文系というとなんとなく数学が苦手なイメージや、数学を勉強しなくてもいいようなイメージを高校生たちは抱いているのではないだろうか?
しかし、東大や京大をはじめとして、二次試験において文系に数学を受験科目に課す大学は少なくないのも事実である。
そんな中で、多くの文系受験生は、数学をどこまでどの程度対策すればよいのか迷っているのではないだろうか。
今日はそんな受験生たちのために、文系受験生が数学二次対策で取るべき勉強法について解説する。
これを読んで今日からでも正しい文系数学の対策を実行していこう。
文系だからこそ、数学をしっかりと勉強しておこう。
よく、見かけるのが数学を全く勉強しない文系の人たちだ。
しかし、難関大学になればなるほど文系でも数学を受験科目、特に二次試験の受験科目に入れてくる大学は少なくない。
そんな中で、数学の勉強を全くやらないのは間違いで、むしろ文系だからこそ数学の勉強をしっかりとやった方が受験に有利になりやすい。
ここでは、それについて解説していく。
少し余談:理系の国語の勉強について
文系で数学を二次の受験科目で要求してくる大学は東大や京大をはじめ、少なくないが、理系で国語を受験科目で求めてくる大学も同じくらい存在する。
しかし、理系の場合、国語は文系の数学ほどあまり勉強しなくてもよい。
むしろ理系であるならば数学や理科に時間を割くべきである。
理由は簡単だ。
国語というのはその科目の特性状あまり点数に差が開かないからだ。
東大の場合でいうと理系の合格者の国語の点数は80点満点中30~50点くらいで50点以上はまれにしか見ない。
それならば、もっと点数の差をつけやすく配点も大きな数学や理科などに勉強のウェイトを置いた方が断然得である。
文系の数学は点数が開きやすい!
それに比べて、文系の数学はどうだろうか?
数学という科目は国語とはちがい点数の差が開きやすい。
というのも、東大の文系数学でいうと80点満点中合格者のなかでは20点~60点くらい点数の幅があり、60点以上の人も一定数見かける。
特に問題が少し簡単目になってしまうと、数学をしっかり勉強してきたいわゆる「数学ができる奴」はかなり高得点を獲得することができるが、苦手で全く勉強していない人は全く取れないという自体になってしまう。
これは、裏を返すと、しっかり勉強していけば、たとえ全体の配点が低くともしっかりと高得点を狙うことができて得点源にすることができるのだ。
そして、周りが苦手な人が多い文系という環境を逆に考えると、高得点を取れれば、みんなとそこでかなり差がつけやすくなるのだ。
点数の差が開きやすく高得点が勉強をしっかりすれば見込める分しっかりと勉強すべきなのである。
数学は勉強した分だけ伸びる!
どの科目にどれくらい時間を割くのか考えるときの一つの指標として、各科目のコストパフォーマンス(勉強した時間に対してどれくらい点数がでるのか?)というものが挙げられる。
ここで、国語という科目に比べると数学はコストパフォーマンスが大きい。
国語は幼少期から読んできた本など、日ごろの言語体験にも大きく影響される科目である。
しかし、数学においてはそうではない。
数学の情報は少なくともみんなその学年にあった分野しか学習しない。
よって、みんな勉強すればしっかりと点数が上がってくるのだ。
このように、まずは文系だからといって、東大・京大などの難関大学を受ける人は特に数学自体の勉強をしっかりやっておくことは多くのメリットが存在する。
しっかりと数学も日ごろから勉強しておこう。
数Ⅲは文系数学でも使える!
まれに東大や京大の文系の受験者の中で数Ⅲの範囲まで終えて受験に臨んでくる人たちがいる。
そういった人たちは、かなり入試で有利になる。
通常文系の人たちは、数Ⅲは範囲外なはずである。
しかし、範囲外というのは、数Ⅲの範囲の数学を使わなくても解けるというだけであって、数Ⅲの範囲の数学が適用でき、それによってラクに解けるという場合はかなり多い。
しかし、数Ⅲの範囲をすべてやる時間や余裕のある文系の人たちはあまり多くない。
よって、ここでは特に知っておくと得する数Ⅲの数学の範囲を2つ紹介する。
数Ⅲの微分
数Ⅲの範囲で文系が一番得する分野はどこかと聞かれたら、ほぼ全員が数Ⅲの微分だと答えるだろう。
それだけ、数Ⅲの微分が使えるとラクすることができる場面が他の分野よりもより多く存在するのだ。
では、それはどこだろう?
それは、文系の数学の入試でもよく聞かれる最大最小の問題である。
文系の人たちが数Ⅲの範囲を全く学習しない状態で最大最小を求める場合、二次関数でない限りすぐにはできない。
分数関数だと、実数の存在条件に落とし込むか、うまく相加相乗平均がとれないか式変形をほどこすしかない。
三角関数の場合もありとあらゆる公式を使い、最大最小がわかる形に式変形を試みる。
しかし、この作業は非常に頭を使う作業でそれに伴う計算量も多くプロセスがあっていたとしても間違える原因となるなどとりあえずいいことがない。
ここに数Ⅲの微分という選択肢が加わるとかなり楽になる。
数Ⅲに微分を習えば分数関数、三角関数、指数関数、対数関数などどんな関数でも出てくる関数はほぼ微分できるようになる。
微分という計算は非常に頭の使わないただの計算である。
それで、増減表を作ってしまえば、関数の最大最小がすぐにわかってしまうのだ。
つまり、文系のひとたちが通常は頭を悩ませなければいけない最大最小の問題も一瞬で解けてしまう。
それに、文系数学においてこのような最大最小問題は頻出である。
よって、一番使う機会が多く、その時に一番ラクをするという意味で、数Ⅲの微分は是非学習しておくべき範囲である。
回転行列
数Ⅲの微分さえ学んでしまえば、ほぼ80%は文系の学ぶべき数Ⅲは終わってしまうのであるが、しいて残りの20%のうち一番比率の多いものを上げるとしたら回転行列になるだろう。
というのも、理系なら頻繁に出てくる座標平面上での回転移動であるが、文系も文系数学の範囲でこれを行えなくなはない。
つまり、回転移動のともなった問題を出題されたり、回転移動すると簡単になってしまう問題が出題されたりしても全くおかしくなく、そのような問題はたまに見かけるのである。
そのような、問題に対して、回転する記述を書くのは文系数学では少々記述量が多くなってしまって面倒になる。
しかし、ここで回転行列が使えるとそれを座標ベクトルにかけるという計算式を記述するだけで終わってしまって、面倒な記述が一気に省略できるのだ。
文系であれば、数Ⅲの微分だけは、絶対に習得してから入試に臨むようにしよう。
回転行列については、回転行列を学ぶだけのために行列という新しい概念から学ばなければならないうえ、数Ⅲの微分に比べれば活躍する機会が圧倒的少ないため、余裕がある人はやっておこう。
まとめ
以上が、文系の人たちのための数学の二次対策用の3つのアドバイスである。
まず、文系の人たちは数学自体をおろそかにしがちだが、文系の数学を勉強することには、入試で有利になれるメリットが多く存在するので、数学自体の勉強をしっかりやっておこう。
また、そのうえで、数Ⅲの微分やできたら回転行列や他の数Ⅲの範囲を余裕がある人はやっておくようにすると、もう文系だからと言って数学で悩むことはないだろう。
この記事をよんだならばぜひ、文系でありながらも数学を得点源にしてみんなとぐっと差をひらけよう!
(celly 東京大学理科二類在学)