いま急成長を遂げている予備校の一つに東進衛星予備校というものがあります。
東進衛星予備校は、CMにも出ているような、東進の一流講師陣の動画授業が全国どこの校舎でも受けられるという予備校です。
なので、東進の授業はどれも質が高いものばかりです。
しかし、東進の授業は決して安くはありません。まともに全教科分基礎から入試の実践レベルまで取っていては、年間80~120万程度学費がかかってしまいます。
また、東進の授業を行う講師は非常に優秀な方々ばかりなのですが、肝心の現場にいるスタッフや担任が受験の知識が少ない大学生のアルバイトばかりです。
受講する講座はこのアルバイトの担任と話し合って決めるのですが、しばしば必要以上に多く取るよう進められたり、自分のレベルにあっていない講座を取らされる人もいます。
実は大学受験.net(赤門アカデミー)のLine@にも、東進ゼミナールの講座取得について相談される方がたまにいらっしゃいます。
赤門アカデミーの講師でもある僕(celly)が他塾さんのおすすめ講座を紹介するのも変な感じなのですが、毎回丁寧にLine@で回答するのにも時間がかかりますので、いずれ記事にまとめたいと常々思っておりました。
なので、この記事では、東進に3年間通った現役東大生の僕(celly)が、本当におすすめできる東進の講座をご紹介します。
東進の講座の正しい選び方
まず、東進の個々のおすすめの講座を説明するまえに、東進での講座の正しい選び方について解説していきます。
まず誤解してほしくないのは、東進の授業の質はどれも極めて高いです。しっかり活用できれば受講生にとって大きな力となります。
しかし、東進の講座は強気の価格設定ですし、1回の内容もかなり濃いため予習復習が欠かせず、わかりやすい代わりにお金と時間がかなりかかります。
なので、できるだけ自分で勉強できる部分は東進の講座に頼らず自学自習で進めた方が良いです。
そのほうが、定着率がよく、スピードも早いので、成績がより早く伸びます。
その上で、どうしても自学自習が難しい、苦手科目の入門編の講座、もしくは理科、社会、難関大対策などといった市販の参考書では出回っていないノウハウをしっかり提供してもらえる講座のみ受講するというやり方が、一番学費を抑えなおかつ成績が短期間で上がります。
このことを十分わかった上で何も考えずに担任の言われるがままに講座を取るのではなく、しっかりと考えて講座を選びましょう。
現代文のおすすめ講座
まず、最初に現代文のおすすめ講座を紹介していきます。
現代文は林修先生一択のみです。
これは東進だけでなく、日本全国の予備校講師の中から選ぶとしても林先生一択のみです。
林先生以外に、現代文を論理的に教えている先生はいないからです。
なので、現代文がどうしても苦手だという人で得意にしたいという人は林先生の授業だけを受けに東進に入学してもよいくらい価値があります。
入試対策:センター試験対策現代文(90%突破) 担当講師:林修先生
東進の講座の中で一番おすすめですね。
センター試験を受ける全ての人に受講してもらいたいくらいです。
この講座を受けるとセンターの現代文でほぼ満点が取れるようになると言われているくらいです。(漢字と語彙の問題は流石に本人が努力しないと無理です。)
また、センター試験は現代文の入試問題の基本なので、現代文が苦手だという人はまずはこの講座を受けてみてください。
東大対策国語 担当講師:林修先生(現代文)、三羽 邦美(古典)
現代文8講座、古文6講座、漢文6講座からできています。
僕は実は東大特進コースの特待があったのでそこで無料になる林先生の東大現代文を取っていたので、この講座は実はとっていません。
しかし、受けていた友人の話を聞くに、ほぼ特進でやっている内容と同じということでした。
なので、特進で現代文が取れないという東大受験生は必ず受けておいた方がよいです。
特進の現代文を受けて、東大国語はかなり高得点だったのでこれもセンター現代文と同様是非とも受けて欲しい講座です。
数学のおすすめの講座
数学はたくさん入門書が出ているので、基本的に東大数学で高得点を目指すレベル以外は市販の参考書で補うことができます。
ただ、長岡恭史先生の授業だけはかなりレベルが高く市販の参考書では学べないことが受講を通して学べるのでここまでのレベルの授業を聞く余裕がある人は長岡先生の下記の講座は是非ともおすすめです。
しかし、かなりハイレベルなので1回みただけでは理解はできないと思います。
しっかりやりこむのには半年は絶対かかるのでそれくらいみておいてください。
東大対策数学[Ⅰ・A/Ⅱ・B]−中級から上級そして超上級へ− 担当講師:長岡恭史先生
東進でおそらく一番レベルの高いⅠ・A/Ⅱ・Bの講座です。
通っていた校舎の校長に高2のとき東進の数学の講座は所詮周りの参考書でなんとかなるレベルだとバカにしたらこれを持ってこられました。
最初はレベルが高すぎて宇宙語にしか聞こえませんでしたが、一生懸命取り組んだ結果かなり力がつきましたね。
ちなみに全てのコマ2回以上ビデオで見ました。
そうじゃないと理解できませんでした。
この講座のおかげで東大入試において数学はかなり得点源になりましたけど、それなりに時間もかかり苦労しました。
東大入試で高得点を取りたいという方は是非受けてみてください。
東大対策理系数学[理系上級微積分+α]−中級から上級そして超上級へ− 担当講師:長岡恭史先生
これもまた東進で一番レベルの高い微分積分の授業です。
Ⅰ・A/Ⅱ・Bのほうをやりきった後に受講したので長岡先生のレベルにはなんとかついていけたのでⅠ・A/Ⅱ・Bほどは苦労はしませんでしたが、それでもかなり難しいです。
どれくらい難しいかというと、そこらへんの旧帝大の微積分の問題など簡単に見えてしまうくらいの実力がつきます。
積分の定義をしっかりときめるところからバームクーヘン分割など微分積分についての正しい理解を超難問を通しても学ぶという講座です。
この二つの講座はハイレベルすぎておそらく市販の参考書や問題集ではつけられない数学の力がつくので、覚悟とそれなりの学力がある方は是非試してみてください。
英語
正直英語に関しては、東進でないと得られないというようなノウハウや情報を提供してくれるような講座はありませんでした。
今井先生のA、B、C組などは受けていて確かにおすすめなのですが、ぶっちゃけそこらへんの市販の参考書でも十分同じ実力がつけられます。
また、東大特進コースの宮崎尊先生の授業も確かにおすすめではありますが、宮崎先生のノウハウは宮崎先生が書いた「東大英語総講義」という参考書にすべて集約されており、これと過去問演習だけで十分対策が可能です。
英語は受験の科目の中でもかなりノウハウが出回っている分野で、授業を受けて身につける学問よりも、スポーツなどの技術に近いので、東進の授業を受けるよりも、自分で勉強したほうが、時間もお金もかからず本当にコスパが良いです。
物理
物理は苑田先生の授業がかなりおすすめです。
微積分の知識を用いて、Newton力学からしっかりと教えてくれます。
高校の物理は一応微分積分を使わなくとも理解ができるようになっているのですが、うまくごまかしているため帰ってわかりにくいです。
そこをあえて微分積分などの大学の内容を交えて説明することでよりわかりやすく正しく物理を理解していこうというのが先生のスタンスです。
決して市販の参考書では学べない内容なので先生の講座は確かに受講すべき講座になります。
ハイレベル、トップレベル物理
高校で習う物理を微積分などの大学での物理の知識を使ってわかりやすく体系的に解説していこうという授業です。
なので、そもそも物理を初めて学習する人や、数3の学習を終えていない人はちょっと理解に無理があるかなと思います。
個人的には高2までに数3と物理の学校の問題集レベルの問題は解ける実力をつけておいた上で、高3からこれを受講するのがちょうど良いのかなと思います。
ハイレベルよりもトップレベルのほうが難しいと言われていますが、僕はこの二つは受講していないのでわからないです。
東大対策物理
僕はハイレベル、トップレベルをとらなかったのは先にこっちを取ってしまったかならんですね。
正直物理にはかなり自信がありましたが、これは失敗でしたね。
そもそも東大対策物理はハイレベル、トップレベルで身につけた理解をより深めるための演習形式の授業で先生もハイレベル、トップレベルを受けている前提として解説します。
なので、いきなり「相対運動が。。。」といわれても僕は「?」という感じでした。
急いで友達のハイレベル物理のテキストとノートを読み漁りましたね(←せこいw)
なので皆さんはハイレベル、トップレベルをしっかりやってから時間があればこれを受講しましょう。
本番の入試でハイレベルを受けてこれを受けなかった友人に点数負けたので順番は間違えないように笑
化学
化学については鎌田先生の 東大化学がかなり役に立ちました。
はっきりいって参考書では身につけられないたくさんのノウハウを教えていただけます。
特に有機の構造決定の方法論はかなりすごいです。
これを受けると有機の構造決定は7割以上安定して取れるようになります。
ただ、残念なことに鎌田先生いま東進には在籍しておらず、学研プライムゼミにいます。
受けて見たい方はそちらに行って見てください。(なおそちらで東大対策をやっているかはわかりません。)
東大化学
基本的に問題演習が中心何ですけど、テキストの中に、知っておくべき基礎的な知識がかなりわかりやすくまとめられています。
鎌田先生のテキストはまとめ方がすごくうまくてこれについては市販の参考書では絶対に補ません。
僕は一応ハイレベル化学も受けてはいないのですが、こちらに関しては、よほど化学の腕に自信があれば、東大化学を先に受けても大丈夫だと思われます。
ただ、友達のハイレベル化学の参考書を見る限りは、おそらくハイレベル化学のほうが体系的に細かく基礎知識がまとめられているので、まだ十分実力のない方はこちらを利用するとよいだろう。
まとめ
以上、東進に通った現役東大生がおすすめする東進の講座をご紹介していきました。
この記事の冒頭でも述べたように、東進の授業のクオリティーはかなり高いのがメリットですが、料金が強気というのがデメリットです。
なので、できるだけ自分で市販の参考書や問題集を使ってできる部分は自力でやるように心がけましょう。
それで、市販の問題集や参考書では入手できないようなノウハウや理解を求めて東進の授業をしっかり選んで受講するのはすごく良い使い方です。
僕は、東進の講座をすべて受講したわけではないので、ここで紹介した講座以外にも実際に素晴らしい講座はあるのかもしれません。
しかし、ここで紹介した講師の講座はどれも市販の参考書などでは決して勉強できないことが勉強できる素晴らしいものばかりです。
東進で講座を選ぶ際に是非とも参考にして見てください。