大学入ったら遊びたい!
そんな風に思っている人も多いのではないでしょうか。
大学に入って恋人作って、アルバイトして、飲み会とか参加して……。そんな風にいろいろバラ色の想像をするときに出てくる難問の一つに「部活とサークル、どっちがいいのかな……」というのがあります。
実際、部活もサークルも、それぞれ楽しそうだし、どっちに入った先輩も自分のとこ勧めてくるし、実際どっちがいいの!!??
しかも、入学してから新歓が始まるまでほとんど猶予はなくて、いろんなとこ回ってみるにしてもみんないいことしか言わないし。
実は私も、大学に入った頃、この問題で非常に悩みました。
しかし、紆余曲折を経て、結局部活とサークルをかけもちすることに。自分なりに、それぞれの良し悪しが見えたような気がします。
そこで! 迷い小路にはまり込んでいるあなたのために、今回は部活のいいとこ悪いとこ、徹底的に比較してみようと思います!
大学の部活ってどんなとこ??
大学の部活。いわゆる体育会と呼ばれるやつです。(なぜか東大では運動会、ですが)
昔ながらのスポ根で上下に厳しくて、練習も飲みも激しくて……。そんなイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。
部活は学校の承認が必要
部活がどんなところなのかお話しするにはまず、 部活とサークルの形式的な違いを説明する必要があります。
サークルというのは基本的に誰でも設立でき、正しい手順さえ踏めば簡単に作ることができます。
これに対して部活というのは学校の組織に組み込まれているので、サークルから部活に昇格するためには部則の提出や十分な組織化、運営方法の確立に一定以上の成果など、厳しい条件がいくつもあります。
このことが、実はこれから説明する様々なことに関わっているのです。
それでは部活の良いとこ悪いとこ、紹介しようと思います。
部活は厳しい??
部活のデメリットについて一番聞かれることは「厳しいのか」です。
端的に答えるならば「部活による」というのが正しいでしょう。
東大で言えば野球部などは伝統もあり極めて「厳しい」部活です。これに対し、もっと自由度が高く「ゆるい」部活もあります。
ただ、注意すべきは、「厳しい」と一言で言っても様々な意味が含まれているということです。大まかに言って、
①上下関係が厳しいか
②時間的拘束が厳しいか
③練習が厳しいか
④その他
という4点があるでしょう。
それぞれについて、若干事情が変わってきます。
①の上下関係で言えば、部活の雰囲気や存続期間などにもよってきます。一般的にOBOGに対する礼儀や、先輩に対する最低限の礼儀(タメ口厳禁など)は共通しているでしょうが、それ以上の部分(先輩の命令が絶対、挨拶の声が小さいと罰を受けるなど)は部活によって全然違います。
ちなみに私が所属していたのは武道系だったので礼儀には厳しかったですが、理不尽な上下関係のようなものは一切ありませんでした。
②の時間的拘束については、これもまたサークルと比較すれば一般的に厳しいでしょう。しかし、部活によってほとんど授業にも出られないところから、バイトやサークルの掛け持ちなども可能なところまで、実態は様々です(兼サークルについてはそもそも不許可のところもあります)。ただし、正規練習は基本的に休めないと思ったほうがいいと思います。
③練習が厳しいか、についてはまずほとんどの部活で「厳しい」と答えざるを得ないでしょう。部活というのは学校からお金をもらって活動をしていますので、一定以上の成果を出すことが求められますし、部活であることの誇りもありますので練習は必然的に結果を見据えてのものとなります。
もっとも、昔とは違いますから倒れるまで走らされたり、うまくできないと殴られたり、というのはあまりないのではないかと思います(露見すれば問題になりますし……)。ここでの「厳しい」はただ「キツイ練習」というだけの意味です。
④その他の厳しさとしては、「お酒」や「入退部」などがあるでしょうか。
お酒についてはほんとうにまちまちです。この点についてはサークルと同じでしょう。厳しいところ(激しいところ)もあれば、全然なところもあります。
入退部についてはどこも厳しいと思われます。学校からお金が出ている関係で、部員の把握は厳密に行う必要がありますので、いわゆる「幽霊部員」状態は許されないです。練習に行かなくなると、最終的に主将から電話がかかってきて退部か休部をするか、復帰するかの選択を迫られるなんてこともあります。
なお、初心者が入れるか、については基本的に入れないことはないと思います。ただ、野球やサッカーのように長くやっている人のいる競技は大きな試合に出場するのが難しくなるとは思います。大学からやる人がほとんど、なんて競技はもちろん関係ありません。
ちなみに。時間的拘束のところで授業に出させてもらえない場合があると書きましたが、成績や進路などについてはあくまで努力次第です。超厳しい部活でGPAが4に近い人もいれば、ゆるゆるなサークルで留年する人というのもたくさんいます。勉強できるかどうかという点は部活にするかどうかとは関係ない(と私は思います)。
部活に入るメリットは?
ここまでは部活のデメリットとしてあげられることの多い「厳しさ」について書いてきました。
でも、部活には部活の良さというのもあります。ここからは部活の良さについて書いていこうと思います。
まず、部活は一般的に拘束時間が長く、練習も厳しいので、本気で打ち込みたいという人には最適です。中高六年間同じ競技をやっていたとしても、大学の部活の一年か二年で追いつかれる。それくらいうまくなります。
そして、本気でやるからこそ、部活の結束力は非常に高く、とても仲良くなります。多くのサークルが二年か二年半だけなのに対して、部活は四年間である点も大きいでしょう。OBOGとして活動をしていくかどうかは別として、一生ものの仲間ができることは間違いないです。
幽霊部員にはなれない、というように書きましたが、それは反面、先輩や同期がとても気にかけてくれるということも意味します。サークルは来るものは拒まず去るものも追わず、が多いですが、部活は来るもの拒まず、去るものは全力で追います(笑)
また、部活は大学からお金が出ますし、OBOG会が強いので資金力がサークルとは比べ物になりません。そのため、良い指導者がいて、良い機材があって、よい練習場所を確保できます。サークルに比べて結局は費用がかからない、なんて場合もあると思います。
さらに、体育会(運動会)出身の人はそれだけで就職で有利、という面もあります。別に部活が贔屓されるということではなく、部活とサークルでは礼儀や人間関係、組織の中での行動、きつい練習への耐久力などに対する鍛えられ方が全く違うので、面接などでの印象が全然違うのだと思います。私は両方経験しましたが、就職で部活が有利というのは非常に納得できる話です。
終わりに
いかがでしたか。
今回は大学の部活の良し悪しについて書いてみました。
サークルにはサークルの良さが、部活には部活の良さがあります。ただ、サークルに比べて部活は入るハードルが少し高いのは否めません。
しかし、入って仕舞えば細かいことなどそうそう気になるものでもありません。朱に交われば赤くなる、という話で、部活に入ればそこが四年間、あなたにとってかけがえのない居場所になることは間違いないでしょう。
大学での時間、何かに死ぬ気で打ち込んでみたい、一生ものの仲間を作りたい、という人はぜひ部活に入ることをオススメしますよ!!
(白黒熊 東京大学法学部)