東大入試にはかなり多くの科目が必要になってくる。
理系であれば、二次試験に国語、数学、英語、理科二科目とこれに加えてさらにセンターでは社会一科目がついてくる。
文系であれば、二次試験に国語、数学、英語、社会に科目とセンターに理科基礎二科目だ。
このように、かなり教科数が多い。
なので、どの時期にどの教科をどれくらいのバランスで勉強するのかという戦略面がかなり重要になってくる。
この中で、特に最近問い合わせが多いのが、高校1・2年生の時期にはどの教科を勉強しておくのが良いかと言うことである。
はっきりいうと、高校1・2年生のうちは、英語と数学だけでほとんど大丈夫だ。
これを聞くと、「国語は?理社は?やらなくていいの?」と思われる方も多いと思うが、実際高校1・2年生のうちは、自主学習はほとんど英語と数学中心で大丈夫だ。
逆に他の教科に時間を割きすぎて、高校3年生になって英数の仕上がりが遅くなってしまって失敗するケースの方が危険である。
この記事では、高校1・2年生の東大志望者が各科目どのようなバランスで勉強していけば良いのか解説していく。
これを参考に是非とも東大を目指して頑張って欲しい!
まずは、英数メインで!
先ほども述べたが、高校1・2年生の自主学習では、ほぼ英語と数学がメインで十分だ。
特にその中でも、英語と数学のバランスは3:7がよい。
それだけ数学には時間を割く必要があるのだ。
この章では、どうして高校1・2年生の東大志望者は英数メインの勉強で大丈夫なのかについて解説していく。
入試で得点するまでに膨大な演習量が必要
そもそも、入試で十分得点するまでに勉強しなければいけない、時間、量は全ての科目が一緒ではない。
各科目当然違ってくる。
その中でやはり英語と数学が圧倒的に時間がかかるのだ。
例えば、社会の科目を想像してみてほしい。
一つの事実を知っていれば模試や入試でその問題が出題さえされれば得点することができる。
しかし、英語と数学はそのようにはいかない。
英語であれば、単語を覚えただけでは入試で得点することができない。
単語と文法をしっかりマスターした上で、長文の演習を繰り返し、どんどん長文のレベルをあげていき、英作文もやって…とかなりやることが大量にあるのがわかるだろう。
数学もただ加法定理を暗記したからといってそれで得点できるほど入試問題は甘くはない。
まずは、教科書の理論を理解して、簡単な計算になれた後、青チャートなどの網羅系の参考書を全て潰して…
と、かなり大変だ。
また、この青チャートなどの網羅系の参考書を潰してと書いたが、かなりこれが時間のかかる作業だ。
辞書のように分厚い参考書の例題を文系であれば2冊、理系であれば3冊分網羅しなければならない。
少なくとも1年はかかる作業だ。
このように考えると、圧倒的に数学が一番時間がかかることがわかるだろう。
数学は全ての勉強の基本
次に数学は全ての勉強の基本になるので、英数中心の勉強を先に仕上げておけば応用がきくのだ。
数学は、最も論理的に複雑な科目で、一見全く関係がないように見えるが英語や国語の答えを求める時の道筋も実際数学の答えの導出とかなり似ている。
また、理科系の科目、特に物理などは数学の微分積分がある程度わかった方が理解がしやすい。
このように、数学は全ての教科の基本となる。
数学がしっかりできる人は、正しく訓練さえすれば他の教科もすんなりできてしまうのだ。
なので、1年生、2年生のうちから数学にかなりの時間を割いてしっかりと演習量を積んでおくことが必要になるのだ。
英語は東大入試で一番の得点源
英語は、実は東大入試で一番の得点源となる科目だ。
配点は理科や理系の数学、社会と同じく120点満点だが、しっかり対策すれば、80点、90点取ることはそこまで難しくはない。
逆に、数学や理科、社会で80点、90点取ることはかなり難しい。
また、数学にくらべて勉強量が少なくて済むので、対策次第では、高校2年生東大同日模試で70点以上得点するように対策することも可能である。
ここまでくると英語はほぼやることがない状態になり、数学や高校3年生から本腰を入れる理科、社会の勉強に多くの時間を使うことができるようになるのだ。
また、英語が高校2年生の段階で仕上がってしまうと、模試全体の得点も上がるので、よい判定が出やすくなる。
精神的にも安心して受験勉強を進めることができるようになるのだ。
文系の数学はかなり差がつく
理系は数3もあるので、かなり演習量を積まないといけない。
東大入試の配点も120点とかなり高く、差がつきやすい科目なのでしっかり演習しておかないと本番で戦えなくなってしまう。
その反面、理系にとっての国語は80点満点と配点が少ないうえにあまり差がつかない。
大体の人が30点から50点くらいの範囲に収まってしまう。
なので、理系の東大志望者はあまり国語を勉強しなくても十分合格することができる。
しかし、文系にとっての数学は理系にとっての国語のように手を抜けるわけではない。
確かに配点は80点なのだが、理系の国語と違ってかなり差がつきやすいのだ。
得意な人は60点以上得点する人もいる。
一方で全く勉強していなくて20点くらいしか得点できない人、さらには0点の人もいるのが事実だ。
まず、数学がその点数だとよっぽど他の教科が得意でない限り、合格がかなり難しくなってくる。
時間を使ってしっかり取り組めば、数学が苦手な人と点差を大幅に離すことができるのだ。
よって、文系の人も数学をかなり頑張らないといけないのだ。
以上のような理由をみると、高校1・2年生の間は英数中心の自主学習をした方が良いと言うことがわかるだろう。
一見いろんな教科を均等に勉強して、この教科のバランスのことをあまり考えない人が多い。
しかし、多くの科目を扱う東大入試では、どの時期にどの教科をどの程度勉強するかという戦略がかなり重要なのだ。
英数以外の教科は学校の勉強を利用する。
それでは、英数以外の教科は全く勉強しなくてよいかというとそうではない。
理系であれば理科、文系であれば社会の二科目に関しては、高校2年生の夏以降から、他の教科の勉強の様子もみつつ本格的にはじめていかなければならない。
また、理系の国語や社会、文系の理科基礎科目をほったらかしにして良いと言うわけでもない。
なので、この他の科目に関しては学校の勉強をうまく利用してほしい。
というのも、高校3年生になると本格的に数学と理科、社会の科目に注力していかなければならない。
そんな中で、できるだけセンターだけで使う科目の勉強に時間を割くということはどうしても避けたい。
なので、学校の古典単語テストや、古典の敬語テストなどの小テスト、定期テストなどをできるだけ利用して、一度完璧にしておいてほしい。
そうすれば、高校3年生になって、少し勉強しただけでセンター対策などができてしまう。
なので、英数以外の科目は普段はできるだけ、自主学習はせずに、定期テストや夏休み明けの課題テストなどでしっかりと点数をとっておくことが重要なのだ。
現代文に関して
多くの受験生から、「現代文ができない、苦手だ、どうすればよいか。」と質問を受けることが多い。
その人たちのために、東大受験における現代文の勉強法について解説しておく。
まず、現代文を上達させるのに一番重要なことは、しっかり数学の勉強をしておくことである。
実は、現代文と数学はかなり似ている。
文章の論理的構造を把握して、要素還元して必要な部分を取り出すには論理的思考力が必要だ。
論理的思考力は一番数学で養われる。
特に数学の記述をしっかり書くことが現代文の上達に直結するのだ。
現代文ができないと悩んでいる人のほとんどが、数学の記述がおろそかになっている。
数学がそこそこ得意であっても、記述が完璧でない人が多い。
数学の記述は文章で論理的に答えに至るプロセスを説明していく。
なので数学の記述ができない人は文章を論理的に読むことはできないのだ
また、高校3年生になるまでに東進の東大特進の特待を取っておくと、東進の有名な林先生の授業が無料で受けることができる。
東大合格者のほとんどは林先生の授業を受けている。
林先生の授業が高校3年生から受けられるようになれば、現代文の勉強は林先生の予習、受講、復習以外する必要がなくなるので、かなりコストパフォーマンスがよい。
よって、現代文が苦手だと悩んでいる人はひとまず数学をしっかりやっておくことをオススメする。
実際現代文は点数の差がつきやすい科目なので、現代文をしっかりやるというのはコストパフォーマンスが悪い。
高校1・2年生でしっかり英数を完成させておいて、模試で東大特進の特待を獲得して、高校3年生になって林先生の授業を受けるという方法が一番効率がよいのだ。
高校1・2年生の各科目の勉強法
最後に東大志望の高校1・2年生が各科目にどれくらい勉強量をかければよいのかについて解説していく。
各教科を優先度が高い順に並べると以下のようになる。
- 数学
- 英語
- 理系の理科二科目もしくは、文系の社会
- その他の受験科目
- 受験に使わない科目
なので、この順に説明していく。
数学
とにかく一番優先度の高い科目だ。
数学はできるだけ毎日勉強して、自主学習の6〜7割の時間を割かなければならない。
青チャートやフォーカスゴールドのような、網羅系の参考書をしっかりとこなしていくことが重要になる。
この網羅系の参考書の例題を全て完璧にするのには1年から1年半はかかる。
なので、自主学習のほとんどの時間を毎日数学に費やしていくことが必要なのだ。
英語
数学の次に優先度が高いのが英語だ。
英語は、幼少期の教育などで、必要な時間にばらつきはあるが、だいたい数学の2/3くらいの時間は毎日の自主学習で使った方が良い。
特に高校1年生はとにかく語彙力が少ない。
単語帳をコツコツ進めるとともに、文法問題や長文などでもわからない単語があったら積極的に覚えていく癖をつけるべきだ。
目安として、2年生の夏までにセンター8割以上安定して得点できるように勉強していくとよい。
理系の理科二科目、文系の社会二科目
この二科目については英数の次に優先度が高い。
本格的に勉強を始めるのは早くて高校2年生の夏、遅くて高校3年生に入ってからでも間に合う。
しかし、それまでの蓄積が0だと本格的に始めてからかなり大変になる。
なので、この二科目については、高校1・2年生のうちは、学校の定期テストをとにかくさぼらないようにしよう。
数学を毎日しっかり勉強しておけば、数学の定期テストの勉強をせずとも、定期テストは余裕で点数を取ることができるようになる。
このような状態に数学がなっていれば、かなりの時間を他の教科に回すことができる。
この定期テストで一番頑張ってほしいのがこの二科目だ。
また、定期テストだけでなく、長期休暇明けの課題テスト、実力テストのたびにしっかりと対策していこう。
ここである程度蓄積があると、高校2年生の夏から本格的に受験対策をするときに、かなり楽になる。
英語が、センター8割以上、数学は数2Bまで網羅できていれば、高校2年生の夏以降から、受験対策を始めても大丈夫だ。
その他の受験科目
その他の受験科目とは、理系のセンターで使う社会科目、文系のセンターで使う理科基礎科目、現代文、古典などだ。
これらの科目は高校1、2年生のときは、ほとんど自学自習をしなくても大丈夫だ。
何人かの東大に合格した人に聞いてみても、これらの科目を高校1・2年生からしっかり勉強していたという人はほとんどいない。
これらの科目は、学校の授業をうまく利用してしっかり勉強していくことがおすすめである。
学校の定期テストや小テストなどでしっかり点数を取っておけば、あとはセンター対策をするだけですぐ8割以上得点できてしまう。
ただ、特にセンターでしか使わない科目に関しては、学校で全く勉強していなくても高3の夏以降に詰め込めば間にあわせることは可能だ。
センターの科目は量が少ないので高3の夏以降に0からスタートさせても間に合ううえ、最悪間にあわなくとも得点に大きな影響を与えない。
センターの科目は110点満点に圧縮されるため、せいぜい10点分である。
なので、仮に失敗したとしても大した問題ではない。
ただ、できるだけ得点を取っておいたほうが安全なので、できれば学校の勉強でしっかり勉強しておくことをオススメする。
また、古典だけは要注意だ。
特に文系は古典である程度点数を稼ぎたいところである。
なので、学校の古典文法の小テスト、古典単語の小テスト、句法の小テストなどはおろそかにせずしっかりやっておこう。
学校の授業があまりしっかりしていない場合は、古典に関してはある程度自主的に勉強しておく必要がある。
ただ、英単語の単語数と比較すればわかる通り、古典に必要な知識量はかなり少ないので、毎週土日に1、2時間程度勉強しておくだけで十分だ。
受験に使わない科目
受験に使わない科目に関しては、正直どの程度勉強しても自由である。
学校の定期テストで赤点さえとらなければ問題ではない。
ただ、それらに時間をかけた分、他の科目の勉強時間が取られるのは事実だ。
特に英数の勉強をおろそかにして、これらの科目を本格的に勉強するのは本末転倒だ。
英数の勉強が毎日しっかりできているという前提の上で、自分がどの程度勉強するのか決めるのが良いだろう。
ただ、高校1年生のときは、理系の理科二科目と文系の社会二科目で使う科目が決まっていない人が多い。
どの科目を選べば良いか全く検討がつかない人はある程度真剣に取り組んでおかないと、自分の向き不向きや好みがわからない。
なので、科目がまだ決まっていない人は、選択する可能性のある科目をしっかり取り組んでおくことをおすすめする。
まとめ
以上が、東大志望の高校1・2年生が日頃どのような教科をどのようなバランスで勉強すればよいかについて解説した。
とにかく、高校1・2年生のうちは、英数を日頃からしっかり勉強して、高校2年生のうちに基礎を固めておくのが重要だ。
また、理系の理科二科目、文系の社会二科目も学校の勉強を利用しながらある程度勉強しておき、高校2年生の夏から余裕があれば本格的に始めるのが良い。
東大入試では多くの科目が受験科目になる。
なので、それぞれの科目をどの時期にどの程度勉強するのかという教科のバランスをしっかり整えておくことが重要なのだ。