世間には数多くの数学の問題集が出回っている。
その中の一つである「文系数学の良問プラチカ」という参考書を皆さんは知っているだろうか?
「文系数学の良問プラチカ」は,正しくは「文系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B (河合塾シリーズ 入試精選問題集 4)」という名称であり,大手進学塾の河合塾から出ている河合塾シリーズのうちの1冊となっている。
東大・一橋大をはじめとした難関大学を受験する層の多くが知っているであろう,有名な問題集である。
文系とはいえ東大・一橋大ともなれば数学でもしっかり点を取りたいところ。
この「良問プラチカ」は,難関国立文系大学を受験する予定で,数学に対する苦手意識が拭えない,数学が今一歩伸び悩んでいるけど本番はなんとか合格水準をキープしたい……なんて悩んでいる受験生、高校生にぴったりな問題集だ。
苦手な教科こそまだ伸びしろがあり,伸ばしてしまえば合格にグッと近づくことができる。
今は数学にあまりいいイメージがなくても,この問題集を一通りこなせば,着実に実力と自信がつく。
といっても,問題集は使い方を誤るとその効果が半減してしまう。
そこで今回は,「良問プラチカ」の特徴や効率的な使用方法を丁寧に説明していく。
この解説を読んで,「良問プラチカ」を数学対策の心強い相棒にして、自分の志望校の合格へグッと近づこう!
「良問プラチカ」の効果について
多くの人が、この「良問プラチカ」をやるべきかどうか悩んでいる。
なので、まずはこの参考書がオススメなのはどんなタイプの人なのか,またこの参考書をやるとどのような効果が得られるのか,詳しく説明していこう。
こんな人は「良問プラチカ」をやるべき
「良問プラチカ」を是非ともオススメしたいのは,志望校が東大・一橋大をはじめとした,二次試験で数学の記述式問題を課してくる国立文系大学の場合である。
これらの難関大学を突破するとなると,なかなか数学を捨てるわけにはいかないのが現実だ。
そこで数学をなんとしても合格水準まで持っていきたい,数学で足を引っ張りたくない,そんな文系受験生のためにこの問題集があると言っても過言ではない。
特に数学が苦手だ,数学にどうしても無理な不得意分野がある,という人にこそ「良問プラチカ」がぴったりなのだ。
ちなみに理系の受験生向けには,「理系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B」および「理系数学の良問プラチカ 数学3」が市販されているので,是非そちらを利用していただきたい。
「良問プラチカ」をやる上での目的とは
「良問プラチカ」は,前述したように数学を合格平均まで持っていくことを目標にする場合にとてもふさわしい問題集だ。
また分野ごとに典型問題を数多く収録しているため,明確な苦手分野を抱えている人もその分野の章に集中して取り組むことで,短時間で苦手を克服することができる。
東大・一橋大などの数学は4つや6つの大問で構成されており,そのうち1つでも苦手分野だと一気に点数を失ってしまうことになる。
だからこそ苦手分野を潰しておくことは合格のために必要不可欠なのだ。
このことからも,「良問プラチカ」がいかに合格に直結した素材なのかがよくわかるだろう。
「良問プラチカ」の優秀な特徴
上記の章のように、「良問プラチカ」は二次の記述の数学対策をがっつり行いたい文系の人にオススメだということはわかっただろう。
その次には、数ある数学の問題集の中でもなぜ「良問プラチカ」がオススメなのかを説明するべく,その特長に迫っていこう。
分野別の章立て
目次を見てみると,
第1章が2次関数・2次方程式,第2章が図形と計量,第3章が場合の数・確率……
となっており,分野によって章分けされているのがわかる。
このシステムが当たり前のようでとても使いやすいのだ。
1つの分野に集中的に取り組めるため,定着も速くなる。さらに苦手分野の対策がとてもやりやすい。
該当する章を繰り返し重点的に解けば良いからだ。
主要大学の過去問から典型問題を精選
大手進学塾の河合塾講師陣が全国の文系学部の過去問から抜粋した,選りすぐりの143題が掲載されている。
どの問題もその分野の典型問題で,この問題集を一周すればその全てを網羅することができる。
しかも実際の入試問題をそのまま使っているため,実戦演習にはぴったりである。
丁寧でわかりやすい解説
解答と解説は本体から切り離して別冊の解答解説編として使えるため,問題を解きながら参照するときにとても使いやすい。
また問題ごとに解法メモが冒頭に載せられていて,それを読めば問題を解く上での方針や使うべき定理などを大まかに把握することができる。
数学の難問を解く上で方針を立てるのは大変重要であり,その練習ができるのはとても大きい。
さらに図や表なども省略なく丁寧に掲載していて非常にわかりやすいのも特長である。
「良問プラチカ」の効果的な使用方法
表紙には簡単に「1日3題・2ヵ月完成」と書いてあるが,なにもこれを絶対に守る必要はなく,使用する人それぞれの状況に合った使い方をして欲しい。
今回はせっかくなので,筆者が受験生だった頃に実際にやっていた,効率的な取り組み方を紹介しよう。
15分で解けなかったら解答を見てしまう
実際の入試の数学ではとにかく時間が命だ。
一つの問題が解けないからといって固執していると,後が総崩れになって大ダメージとなってしまう。
実戦感覚を養うためにも,1問あたり15分などと制限時間を決めて,行き詰ってしまったままその時間が経ったら思い切って解答を見てしまおう。
各問題の解説の冒頭にある解法メモだけ読み,それをヒントに後は自力で解いてみるやり方もオススメだ。
解法メモを丸ごと覚える
特にできなかった問題・苦手分野の問題については,解法メモを大まかに覚えてしまうのが効率的である。
「良問プラチカ」に収録されている問題はどれも典型問題であり,その解答の方針を覚えることで頻出な類題にも簡単に対処できるようになるし,応用的な問題に対しても必ず生かすことができる。
いよいよ受験直前期になったら,
という作業をざっとやっておけば大丈夫だ。
苦手分野の章を何周もする
このための章立てと言っても過言ではないだろう。苦手分野に絞って2周・3周と繰り返すことで,確実な定着を図ることができる。
他の問題集に手を出すより,同じ問題に何回も取り組む方が,解法のテクニックを確実に覚えられるのである。
前述したように典型問題の解法を覚えてしまえば,類題にも応用問題にも対応できるのだ。
文法や単語の意味を覚えてから長い文章を読む英語や古文・漢文と似たようなものである。
「良問プラチカ」いつ取り組むべき?
「良問プラチカ」は典型問題が多いといえども決して基礎的とは言えないレベルの問題ばかりなので,まずは「良問プラチカ」に取り組む前に基本的な定理・公式などとその運用法は抑えておく必要がある。
具体的に言えば,有名な「青チャート」の例題を一通り自力で解けるようになってから,こちらに移行するのがちょうど良い。
言い換えれば,基礎を学習済みの人ならばいつでも始められる。
以下の記事は「青チャート」の使い方を細かく説明しているので、是非参考にして欲しい。
数学のおすすめ参考書!チャート式を使った偏差値爆上げの勉強法
またこの問題集を使い尽くしたら,すぐに志望校の過去問にアタックして構わない。
典型問題で身に付いた典型的な解法を適切に組み合わせれば,ある程度応用的な問題でも突破することができるからだ。
以上のように使う順序さえ間違えなければ問題なく取り組める「良問プラチカ」だが,具体的な時期で言うと,高3の夏から遅くとも10月頃までには始めて,センター対策に取り掛かる前にはケリをつけるくらいの期間でやるのが効果的である。
過去問対策前の地盤作りに,「良問プラチカ」を最大限に活用して欲しい。
まとめ
以上は、有名な参考書の一つ「文系数学の良問プラチカ」の詳しい特徴と使い方を解説した!
「文系数学の良問プラチカ」は,数学で合格者平均点程度までは頑張って取りたいという難関国立大受験生のアナタに,最もオススメできる問題集である。
基礎事項の学習と過去問への挑戦の間の橋渡しとして,良質な典型問題がたっぷり詰まったこの「良問プラチカ」で実力を底上げし,数学の苦手をしっかり克服してしまおう。