大学受験は君たちが生きてきたなかで最も重要な人生のイベントと言っても過言ではないだろう。
そのビッグイベントを成功させるにあたって、可能性は多いに越したことがない。
現在は一般入試だけでなく、学校推薦やAO入試など受験の選択の幅は広がっているが、筆者はぜひ、受験生に様々な可能性を模索してほしいと願っている。
そこで今回は、いまAO受験を考えている人もない人も、AO入試を攻略するための完全スケジュールを紹介する。
一般入試にはマニュアルがあるが、AO入試は正直得体が知れなくて手が出しにくい‥という人も多い。
しかしこの記事を読めば、AO受験の攻略方法がわかり、そのメリットも知ることができる!
やるべき対策をやるべきタイミングで行い、容量よくAO入試を攻略しよう。
目標
まず計画を立てるためには、目標地点がどこにあるのかを知る必要があるだろう。
AO入試は、基本的に秋ごろまでに行われる。
そのぶん対策も一般入試よりは早めの段階から始める必要があるが、結果が早く出るという、受験生にとっては大きなメリットがある。
ここで主要大学のAO入試の日程を確認しておこう。
- 青山学院大学(英米文学科) 出願期間9/1~9/5
- 学習院大学 出願期間11/1~11/4
- 慶應義塾大学(法学部)出願期間8/24~8/26
(SFC)出願期間8/1~8/4 - 國學院大学 出願期間10/1~10/7
- 国際基督教大学 出願期間8/23~9/5
- 順天堂大学 試験日10/22
- 上智大学 出願期間10/11~11/3
- 成城大学(法学部)一次出願受付期間 9/15~9/30
(社会イノベーション学部)一次出願受付期間9/5~9/23 - 中央大学(法学部)8/17~8/23
(経済学部)8/23~8/29 - 明治学院大学 出願期間10/3~10/12
- 立教大学 出願期間9/26~10/3
- 早稲田大学(政治経済学部)出願期間8/1~8/3
(国際教養学部)出願期間9/1~9/15
このように、各大学によって入試が実施される時期は様々だが、だいたいが一般よりも早めに行われる。
よって、一般だけでは不安な受験生や、絶対に志望校を下げられない受験生にとっては、AOは大きなチャンスとなるのだ。
出願期間とは、主に一次選考を行うための書類を提出する期間となっている。
上記の一覧を参考に、志望する大学のAO入試がいつ出願なのかチェックし、今から着実に計画を立てよう。
出願までの計画を練る
では具体的に、いつ、どんな対策を立てればAO入試を成功させることができるだろうか。
まず合格するためには、主に2つの関門を突破する必要がある。
一つ目に、書類だ。
一次選考はほぼ全ての大学のAO入試で書類の提出が求められる。
志望理由書や自己推薦書といった自己を大学にアピールする書類の作成は、根気のいる作業になる。
二つ目に、面接や筆記の試験だ。
一次試験に通過すると、実際に会場に出向いてテストを受けることになる。
これらのテストは実践を積むことが大切になるため、数をこなす必要がある。
まずここでは、書類の提出までの期間で、時期ごとにやっておくべき対策内容を紹介していく。
4ヶ月前
AO入試の出発は、出願約4ヶ月前から始まる。
もちろんそれまでに、学校の成績や語学の資格、その他実績を確保しておくとなお良いだろう。
まず最初に始めるべきは、志望理由書などといった出願書類のなかでもメインとなる書類にとりかかることだ。
自分は将来何がしたいのか?
そのために何を学びたくて大学に入るのか?
このような疑問を自分のなかでよく吟味し、整理していくことが大切だ。
AO入試の根幹となるのは、自分がその大学とどこまでマッチしているかということだ。
よって自己推薦や志望理由といった書類を作成するうえでの、自己分析や大学分析は受験生のAO入試における土台となる。
この時期には多く悩んだり、迷ったりと遠回りすることもあるかもしれないが、この回り道が本番直前に必ず生きてくる。
まだ時間があるため、下手に焦って早く答えを導き出そうとせず、じっくり考えることをしてほしい。
3ヶ月前
この時期からは、書類の準備に加え、二次試験対策にも少しづつ手を出し始める必要がある。
二次対策といっても、大学によって問われる内容は様々であるが、基礎となる部分は変わらず、かつ最も重要な部分である。
では基礎とは何だろうか?
一般入試で問われるような科目であれば、学校でも授業で扱ってくれるだろうが、AOで問われる内容はなかなか高校の勉強では教えてくれない。
しかしながら、文系の学部においては、そのなかでも活用できる科目がある。
例えば世界史や日本史の特に近代以降の内容は、一般常識として頭にあると良いだろう。
加えて、取り扱いのない高校も多いかもしれないが、現代社会や政治経済といった科目は、高校生が最低限知っておくべき社会的知識の目安となる。
もし自分の高校に授業がない場合には、参考書を一冊購入し、全項目を一通り押さえておくとよい。
2ヶ月前
3ヶ月前になると、徐々に他の受験者たちも焦って対策を立て始める。
自己・大学分析や二次試験に向けた基礎知識のインプットなど、周りの受験生よりも一歩リードしているとはいえ、2ヶ月前は本格的にエンジンをかけるべき勝負の時期となる。
まず5ヶ月前から始めているメインの書類は、分析をさらに掘り下げる作業が大切だ。
例えば志望理由書なら、自分の将来の目標をより分析し、それはどうやったら実現可能なのか、現在何が不足しているのか、などについて調査を通して考察しよう。
自己PRといった書類にしても、本当にその実績と自己の強みは結びつくものなのか、や自己の長所は大学側の求める人物像とリンクしているのかなど、より精度を上げた分析を行おう。
加えてその他の書類にも目を向け始めることが大切だ。
写真が必要な書類や、賞状や合格証を提示しなければいけない書類もあるかもしれない。
早めに準備をしておいて、直前に慌てることのないようにしよう。
また2次対策に関しては、少しづつ実践に移る必要がある。
高校の勉強では、答えのあるものにたいして回答することが中心であろうが、AO入試では自らの意見が問われる。
明確な答えのない問いに対して、自分の考えを筋道立てて答えられるように練習しよう。
小論文対策用の教材を一つ用意することをおすすめする。
1ヶ月前
いよいよ佳境に入る一ヶ月前は、とにかく第一に書類のことを優先して考えよう。
二次の対策がまだまだ‥という人もいるかもしれないが、一次選考に受からなければ、二次試験さえ受けることはできない。
書類の精度を上げ、ありきたりな内容から、他とは一味違う、自分だけの書類に格上げを図ろう。
そこで大切なのは、最初から述べているように自己分析を行い、自らの強みを的確につかむことだ。
書類で印象に残れば、二次試験の際の注目度合いも変わってくる可能性がある。
AO入試の特性である、「点数だけで線引きするのでなく、学生自身と向き合う」という点に寄り添い、オンリーワンの個性が光る書類にしあげよう。
このように1ヶ月ごとに明確な目標とやるべきことを抑えて対策をすれば、AO入試合格に着実に近づくことができる。
もし一般と両立させたい人でも、この計画をもう少し長いスパンにして実行すれば、難なく両立が可能なのだ。
書類提出後の二次試験に向けた対策
さて、出願を終えたら、すぐに二次試験に気持ちを切り替えよう。
一次選考の結果がわからないままに二次の勉強をすることは苦しいかもしれないが、ここは合格を勝ちとるためにぐっと我慢しよう。
二次試験で大切なのは、アウトプット力だ。
基礎知識はもちろん大切だが、それをインプットしただけでは自分のものになったとは言えない。
自らの考えとして発信するために、吸収した知識を自分の言葉で説明できるようにしよう。
そのために二次試験まで毎日欠かさないでほしいのが、400〜800字程度の小論をかくことだ。
できればそれを誰かに添削してもらうと良いだろう。
この少ない文字数のなかで、いかに自分の言葉でまとめて伝えられるかが、勝負になるのだ。
テーマは何でも構わないが、新聞や小論の参考書などから引っ張ってくると良いだろう。
この作業は、例えばディスカッションといった口頭の試験になった時にも生きてくる。
自分の力でまとめて、相手が理解できるように伝える、という最も大切な部分は筆記でも口頭でも共通しているからだ。
まとめ
今回は、AOって何から始めればいいのだろうか?という受験生のために、AO入試に向けた大まかなスケジュールを紹介した。
AO一本で受験を考えている人も、一般受験中心に、と決めている人も、この記事を読んでぜひAOも視野に入れた受験計画を立ててほしい。
AO入試は、なぜ自分は大学に入るのか?を考えるきっかけになる良い入試だ。
大学に合格してからもぬけの殻にならないためにも、今きちんと自分の将来を見据えて受験と向き合おう。