受験数学の参考書や問題集は数多く並んでいてどれを選べばいいのか悩む人が多いだろう。
しかし安心していただきたい。
スタンダード数学演習ⅠA・ⅡB(以下スタンダード、スタンダード数学演習と呼ぶ)という問題集はご存じだろうか。
数研出版が出している問題集で良問が選問されているのである。
このスタンダードは受験に必要な数学力を完成させるのに適した問題集なのである。
筆者は受験期に入ってから数学ⅠA・ⅡBに関してはスタンダードと志望大学の過去問しか解いたと言っても過言ではない。
この記事ではそんなスタンダードに大変お世話になった筆者だから書けるスタンダードの特徴とメリット・デメリット、学力を伸ばすためのその学習法について説明する。
このスタンダード数学演習を用いて、受験数学に対応できるようになろう!
スタンダードの特徴
ここではまず、スタンダード数学演習の特徴を説明していく。
この章を読んでスタンダード数学演習がどんな問題集か知ろう!
スさまざまな大学の過去問の良問の寄せ集め!
スタンダードは過去10年さまざまな大学で過去に出題された良問や改問が厳選されており分野別、レベル別に分けられている。
それらの問題は大学入試の傾向やパターンをほとんど網羅しているため、マスターできれば、入試本番で
この問題見たことある!
となるので差がつきやすい問題で確実に得点でき、他の受験生より一歩前に行けるのである。
またその単元が細かに分けられているため、自分の苦手な箇所をピンポイントでトレーニングできる。
スタンダード数学演習の構成
各単元が
- 基本問題(解法のポイント付き)
- 例題
- A問題
- B問題
と分けられている。
基本問題は教科書の例題や練習問題程度のレベルでその単元の重要な定義や定理を復習するための問題である。
例題は代表的かつ典型的な問題を網羅しておくのに適した問題が多い。
A問題は入試の基礎~標準レベルの問題が出題されており例題よりもやや難な印象を受ける。
B問題は標準~やや難(ときに難)とA問題より上のレベル、応用力に達するための問題が厳選されている。
また厳選された問題をさらに厳選してこれさえやれば各々の単元の頻出パターンや要点を網羅できるという問題には※がついている。
以上がスタンダードの大きな特徴である。
メリットとデメリット
この章ではスタンダードを使うことのメリットとデメリットを説明する。
このメリットとデメリットを理解するだけで何倍もの効率アップにもつながるからぜひ読んでほしい。
メリット
まずは、メリットについて解説する。
問題が充実している
1つ目のメリットは500問以上収録されているという問題数が多く、全ての問題が厳選されて良問である点だ。
10年分の過去問が集約されたいわば「数学演習のバイブル」であり、入試の基本問題から東大、京大といった最難関大学の入試問題まで掲載されているため、基礎から応用までまんべんなく学習することが可能なのである。
教科書レベルの数学力が完成していたとしても、入試問題が解けるとは限らない。
入試問題はさまざまな事項を絡めて作問されているため、恐らく見たことないような問題も多い。
そのため入試問題のパターンや傾向を知り、対策が必要なのである。
しかし、このスタンダードの問題をやれば傾向を知り、入試問題に慣れることができるのである。
優先順位がはっきりしている
2つ目のメリットは演習に取りかかるべき優先順位が明確な点にある。
学習の仕方については後の章で紹介するが、例えば受験まであまり時間がない場合や直前で重要事項をひと通り確認したい場合は※の問題を解けば入試の頻出パターンや最重要事項を網羅することができる。
また数学の基礎力に自信がある人は基本問題を飛ばして例題やA問題から始めるなどの自分のレベルや状況に合わせて取捨選択ができるのだ。
たとえ時間がなくとも短期間で最大限必要な対策ができるということだ。
デメリット
とても優秀なスタンダードであるが、残念ながら欠点もある。
しかし、このデメリットをきちんと理解した上でスタンダードを使えばそれを埋め合わせることができる。
ここで、スタンダード数学演習のデメリットをしっかり理解しておこう!
問題量が多い
スタンダードは入試の傾向やパターンをすべて網羅していると先ほど申し上げたが、それゆえに問題が大量なのである。
すなわちすべてをじっくり解こうと思うとかなりの時間がかかる。
受験勉強は数学ⅠA・ⅡBだけでなく、理系諸君は数学Ⅲも勉強しなければならないため数学ⅠA・ⅡBにそんなに時間をかけていられない。
もちろん数学だけではない。
他の科目を勉強する時間を考えると大量の問題を完全に理解することは厳しい。
しかしそのためにレベル別に分けられ、※などで優先順位の高い問題は厳選されているのでそれを有効活用すればこの欠点は補てんできる。
基礎力養成の問題集ではない
スタンダードは数学の基礎力がある程度完成し、応用力をつける段階の人には最適の問題集だ。
しかし、基礎力がまだ完成していない場合、レベル的には基本問題が適しているが例題やA問題、B問題に比べると重要項目のカバー率が低い。
よって基礎・基本から復習しようとするのであればスタンダードでは不十分であり、スタンダードに手を出すのはまだ早いのである。
その時は教科書に準じた問題集やチャート式やFocus Goldなどの辞書型参考書や、4Stepなどの教科書傍用問題集での復習が完成してからスタンダードに取り組んでほしい。
チャート式については以下の記事を参照しよう。
数学のおすすめ参考書!チャート式を使った偏差値爆上げの勉強法
また、4Stepについては以下の記事を参照しておこう。
学力を伸ばす使い方
これまでの記事でスタンダードの特徴と利点・欠点について説明してきた。
ここではスタンダード数学演習を用いた、学力を伸ばす勉強法を説明する。
学力に応じて、使い方を3つに分けて説明しているので、是非自分がどれなのかしっかり判断して、その使い方を実践して欲しい。
効率的に活用する
学力を伸ばすためのポイントはいかに効率よく使うのかにかかっている。
先にも述べたがどんな問題集にもメリットとデメリットがある。
そのことを理解し、自分が現在どのレベルまで到達しているのか、入試までに何をしなければならないのかを正確に把握し、適
切な使用法を見出さなければならない。
何度も言うようでくどいかもしれないが、スタンダードは応用力をつけるのに十分すぎるくらい優秀な問題集である。
もしまだ基礎が完成していないのであれば一歩戻って他の参考書をやることも大切である。
目的を明確にして取りかかることが重要なのである。
教科書レベルの基礎が完成している人
教科書程度の基礎が身についている人は例題とA問題を中心に解いてみよう。
とりあえず例題とA問題の※をひと通り解いてから※のついていない問題を解いてもよし、時間があるならば例題とA問題を順にすべて解いていくのもよい。
A問題は入試の基本~標準のレベルであるからじっくり考えて解くとよいだろう。
基礎が固まっていれば、すこし考えれば解ける問題も多い。
入試の標準レベルに到達し応用力をつけたい人
入試の標準問題を解くことができ、さらに応用力をつけたい人は※のついたA問題をひと通り解いて基礎が完成していることを確認して、B問題に取り組むとよいだろう。
A問題を自力で解けるようになるまで繰り返し演習してからB問題に入るのも良いし、パッと見て解けなさそうなA問題に取り組んでB問題に入るなど、状況や学力は各々異なるからA問題とB問題の比重は個人で判断してよい。
どんな場合でもそうだが、たとえ分からなくてもすぐに解説に手を伸ばすのではなく、最低でも1問当たり15分は考えて欲しい。
数学の力をつけるためにはこの試行錯誤する時間こそが重要なのである。
それでもどうしても分からないときは解説を読んで理解したところで、もう一回解いてみよう。
さらにさらにレベルアップしたい人
B問題もマスターしてしまった人は別解を考えてさらにレベルアップしよう。
別解を考えることによって数学に対してより広い視野を持てるようになる。
そうしたら怖いものなし。
初見の問題が出たとしても太刀打ちできるようになり、他の受験生と大きく差をつけることができるのである。
まとめ
以上が、スタンダード数学演習の特徴と効果的な使い方を詳しく解説した。
これまで説明してきてお分かりかと思うが、スタンダードは効率的に数学の力を伸ばすことのできる最強の問題集である。
このスタンダードを使えば、基礎レベルの問題を解けるレベルから、入試で出題されるような応用的な問題も解けるようになる。
ぜひ上手く活用して数学の成績を爆上げしていただきたい。