この記事を読み始めている君は、きっと1度でも推薦入試を考えたことがあるのではないだろうか?
推薦入試を考えたことがある人でも、実際に何も準備をしていないという人は多い。
しかし、周りの優秀な受験生はすでに学級委員として仕事をしたり、部活で活躍したり、海外コンクールで賞をとったりと推薦に向けて着々と準備を進めている。
それなのに、自分には他人に誇れるほどの実績もなく、焦りは募るばかり‥。
リスクヘッジとして一般受験に向けた勉強も同時進行で行わなければならない中、推薦入試のためにできることは限られている。
そこで今回の記事では、「何を始めたらいいのか分からない」という人のために、推薦(AO)入試においてクリアすべき最優先事項3つと、その戦略的な獲得方法を紹介しよう。
受験まで1年以上ある君も、もしかしたら残り1ヶ月を切っているかもしれない君も、これを読んで推薦入試突破に向けた階段を着実に登ろう。
活動実績
推薦入試の魅力は、なんといっても点数だけで受験生を評価しないことだ。
逆にいくら勉強ができたからといって、本人に他とは違う「魅力」がなければ不合格を突きつけられかねないのが推薦入試だ。
そこで重要になってくるのが、校内・校外で行った活動実績だ。
しかし上を見上げれば、やれコンクールで金賞、やれ国際交流イベントを主催、など自分には到底成し遂げることができなさそうな実績を持っている人が数多くいることだろう。
そこで今回は、そんな君でも実績を作ることができるチャンスを得る方法と、今ある実績を使えるものにする方法を紹介しよう。
実績の増やし方
特にAO系の推薦入試においては、受験生が今までどれだけ自発的に活動してきたかが大切な注目ポイントとなる。
大学の推薦入試のなかには、ほとんどの場合志望理由書を書くという課題が課されている。
一般的にこのような書類には、
「自分はこういった社会問題・現象に興味があり、だからそちらの大学で〜なことを学びたい。」
といった内容を書くのが一般的と言える。
ここで提案するのは、この志望理由書とリンクさせた活動をすることで実績にしてしまう方法だ。
それはずばり、自分が関心を持っている分野の専門家に会い話を伺う、というものだ。
アポイントメントさえとることができれば、比較的時間をかけずに実績とすることができる。
さらに、大学側に「この学生は自分の興味を持ったことに対して貪欲に行動できるな」という印象を残すことも可能なのだ。
例えば教育問題に関心があれば、文部科学省に電話をかけ、疑問を素直にぶつけて、話を伺いたいと交渉する。
初めは断られるかもしれないが、粘り強く丁寧にお願いすることが重要だ。
もし実際に会って話を伺うことができたら、必ず一緒に写真を撮ってもらうことも覚えておこう。
今ある実績の活かし方
とは言え大人の人とスケジュールを合わせるのは難しく、そこまで多くの実績が残せるのか不安だという人たちもいる。
しかし、誰でも一つや二つ持っている実績を最大限活用することで、この悩みは解消できる。
活動の大小は関係ない。
例えば体育祭で1日だけ係をした、といっただけのものでも使えるのだ。
大切なのは、自分がその活動でどんな役割を果たし、何を学んだのか?だ。
今すぐ自分が高校時代やってきた活動を一から掘り起こし、全てについてそこで何を学んだか考えてみよう。
何を学んだか思い浮かべることができたら、それはもう立派な実績となる。
自己推薦書や面接でも多いに活用してほしい。
このように、自分には特別なものが何もないと悩む君でも、やり方次第で推薦入試を突破するチャンスは必ずあるのだ。
諦めず自分の使える武器は最大限使っていこう。
語学資格
最近はどの大学でも、「グローバルな人材の育成」を唄うようになった。
つまり大学側は、卒業生に一人でも多く国際的に活躍する人間が欲しいのだ。
よって、入試の段階から語学に強い学生は優遇される傾向にある。
そこでここでは、あまり知られていない、推薦入試で使える英語の資格試験について紹介する。
実は、英検やTOEFLのように有名ではないが、比較的簡単に語学力に箔がつく資格は存在するのだ。
チェックして今すぐ対策を始めよう。
GTEC
GTECはベネッセが主催する検定で、
- グローバル人材をめざす高校生のための「GTEC CBT」
- 中高生向けのスコア型テスト「GTEC for STUDENTS」
- オンラインで受験可能な「GTEC」
の3つに分かれている。
英検などに比べると比較的容易にもかかわらず高いグレードが取得できるなどのメリットがある。
国連英検
国連英検は、外務省が後援している、非常に権威のある資格だ。
出題トピックに世界情勢や時事問題などが幅広く盛り込まれているため、英語の勉強をしながら社会問題も学ぶことができる。
よって小論文などの対策も同時にできることがポイントだ。
海外の企業に就職を志す人も受験するような試験のため、文法や語彙力だけでなく、多方面での英語力が求められるという。
しかし英検ほどの難易度はなく、大学受験生ならC級くらいを取得しておけば十分使えるので受験の価値はありそうだ。
IELTS
IELTSは日本英語検定協会が主催する、主に海外留学や研修をしたい人向けの試験だ。
特にイギリス、オランダ、カナダなどへの留学には、TOEFLよりもIELTSの方が有用であると言われている。
このテストは16歳以上を対象にしており、試験官と1対1のスピーキングテストも盛り込まれるなど質の高いテストとして評価されている。
このテストの良い点は、頻繁に開催される、ということだ。
英検などは年に3回しか開催されず一度受験を逃すと当分の間待たねばならず、モチベーションが続かないことも多い。
しかしIELTSは月に2回以上テストがあり、着実にステップアップを狙える。
大阪、札幌や金沢など地方でも開催されているため、地方から受験したいという人も要チェックだ。
このように、英検・TOEIC・TOEFLの三大英語資格試験に限らず、この3つよりも手軽に受験でき、英語力を証明できるテストは存在する。
あらゆる可能性を捨てないためにも、受験日程をチェックし、様々な試験にトライしてみよう。
コミュニケーション能力
先にも述べた通り、学力だけではどうにもならないのが推薦入試だ。
そして推薦入試においては、人とうまく対話をはかることのできる力がとても重視される。
よって面接試験やグループディスカッションといったテストを通して、受験生の対話力を見極めているのである。
ここではそもそも大学受験で求められるコミュニケーション能力とは何なのか、そしてどうやって身につけるのかを紹介したい。
受験生に必要なコミュニケーション能力とは
君たちは普段友達や家族と会話をし、コミュニケーションをとることを当たり前のように行っている。
しかし、受験におけるコミュニケーションとはオフィシャルなものになってくる。
普通の会話が楽しくできるからといって、それは受験で評価されるコミュニケーション能力には結び着かない。
オフィシャルとはどういうことか、わからない人も多いだろう。
これはつまり、相手の発言意図をきちんと汲み取り、自分の意見だけを押し通すことなく「対話」ができるかどうかということが求められているのである。
普通の会話の中では、自分の言いたいことをいくらでも自由に話して良いだろう。
しかし、受験においてはそこに節度が求められ、相手とのバランスをとることが大切なのだ。
円滑なコミュニケーションをはかるためにするべきこと
では具体的に、相手とのバランスをとったコミュニケーションはどうすれば可能であるか。
それは次のことに注意するだけで簡単に可能になる。
それは、「返答の中に相手の意見を組み込むこと」である。
これをするだけで、話している相手の人間は「この人は自分の意見をちゃんと聞いてくれている」と認識し、お互いに歩み寄ることができる。
またいくら正論を主張したとしても、違った意見の人を真っ向から否定する人は推薦入試においては、大学に入ってからも伸びしろがない、という印象を抱かれがちだ。
よっていくら自分が正しいと思っていても、他人の立場に立ち、その人がどうしてそんな意見を持ったのか、共に考え向き合う姿勢が必要だ。
学校の先生に積極的に面接を申し込んで練習を重ね、このスキルを身につけていこう。
まとめ
以上が、推薦入試を受験する人が抑えておくべき3つの条件である。
受験まで時間がない、一般の勉強も大変だ、という人でもこの3つさえきっちりとクリアしておけば、受験に余裕をもって臨むことができるだろう。
さっそくできることから準備に取り掛かり、確実に合格への道を突き進もう!
(celly 東京大学理科二類在学)