これを読んでいる高校生諸君は、どのように日本史と関わっているだろうか?
私立文系の入試で日本史を使う人たち、国公立志望で日本史はセンター試験のみ必要になってくる人たちと、様々だろうが、学校で日本史を習っていて、少なくとも文系であるならば、一度は学校で定期試験を受けるはずだ。
大学受験をひとつの目標とした高校生の勉強の中で、日本史がどれほど重要性のある科目なのかは個人による。
しかし、社会科目の中から日本史を選んで履修しているならば、楽しみながら大学受験にも通じる勉強をしたほうがいいに決まっている。
高校の定期テストは、そんな自分の知識の到達点を定期的に推し量ってくれるのだ。
だからこそ、定期試験でいい点数を取ることができれば、目指せる最終的な目標も高くなっていく。
今回は、高校の日本史の定期テストで、9割以上とる最強の勉強法を3つ伝授しよう。
この勉強法を活用すれば、定期テストで点数や成績が稼げるだけでなく、大学受験へ直結する基礎固めもできるだろう。
高校の定期テストの「目的」を認識する
そもそも、どうして高校生は定期テストを受けなければならないのだろうか?
いい点数であれば、成績が良くなるのだろうか?
いい成績をとれば、指定校推薦がもらえるからだろうか?
確かに、こういった現実的な目的があって、いい点数を狙いに行く高校生もいるだろう。
しかし本来、学校が短いスパンで定期テストを執り行うのは二つの大きな理由があるのだ。
ここで、その二つの要素について説明しよう。
定期テストで実力を見極める
高校で定期テストが行われる理由、そのひとつ目が実力を定期的に見極めるということだ。
定期テストを受けることで、その時その時の自分の学力がわかる。
受験をひとつのゴールとするならば、何年生のいつの時期にそのゴールへの何合目にきているのか、それは自分にとって順調であるといえるのか否かを明らかにしてくれる。
定期テストでわかった自分の実力と受験で求められる学力を比較して逆算することで、受験勉強の計画を立てるのに役立つのだ。
これを頭に入れておくと、自分の入りたい大学に入れる可能性を少しでも高めるためであれば、暗記ばかりでつらい日本史の定期テストを頑張ろうと思えるのではないだろうか。
定期テストが大学受験への土台を作る
二つ目の理由としてあげられるのは、受験の土台作りである。
年に4回行われる定期テストの度に、必死になって勉強している生徒がいるとしよう。
その生徒は、四半期ごとに日本史のある一定の範囲の学習内容を完璧にしているということになる。
完璧に学習した状態を積み重ねて受験勉強に差し掛かるのと、受験直前になって三年分の学習内容を一気に詰め込むのとではどちらが楽だろうか?
聞かずとも、自ずと分かるはずだ。
日本史攻略で必須!くりかえし反復する勉強法
さて、日本史の定期テストへのモチベーションがあがったところで、具体的な勉強法について話をしよう。
日本史は、古代から現代にかけての膨大な出来事や世の中の流れを頭に入れなければならない。
そんな日本史を勉強する上でもっとも重要になってくるのが、繰り返し学習だ。
繰り返し学習法については、暗記科目において非常に重要なので、下記の記事をぜひ参考にしてほしい。
受験を成功させる最強勉強法(暗記法)!?忘却曲線を利用した繰り返し勉強法について
インプット勉強法
何事もまずはインプットが大事だ。
ではどうやって頭の中にインプットするのがいいのかと言われると、泥臭く、何度も何度も学校で使った教材の内容を反芻するしかない。
学校によって使用している教科書は様々だと思うが、どの日本史の先生も、教科書に沿って授業を進めているはずだ。
焦って、巷で有名な参考書やテキストに手を出そうという君は、気が早い。
学校の先生が教科書に基づいて授業をしている。
そして定期テストを作るのは誰だろうか?
考えなくともすぐその先生であるとわかるだろう。
であるならば、学校で配布される教科書の内容を把握することが、日本史の定期テストで高得点を取るための一番の近道である。
また、教科書は多くの場合、非常に読みやすい文体で、たくさんの資料と共に歴史的な事柄が説明されている。
まずは定期テスト範囲の教科書を、それぞれの出来事を頭の中で整理しながら20回音読しよう。
20回目の音読が終わる時、君は教科書を見なくとも日本史の流れが頭に入っていることだろう。
アウトプット勉強法
頭の中に、どれだけ多くの知識を蓄えても、知識の引き出し方を知らなければ、その知識は無いも同様である。
では、アウトプットの練習をするにはどうしたらいいのだろうか?
これもまた、学校の教材を使用して演習しよう。
あなたの手元にも、学校から指定されている一問一答やワークブックが二、三冊あるはずだ。
まずはそれを一通り解こう。
解き終わったら、答え合わせだ。
この時にマルとバツをつけて終わりではなく、合わせて解説や教科書を見ながら採点をしよう。
きっと採点中に「あぁ、これ、思い出せそうで思い出せなかったんだよ」とか「勘違いしてた、こういうことだったのか」という気づきがあるだろう。
この瞬間が脳にとって非常に良いことで、このような間違え方をすると、確かな知識として定着して二度と間違えることはなくなる。
間違えた問題にマークをつけて、マークの付いた問題を解き直そう。
そしてまた同様に採点をして、また間違えてしまった問題にマークを増やす。
これをマークの付いたすべての問題を正解するまで続けるのだ。
ここまでやって、どうして日本史の定期テストで90点以下を取ることがあるだろうか?
日本史は暗記・語呂合わせに走ってはいけない
上記で説明をした勉強法は、あなたには、いかにも暗記力に頼る勉強法のように思えたかもしれない。
しかし実際は違う。
日本史は念仏のように覚えるものではないのだ。
勉強は全然できないが、なぜかものすごくたくさんのポケモンを知っていて、それぞれの進化系や属性まで言えてしまうなんて子がクラスに一人はいたのではなかろうか。
人はどうして覚えることが可能なのか。
そこには文脈があるからだ。
そしてその分野について知ることが楽しいと思っているからだ。
バトルや育成を繰り返していくうちに、そのストーリーやキャラクターが自ずと頭に入ってしまうように、楽しみながら日本史の因果関係を追っていけば、日本史という科目はひとつの物語となるのだ。
地球ができ、人間が誕生し、どんなドラマがあって、この現代の社会に行き着くのか。
君と同じ、人間という生物が実際に辿った道をなぞるのは、どんな小説を読むよりも楽しいことなのだ。
まとめ
以上の説明で、日本史での学校の定期テスト勉強に取り組み、9割以上得点するための三つの心がけを伝授した。
もう、心配は無いことだろう。
日本史は複雑で難しいと感じることも多いだろう。
しかし、日本史を学ぶことを単純に楽しみ、日本の過去を知っていくことが、日本人としての君の使命でもある。日本史の知識は、あなたにとって、社会に出た後も知っていて損な知識では決して無い。
そして日本史についての正しい知識を得られた時、定期試験は通過点に過ぎず、大学受験、将来へと未来が開けてくるはずだ。
まずは目前の定期テストからこつこつと、テストの存在意義を認識するところから始めてみよう。
(celly 東京大学理科二類在学)