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攻略法を解説!名大・英語2018

梅雨も明け始め本格的な夏が到来しつつあるが、受験生のひとたちは計画通りに勉強が進められているだろうか?

もしうまくいってないというひとがいれば、いちど立ち止まって自身を見直すことも大切だと思う。

さてこの記事では前回の名大数学に引き続き、名大の英語についてその特徴と対策について解説していく

名大についての説明や志望校の決める時期などについては名大数学の記事で紹介しているので、そちらを参照してもらえればと思う。

目次

名大・英語の特徴

まずは名大・英語の範囲配点傾向などの特徴について説明していく。

試験範囲

英、独、仏、中からひとつを選択。

ただし、英語については「コミュニケーション英語Ⅰ」、「コミュニケーション英語Ⅱ」、「コミュニケーション英語Ⅲ」、「英語表現Ⅰ」、「英語表現Ⅱ」の5科目あわせて出題される。

試験時間

試験時間は105分

またあとから詳しく説明するが、時間のわりに分量はすこし多い印象を受けるかもしれない。

配点 (英語の配点/2次試験の合計点)

  • 文学部:400/1200点 (33%)
  • 教育学部:600/1800点 (33%)
  • 法学部:200/600点 (33%)
  • 経済学部:500/1500点 (33%)
  • 情報学部:自然情報学科 – 400/1100点 (36%)
  • 人間・社会情報学科 – 700/1100点 (64%)
  • コンピュータ学科 – 300/1100点 (27%)
  • 理学部:300/1450点 (20%)
  • 医学部医学科:500/1650点 (30%)
  • 医学部保健学科:500/1500点 (33%)
  • 工学部:300/1300点 (23%)
  • 農学部:400/1400点 (29%)

配点に関しては以上に記載した通りである。

情報学部/人間・社会情報学科を除いて、どの学部も2次試験の合計点に対する英語の配点が3割前後であることがわかる。

英語はどの学部を受験するうえでも非常に重要な科目で、英語が合否を左右するといっても過言ではないだろう。

名大・英語の特徴

では、どのような問題が実際に出題されてきたか、試験内容の特徴について説明していく。

また後ほど2018年度入試の問題を詳しく見ていくので、ここでは概要を説明する。

例年、名大の英語の試験は大問4題構成で、前半2題で長文読解第3問は会話文第4問は自由英作文をつくる問題が出題された。

最近までは第4問は日本語の与えられた文章を英訳して記述する和文英訳が出題されていたが、2015年度入試から自由英作文が長文読解あるいは会話文の設問で出題されはじめ、2018年度入試は自由英作文が第4問で出題された

また2017年度入試との大きな違いは、第3問の会話文問題で会話文の前に雑誌の記事が掲載され、それについて会話しているということだ。

また試験時間が105分であるが、時間のわりに記述量が多い。

東大や京大などの独特な問題が出題されることはあまりなく、いたってスタンダードな出題が多いため、基本文法、単語・熟語などの基礎力が非常に重要となってくる。

2018年度入試の詳細

それでは、ここからは2018年度入試を大問ごとにみていこう。

第1問・長文読解総合問題

第1問の長文のテーマは「子どもは何歳頃に協調性の観念を理解するのか」であった。

名大では工学や教育学、医学など幅広い分野から出題されるため、内容的に向き・不向きはあるかもしれないが、内容は雑誌で取り上げられそうな内容が多く、文章自体はわりと読みやすいと思う

設問1は下線(1)の答えがどのようにすれば見つかると筆者が考えているかを問う問題であった。

この記事は解答・解説のための記事ではないため、詳しい訳や解説は省略させてもらうが、設問1は「協調性という概念はどの程度先天的なものなのか、自我や他者との関わりで自然と発達するものなのか、あるいは社会や教育によって育まれるものなのか」という問いの解答がどうすれば見つかるかを答える問題で、答えるべき箇所は下線(1)の直後に出てくる。

本文「~, part of the puzzle might be solved by ~」と出てくるからこの後に続く部分を訳して答えれば正解となる。

solved by 以下を訳してまとめると、「子どもが何歳で協調性の基盤となるいくつかの抽象的観念を理解するのかを調査すれば見つかると述べている。」(50字)などと解答すればよい。

設問2についてはどの研究者がどのような意見をもっているのかを選択するという問題である。

名前が本文の順序通りには並んでいないことに注意しなければならないが、だれがどのような意見を述べているかは整理しながら読めば難なく解けると思う。

だが、このような問題は名大では珍しい出題形式であった。

設問3は、適切な熟語を3つの中から選択させる問題であった。

この問題は文章の内容から適切なものを選ぶ必要があるが、そもそも熟語や単語の意味が理解できないと解けない問題であるため、単語・熟語力はしっかりとつけておきたい

設問4は「The importance of promoting cooperation in children.」という文がどの段落のテーマとしてふさわしいかを答える問題。

Trina Hinkley が ” It’s an essential skill for playing throughout ~ . Cooperation in a team helps ~ .”(協調性は、子ども時代を過ごし他のひとたちと上手く関わっていくためには必要不可欠なスキルである。グループのなかで協調することは子どもたちに社会のルールと公平に生きていくスキルを学習させる。)と述べている内容からP5が答えとなることがわかる。

設問5は実験方法の概要を70字以内で書かせるという問題であったが、わざわざ段落3から答えるように指定してくれているので該当箇所を見つけてまとめればよい。

まとめればよいといったが、意外とどこの箇所に実験方法が書かれているかわかっても、まとめにくいかもしれない

できるだけ簡潔に、だが抜け目なく書く必要があるという意味では少し難しいかもしれない

設問6は設問5で答えた実験についての結果をまとめる問題。

これも段落3の中から解答するよう指定してくれているので該当箇所を見つけ出してまとめればよい。

以上が第1問であったが、難易度としては標準だと思う。

少しまとめるのが大変な記述や新傾向の出題はあったものの、文章自体は読みやすく、内容も面白かった(それはひとそれぞれかもしれないが…)ため、高校生のみんなもあまり抵抗なく取り組めるのではないかなと思う

第2問・長文読解総合問題

第2問は第1問に引き続き、長文読解の総合問題であり、そのテーマは「鳥の卵の形状はその飛行能力によって決定される」という内容であった。

設問1は和訳問題。

長文読解においては和訳問題はよく出題されるから、日ごろから練習する必要がある

よく、「和訳問題は意訳しろ。」という教師がいるが、無理に意訳する必要はない

意訳することによって、解答するうえで重要なポイントが抜けてしまうくらいなら正しく直訳したほうがよい。

正しく直訳すれば、減点されることはないから無理に意訳にこだわらないようにしよう

設問2は空欄に入る文章を選択しから選んで埋めるという問題。

この問題は前後の内容を自然につなぐ選択肢を当てはめればよい。

また今回は空欄がすべて段落の先頭にあることから、段落ごとの主題が当てはまることが考えられるから、読み進める際にそれぞれの段落がどのようなテーマなのかを考えられると解きやすいと思う。

設問3に関しても正しい文章を選ぶ問題だが、本文を読めば選択できるはずである。

設問4は、Mary Stoddardによって発見された卵の形状を決める要素としてなにが最も重要であるかを文中の英単語2語で答えさせる問題。

本文中の”But their most surprising finding was that flying ability was the best predictor of egg shapes.”から”flying ability”(飛行能力)がもっとも重要な要素であり、これが答えとなることがわかる。

もっとも重要であるから、”the best predictor”が今回はキーワードであった。

設問5は下線部(2)となる理由を解答する問題。

答えは下線部(2)の直後の3文にあるが、その論理を整理してまとめる必要がある。

重要なポイントとしては、「鳥が飛行するには流線形の体が必要で、そのために卵の横幅を広くできないこと」、「長円形で左右非対称な形によって必要な容積を確保できること」が挙げられるため、この2点を字数に合わせてまとめればよい。

設問6は下線部(3)を英訳する問題。

「卵の形状は、~によって決まる。」というのは受動態 “is determined by”を使い、「巣の場所」は “where the nest is”や名詞形で表したいひとは”nest location”、「巣の中にある卵の数」は “the number of eggs in the nest”などと訳して英文を完成させることができる。

以上が第2問であったが、この文章もスタンダードで難易度としては標準であった。

ただ、流線形や左右非対称などすこし難しい単語が出てきているからすこし単語力が必要だと考えられる。

第3問・会話文総合問題

第3問は会話文の総合問題であった。

先ほども少し述べたが、例年までの人物同士の会話だけでなく架空の雑誌の記事が掲載されており、それも読まなければならないのが今年の問題であった。

また第3・4問は問題分も英語で書かれているため、なにを問われているかを正しく認識する必要がある。

では前半と同様に各設問をみてみよう。

設問1は下線部(A)~(G)のなかに動詞の形が誤っているものを選び、適切なかたちに直させるという問題。

(A)は “spend A doing B”で「BをしてAを過ごす」という熟語になる。

(C)は “should progress ~ and create ~.”とcreateがshouldの後にprogressと並列の関係にならないといけないため、原形が正しいことがわかる。

(F)は “remember not to be discouraged by ~.”と受動態の形が適切であることがわかる。

(G)は “Basing ~ can make you happier”とcan makeがこの文の動詞であるから文頭のBaseは動名詞の形となる。

このように基本的な文法事項が身についていれば解ける問題であったから、確実にとりたい問題であった。

設問2は下線部の単語と似た意味をもつ単語を選択して置き換えるという問題。

標準的な語彙力の問題であるから設問1と同様に確実にとっておきたい問題である。

設問3は6つの文のうち2つ内容と合うものを選択させる問題であった。

設問4は「人々が自分たちの好きなことに関係する仕事に就くこと」に対して賛成・反対を示し、その理由を述べるというもの。

語数が30~40語と比較的少ないことから理由はひとつ挙げればよいが、自分が述べたいことをはっきりと書く力が必要である。

例えば、テーマに対して賛成の場合、「仕事が自分の好きなことに関係していた場合、仕事を楽しみ、人生を充実させることができる。また仕事を楽しみながらすることができれば自然と成長し、結果的に成功しやすいと考えるため。」などを英訳して答えれば十分だろう。

第4問・自由英作文

第4問は自由英作文を書かせる問題であった。

表を読み取り、同じ年齢層の間や年代間での主な類似点や相違点を50~70語にまとめて記述する。

今回のテーマは「インターネット利用者のなかでのSNS利用者についての年齢や年代ごとの割合」という、わたしたちの身近なものがテーマであったため、記述しやすかったのではないだろうか。

例えば、まずはじめに2005年の利用者の割合は2010年と2015年に比べて著しく低いということが挙げられる。

2点目は2005年は低かった割合が、2010年になるとすべての年齢層において著しく増加していることを上げればよい。

3点目は同じ年代でも年齢層があがっていくにつれてSNS利用者の割合が減少していることが挙げられるではないだろうか。

これら以上のことをまとめて英訳すればよいが、解答の最初に”Firstly,”と書かれているため、これらの特徴を”Secondly,”, “Finally,”などにつづけて列挙していけばよい

以上が2018年度の名大の英語の試験であったが、先ほども述べたように分量は少し多いが、内容や難易度としてはスタンダードなものばかりで、語彙や文法を問う問題も出題された。

記述問題に関しては、自分の意見を述べさせたり、文中の内容をまとめて簡潔に述べるような問題も出題され、これらについては日ごろから練習する必要がある。

次の章で名大・英語のために必要な力や勉強方法について紹介する。

名大・英語の攻略法

2018年度の試験内容を詳細について説明したので、この章では名大の英語にはどのような勉強が必要なのかを解説していく。

何度も述べるが、名大の英語は記述量が多いため、文章を正確に読み取る力が必要となる。

しかし時間は105分と十分いあるため、過度に速読を意識する必要はない

ある程度のスピードで読む力も必要だが、むしろじっくりと文章を読む勉強が必要である。

正確な読解力をつけることと、語彙や文法を問う設問も出題されているため、高校2年生までに文法の基本事項は身につけておく必要がある

高校3年生のひとでまだ文法に自信がない人は夏休みまでにひと通り復習することをオススメする。

また単語に関しては単語帳を入試まで繰り返し暗記勉強をつづけてもらいたい

過去問にチャレンジしてみよう

夏休みが明けた9月頃から過去問に取り組んでみよう

時間配分や分量などを早めに把握して感覚を掴んでおく必要があるため、この時期から始めるのが良いと思う。

過去問10年分を12月中旬、センター直前期と呼ばれる時期までにひと通り解いてみるのが理想であるから、計画的に勉強を進めよう。

また過去問だけでなく長文読解の問題集などに取り組むのも有効である。

まとめ

名大の英語の特徴について2018年度入試の問題を中心に説明してきた。

英語は文法や語彙などの基本事項をはやめに習得して、長文読解や英作文などはできる限り演習量を積むということが大切である。

ぜひ、この記事の自分にとって有益になりそうな部分は参考にして英語力をつけていってもらえたらと思う。

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