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2022年度東大英語1(B)空欄補充・並び替え問題を徹底解説

東大英語には、様々な問題が出題される。

その一つに、第一問の (B)で出題される二つ目の長文問題がある。

その前の問題の倍以上の長さがある。

また、問題も普通の長文読解と異なり、空欄補充問題、英単語並び替え問題、段落整序問題など様々である。

しかし、共通して問われているのは、ある程度長い文章で文脈を素早く把握しながら文章を読むことができるかということだ。

2022年度の東大英語1(B)では、空欄補充問題が5問、並び替え問題が1問出題された。

今回は、この2022年度の東大英語1(B)の問題を現役東大生が徹底解説していく

解答速報などでは、答えのみが掲載されているが、実際にどのような手順で解いていけばよいのかわからない人も多いだろう。

ここでは、1(B)問題の解答プロセスを順に解説していくので、今後東大を受ける人は、是非参考にしてほしい

<解説動画>

目次

空欄補充・並び替え問題の解き方

2022年度の実際の問題を解説する前に、東大英語の1(B)で出題されるような問題をそもそもどのように解いていけばよいか解説する。

そのために、まずは2021年度の問題を解説したページからの引用を紹介する。

まず、2021年度の空欄補充・並び替え問題の解説を行う前に、空欄補充・並び替え問題の解き方を解説していく。

多くの人がやりがちな間違った解き方が、解答の選択肢の比較だ。

多くの人が、解答の選択肢を比較しながら解いている。

しかし、ほぼすべての過去問が、根拠をしっかりと探していけば解答の比較なしに解くことができる

つまり、正解の選択肢は、他の選択肢とは天と地ほどの差があるということだ。

ただ、解答の根拠をしっかりと持っていないと、その差はわからないので、まずは解答の選択肢の比較をやめるということが重要である。

選択肢の比較をやめて、しっかりと空欄の段落の論理構造を分析しよう。

その構造から、空欄に入る内容をある程度予測することが必要だ。

十分構造を分析して、空欄に入る内容を予測した後で、選択肢を見ることが重要なのだ

その予想と一番合致する選択肢を選べば正解になる。

このように、しっかりと論理構造を分析して、予測を立てて選択肢を見れば、他の選択肢と天と地ほどの差があるということがわかるはずだ。

1(B)が苦手な人は大概と空欄の段落やその近辺の論理構造をろくに分析もせずに、選択肢ばかりを比較している。

選択肢の比較に走らずに、十分論理構造してから選択肢をみるようにしよう。

(出典:2021年度東大英語1(B)空欄補充・並び替え問題を徹底解説)

上記で示したように、2022年度だけでなく、2021年度の解説もあるので、合わせて見ておくとよいだろう

<解説動画>

2021年度東大英語1(B)空欄補充・並び替え問題の解説

それでは、いよいよ2022年度の実際の問題の解説を行う。

上記に述べたように、まずは本文の論理構造を把握することが大切である。

十分に論理構造が把握しきれたあとに、選択肢を実際に見るということを実際どのようにやっているのか、一例としてみてほしい。

第二段落(ア)(1)

問題自体は、第二段落で最初に登場するのであるが、第一段落の内容も少し把握しておこう。

心理学専攻の大学院生のMatroianniのパーティーでの話から始まる。

これは、第二段落に続く彼のとりあげた心理学実験への導入である

よって、実験内容を簡単に説明しているのが、第一段落の最後の

“What if both people are thinking exactly the same thing, but we’re both stuck because we can’t move on when we’re really done?”

という部分である。

実験の内容は、二人の人が話し合っているときに、その二人それぞれが会話を終わりたいと思うときはいつなのかということについてであるということがわかるだろう。

第二段落2文目にしっかり記述されているが、表現がわかりにくいので、第一段落の上記の部分を参考に読解していくのがよいであろう。

そして、その次の文に空欄の(1)がある。

その後の文には、

In fact , people are very poor judges of when their partner wishes to stop it.

とある。

これは、実験結果のうちさらに現実に近いことを述べている。

なので、(1)には実験からわかったことがこなければならない、そして次の “In fact” の内容にしっかり繋がるようなものでなければいけないということがわかる。

これを満たすのは

e) The team found that conversations almost never end when both parties want them to.

だけであるということがすぐわかる。

ちなみに、念の為消去法で考えてみると、実験結果なので、まず、? で終わっている a), b), f) は除外される

また、c)をここに入れると、”Most of them” のthemがどこを指しているのかわからなくなる。

d) は、 “both studise” とあるが、研究はまだ一つしか出てきていないので、不適切だ。

ということで、答えは e) しかありえない

第五段落(ア)(2)

第三段落では、大学院生のMatroianniの実験に対するコメントが書かれている。

そして、第四段落では、このような研究が心理学においてはいままでされてこなかった、新しい研究であることが書かれている。

そして、第五段落を迎える。

第五段落では、Matroianniが二つの実験を行ったことと、一つ目の実験の内容が書かれている。

(2)の前の文では、

they quizzed 806 online participants about the duration of their most recent conversation.

とある。

そして、

The individuals involved reported whether there was a point in conversation at which …

と、全く別の話が来ているので、

(2)は their most recent conversation についての何かでないかと予測が立つ。

そのことを考えて、選択肢を見ると、

c) Most of them had taken place with a family memver of friend.

が適切であるということがわかる。

たしかに them = their most recent conversation と考えれば、辻褄が合うだろう

消去法を考えると、先ほど同様疑問文の a), b), f) は除外される

d) は、 “both studise” とある。

たしかに、最近の研究として第二段落で紹介されたものと第五段落のMatroianniの研究を指していると考えることもできるが、わざわざ、Matroianniは2つの実験をやったといっているのに、その一部と他人の研究を一緒に捉えるのは変だ。

よって、答えは c) しかないのである

第六段落(イ)空欄並べ替え問題

第六段落は、Matroianniの二つ目の実験が紹介されている。

252人の参加者でペアーを作り、45分間会話をさせるというものだ。

そして、問題の部分は以下ようになっている。

Afterward the team asked the subject (イ) and to guess to the partner’s answer to the same question.

まず、askedの直接目的語が二つある

それが、(イ)と “to guess the partner’s answer to the same question”だ。

これらの並列を考えると、少なくとも(イ)全体が名詞節になるように考えるべきだ

そして、ここでは “the same question” が(イ)を指している。

よって、今までの内容から、何を質問して、何の質問の相手の答えを予測させたいのか考える。

それは、「いつ会話を終わらせたいと思うか。」ということであるということは、今までの文脈からすぐ判断できる。

よって、まず最初に、when S Vという形をとることができる。

この場合、彼らが、話を終わらせたいということなので、主語はthey が入るだろう

ここで選択肢を見ると、haveが2つあり、beenとlikedという過去分詞が二つあるので、have liked, have been という二つのペアーを作ることができると気づくことができる。

さらに、 would という助動詞と to があるので、正規の動詞の部分にwouldをもっていくことを考える。

そうすると、would like O to V という用法を思い出すだろう。

なので、when they would have liked O toまでをつくることができる。

このOに入るのが the conversation でto の後ろが、have been overにすると以下のようになる。

when they would have liked the conversation to have been over

このように、前後の内容と選択肢との両方を考慮して、考えていけば、自ずと正解を見つけることができる

今回の問題は語数が多く難しいと言われているが、根拠を十分拾って、選択肢を見ていけば答えにたどり着くことは難しくない。

第七段落(ア)(3)

この段落では、Matroianniの2つの実験の結果の説明をしている。

もうこの点から考えると自ずと答えは決まる

それが、both studiesと明言されている

d) Participants in both studies reported, on average, that the desired length of their conversation was about half of its actual length.

である。

他の選択肢を考えても、これ以外は疑問文で、ここに疑問文は不適切である。

第十段落(ア)(4)

第八段落では、さらに実験結果の説明が続く。

そして、第九段落には、Thalia Wheatley  という人の、「相手が会話を終えたいと思っている時を正しく予測できないこと」に対するコメントを述べている。

第十段落でも、同じように、Nicholas Epleyという人の考えが引用されている。

そして、この人が、

wonders what would happen if most conversation ended exactly when we want them to.

と思うわけである。

そして、(4) があるので、基本的に先ほどの疑問と同内容もしくは、それに対する追加の疑問であるということがわかる。

それに適切なのが、

b) How many new insights, novel perspectives or interesting facts of life have we missed because we avoid longer or deeper conversation that we might have had with another person?

である。

これは、会話がその人たちが望んだ時に終わることを前提としている質問なので、ここに入れるのにはぴったりの選択である。

他の選択肢も考えてみると、a)は、会話の開始時についての質問だ。

だが、会話の開始時のことが話題になったことは一度もないので、ここに入れるのは不適切だ。

f)については、”group chats” についての言及がまだないので、これも不適切だ。

第十二段落(ア)(5)

最後の問題については残る選択肢はa)とf)のみになる。

この段落の冒頭では、

The findings open up many other question.

とくる。

なので、基本的にどんな質問でも構わない。

しかし、a)は先ほど述べたように、会話の開始時についての質問であるので、この文章全体にはふさわしくない。

よって、

f) What about the dynamics of group chats?

が答えとなる。

まとめ

以上が、2022年度東大英語1(B)空欄補充・並び替え問題の徹底解説である。

この問題、実は解答速報では、駿台と河合がやや難と難易度を設定している。

しかし、上記の解説をみるといかがだろうか?

根拠はしっかりと文章中に示されている。

文章の論理構造をしっかりと分析し、根拠を探し出し、この根拠をもとに選択肢を見ると、正解の選択肢に真っ先に辿り着く。

今回の問題は、個人的には解きやすい問題であったのではないかと思う。

東大の受験を考えている高校生、受験生は是非この記事を参考に東大英語1(B)の問題の対策を頑張ってほしい。

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