数年ほど前、1年で偏差値を40もあげて日本最難関の私立、慶応に合格したビリギャルが有名になった。
しかし、これは慶応だから可能であったが、東大となると1年で対策して合格できるというような生半可なものではなくなる。
もし、東大に現役合格したいという気持ちがあるのであれば、遅くとも高校2年生のうちからしっかりと対策しておく必要があるのだ。
この記事では、東大受験にどうして長期対策が必要なのか、その理由を3つご紹介する。
東大を本気で目指している、高校1・2年生はこの記事を読んで今のうちからしっかり対策しておこう。
東大受験には長期対策が必要!
まず、東大受験には1年半以上も前もって計画性のある対策を取っていく必要がある。
中には、1年で過去問だけ解きまくって偏差値を35ほどあげて合格した人もいるが、そのような人はほんの一握りだ。
普通の人は、1年対策したくらいでは、よっぽど基礎学力が高くないと残念な結果に終わってしまう。
ここでは、その理由について解説していく。
教科が多い
まず、最も大きな要因は教科が多いということだ。
日本の大学の中で一番入試科目が多い大学だといえる。
理系は、二次試験で英数理科二科目に加えて国語も受験しなければならない。
それに加えてセンター試験では社会一科目が入ってくる。
また、文系は英国数社会二科目とセンター試験では理科基礎が二科目もついてくる。
これに比べて、慶応は学部にもよるが、英数小論文、英語社会一科目小論文だ。
小論文はあってないようなものなので、実質二科目しか勉強しなくてよい。
どの科目も二次試験では、日本最難関の入試問題が出題されるうえ、科目数もかなり多いのだ。
これだけの科目を1年で対策することは物理的に不可能なのだ。
数学を仕上げるのに時間がかかる
もう一つ理由としてあげられるのが、数学でしっかり得点できるようになるまでにかかる時間だ。
東大レベルの数学でしっかり得点できるようになるためには、まず青チャートなどの網羅系の参考書の例題を全て、見た瞬間に解けるようにしなければならない。
しかし、見てもらえればわかる通り、網羅系の参考書はかなり太い。
問題も例題だけで数百問ある。
これを文系なら2冊、理系なら3冊分完璧に定着させなければならない。
そもそもこれだけに1年は最低でも時間がかかる。
そこから、さらに実践的な問題演習をしたうえで過去問演習をこなさないと、東大の数学では十分得点することができない。
これもだいたい半年から1年はかかってしまう。
なので、どう考えても1年半は数学の対策に必要なのだ。
有名中高一貫校の進学校での先取り学習
東大に毎年何十人と合格者を出している、開成、桜蔭、灘などの有名な中高一貫校では、先取り学習がかなり進んでいる。
中学生の勉強を早急に済ませて、中学生のうちから高校の勉強に取り組んでいるのだ。
例えば、灘高校では、中学校1年生の時点で中学数学が全て終わってしまう。
そのあとに、高校に入る前までに高校の数2Bが終了して、高校1年生で数3が終わる。
なので、高校2年生、3年生でゆっくりと東大の対策ができるのだ。
このような人たちと受験して、一緒に戦って合格を勝ち抜いていかなければならない。
なので、何も対策をしていない人たちが、中学生のときからコツコツ勉強している人たちにたった1年努力したくらいで勝てるわけがないのだ。
勉強時間の観点から
次に東大に合格するのに必要な勉強時間の観点から考えてみる。
東進グループが出している、大学受験向けのコンテンツでToshin Timesというものがある。
そこには以下のようなことが書かれている。
次に、資料2を見てほしい。これは、難関大現役合格者と不合格者の高校3年間の総学習時間を比較したグラフである。
まずは双方を比較すると、現役合格者のほうが不合格者よりも高1時で80時間、高2時に158時間、高3時に152時間、高校3年間トータルで390時間の差がついていた。390時間というと、1日6時間勉強するとしたら65日分に相当する。
このように、難関大学に合格するには、学校の授業などを抜いた、机に向かっている時間が4218時間必要なことになる。
これを東大だけに絞るとおそらく5000時間ほどになる。
東大を1年で目指すとして、365日で割ると1日あたり13時間勉強しなければならない計算になる。
実際に学校にも通っている高校3年生が1日に13時間も確保することは物理的に難しい。
浪人生で時間があったとしても、1日13時間の勉強はかなりきつく、365日毎日実現できるかというと怪しいところである。
寝ているかご飯を食べている以外の時間は、ほぼ勉強に当てなければかなり厳しい。
ただ、これを3年間にすると、約1000日ほど日数がある。
均等に割ると1日5時間ほどで済んでしまう。
実際に東大に受かった私の同級生などは、1日に5、6時間程度の勉強しかしていなかったが、高校3年生の時だけでなく、高校1、2年生のときからしっかり受験勉強をしていた人が多い。
1日10時間以上も勉強するのは、体力的に厳しいのではないかというのが私も含めた同級生の意見である。
なので、勉強時間の観点からみても現実的に1年で東大に合格するにはかなり厳しいのだ。
1年で東大に合格しようと思っている人へ
最後に、一年で東大に合格しようと思っている人へアドバイスをしていこうと思う。
先ほど、述べてきたように東大に1年で合格するのは、物理的な時間量からもかなり厳しいことだ。
しかし、我々に問い合わせてくれる受験生の中には、1年で東大は厳しいと思われるが、どうしても1年で合格したいと願っている人が多い。
そのような人たちの中には、2年かけて対策していけばかなり高確率で東大にいけると思われる人もたくさんいるのだ。
1年で運任せで東大を狙うのと、2年かける前提で東大を狙っていくのとでは対策方法が違ってくる。
1年で狙うのであれば、多少やるべき問題集はスキップしてでも過去問を多く解いていったほうがいい。
また、2年かけるのであれば、過去問演習が多少少なくなっても、やるべき問題集はしっかり仕上げたほうがいい。
このような対策の違いも生じてくる。
浪人前提で受験勉強をしなければならないというのは非常に辛いことではある。
しかし、やるべきことをしっかり認識して、それに向けて対策していくことは非常に重要なことである。
なので、まずは東大合格に向けて自分がやらなければならにこと、それにどのくらい時間がかかるのかをしっかり見直して、それに対して今年の入試に間に合うのかどうかしっかり考えるべきだ。
まとめ
以上、東大合格のためにはどうして1年以上の長期対策が必要なのか3つの理由、時間的な観点から解説した。
このように、東大は私立の早慶と違って科目数も多く、その一つ一つが日本最高峰の難易度をほこる入試問題となっている。
なので、それなりに学習時間自体も必要になってくる。
1年で東大合格ができるレベルまでに達するのは1日12時間以上もの勉強時間が必要だ。
それを毎日続けるというのはかなり厳しいことである。
もし、現在の状況からやるべきことを考えた時、とても1年で間に合いそうになければ、しっかり2年間受験する前提で対策したほうがよい。
そのほうが、2年後の合格率もあがるうえ、模試などでなかなか成績が振るわなくて、落ち込んでしまって逆に勉強に手がつけられなくなることもなくなるのだ。
現在、自分が1年で東大合格を狙えそうか、それとも2年かけて対策をすべきかわからない人は、下記のLine@から気軽に質問してほしい。
場合によっては音声相談をしなければ判断できないこともあるが、自分の状況を正確に把握することができる。