受身や反語などはこの練習によって格段に意味の把握を行えるようになるだろう。

まとめ

漢文の句形について、その覚えるべき10ジャンルと、実際に使える覚え方を解説した。

漢文句形は覚えることによって読解が格段に容易になるだけではなく、問題を解答するときにも有効な知識として使うことができる。

この記事で解説した覚え方・覚えるポイントを活用して、漢文の成績アップにつなげよう!

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