古典の単語が覚えられない!!

いったい何人の受験生がそう悲鳴を上げて単語帳を破り捨てたことでしょう。

かく言う私も、破り捨てはしませんでしたが、何回も壁に投げつけました。壁の方に穴が開いて大目玉を食らいました。ウソですごめんなさい笑

冗談はともかく、古典の単語というのは多くの受験生にとって鬼門の一つでしょう。

単語数自体は少ないですが、意味の方はやたらと多い

多いということは使い分ける必要もある。

英語と違って中途半端に現代語と似ているから余計に覚えづらい。

などなどなどなど。挙げればきりがないです。

そして、うまくいかなければ勉強もしたくなくなる。だんだん単語帳を見るのも嫌になってきます。

でも、実は古典単語は簡単なんです。

がんばるからいけないんです。手を抜けばいいのです。

意味不明ですか?

大丈夫。古典単語をラクラク覚える方法、これから解説します。

古典単語の現代語訳は適当

すごく怒られそうなタイトルを書いてしまいました(笑)
別に単語帳なんてどうでもいい、と言っているわけじゃありません。

……突然ですが、古典単語の現代語訳って誰が決めたと思います?

昔の人? お偉い学者先生? 学校の先生?

どれも正解です。昔の人が書いたものを学者先生が現代語に直し、先生がわかりやすい言葉にして単語帳を作る。

大雑把に言うとそんなところです。

では、学者先生はどうやって現代語訳してると思います?

当然辞書も作らなければ存在しません。語源を予想して読めるものもあるかもしれませんが、ほとんどはそうはいかないでしょう。

答えは、「文脈」です。何十、何百とおいう文献を読み漁り、比較検討し、この言葉はきっとこういう意味だ、と予想するわけです。でも、それだとどうしても意味の通らない文章が出てきて、仕方ないから別の意味も作る。そうやって単語帳の「現代語訳」は作られているのです。

回りくどいことを書きましたが、何が言いたいかといえば、重要なのはひとつひとつの訳語ではなく、文脈なのだ、ということです。

「あはれ」という単語の訳として単語帳には「しみじみと趣がある」と書かれているかもしれませんが、これを「風情がある」と訳してもなんの問題もないのです。

意味さえわかれば、単語帳の現代語訳に従う必要などないのです。文脈に合う現代語を自分で考えて答えればいい。

そういう意味で、この章のタイトルには「適当」と書いたのです。

そして、文脈で意味が分かるだけで良いのなら、覚えなくてはいけないものがだいぶ減る、そうは思いませんか?

ちなみに、私はひとつの単語について基本的にひとつの意味しか覚えていませんでした。つまり、重要単語350個をほとんど現代語と一対一対応で覚えていただけだったのです。

普通の受験生とは覚えている量が圧倒的に違います。それでも、古文は私が一番得意な科目だったんです。

次の章で、どうやって減らせばいいのか、解説しますね。

単語には「核」がある

ひとつの単語についてひとつの意味を覚える、と言っても、ランダムにひとつ選べばいいってものではありません。

単語の「核」を覚えるのです。

どんな単語にも、核となる意味があります。中心となる意味、と言ってもいいでしょう。核となる意味が場面や状況によって違う意味を持ち、訳語が変わっているだけなのです。

つまり、核さえ覚えておけば、あとはそれを文脈に合わせて違う言葉にしてあげればいい。

わかりやすい例をひとつ上げましょう。

若者が年配の人に意味を聞かれて説明に困る言葉に「ヤバイ」というのがあります。

元々ヤバイというのは「大変だ、どうしよう」という意味でしたが、今は違います。単語帳的に書くならば、

ヤバイ……(俗)形容詞
①大変だ
②すごい
③うれしい
④嫌悪感を覚える
⑤異常だ

などといった具合です(笑)。

かなり適当に書きましたが、大まかなところはこんな感じではないでしょうか。「ヤバイ」は今から数百年後、多義語として学生たちの頭を悩ませる単語NO.1になっているかもしれません。

ですが、使っている私たちの気分的には「なんとなく大変」という漠然としたイメージではないでしょうか。

「なんとなく大変な状況ですごい」ですし「なんとなく大変で嫌だ」です。

この「なんとなく大変」という部分こそが「ヤバイ」の核なのです。

古文単語でも同じことをすれば良いのです。

例えば「あはれ」であれば「心にじわじわ響く感じ」です。

それが感動であれば「風情がある様」となりますし、悲しさであれば「悲しさ」や「寂しさ」、心が温かくなるならそれは「愛情」「人情」などとなります。

たいていの単語はひとつの核で乗り切れます。

たまにひとつでは 説明のつかないものもありますが、それは二つ覚えればいいでしょう。といってもほんの数個ですから問題ないはずです。

核の見つけ方、使い方

では肝心の核は、どうやって見分ければいいのでしょうか。

と言ってもそんなに複雑な話でありません。基本的には単語帳の現代語訳を眺めて、ざっくり共通点を探せばいいのです。

「この単語はこんな感じの意味が多いな」

くらいなイメージで十分です。

あとは単語によっては意味の解説があるものもあります。例えば、「はづかし」は「りっぱだ」という意味もありますが、これは「自分が恥ずかしくなるほど相手がすごい」ということであり、「はづかし」の核となる意味は現代語と同じで「恥ずかしい」というだけです。

このように、解説がついている場合はどうしてそんな意味が出てくるのか、一度理解しておきましょう。最初の一回か二回は訳し間違えることもあるかもしれませんが、ちゃんと理由を理解していれば正しい訳語をかけるようになります。

核となる意味がわかったら、あとは練習あるのみです。文章を読んだ時に細かい単語にとらわれず、大きな流れを追う練習をしましょう。そして、その流れに合わせた単語を考えるのです。

慣れるまでは大変かもしれませんが、慣れてしまえばこんなに楽なことはありません。

終わりに

今回は古典単語を核で覚えるやり方を紹介しました。

最初はなかなかやりにくいと思うのですが、しばらく練習するうちに、ある時「わかる!」と実感できるようになります。

そうなればこっちのものです。他の受験生の半分、いや、もっと少ない時間でずっと高い点数を取れるようになります。

しかも、文脈理解が上達しますから、知らない単語に出会った時に他の受験生よりもずっとうまく対応できるようにもなります。

また、文章の大きな流れを追う癖がつくので、マークでも記述式でもトンチンカンな答えを書くことはなくなります

いいこと尽くしなのです。

古文が得意でもっと点数を伸ばしたいあなた。古文が苦手で足を引っ張られているあなた。

ぜひ、試してみてください。

(白黒熊 東京大学法学部)