大手の予備校で講座を選ぶとき、どの講師の講義を受けるのかという点を指標にする高校生や受験生も少なくない。
特に東進衛星予備校について、どの講師もキャラが濃く特徴のある講師が多く在籍している予備校のひとつである。
「A先生とB先生の講座のどちらがいいのだろうか。」、「C先生の講座を受けようと思うけど、どうなんだろうか。」といった疑問を抱くひとも多いだろう。
そこで、数学・志田晶先生、物理の橋元淳一郎先生のレビューに続いて、東進の化学講師・大西哲男先生について講座から授業の雰囲気まで細かく解説していく。
多少、主観的な意見になるかもしれないが、講座を受講した元生徒のひとりの話として参考程度に読んでいただければと思う。
大西先生の経歴
まずはじめに、大西先生の経歴について簡単に紹介しておこう。
大西哲男(おおにし てつお)先生は京都大学農学部を卒業、東進だけでなく、河合塾でも化学講師を務めている。
東進では東大本番レベル模試や京大本番レベル模試といった最難関大学の模試の作成も手掛けている。
東進のホームページでの紹介文は以下の通りである。
化学のさまざまな現象に関して「なぜそうなるのか」ということが理解でき、正確な知識とそれを説明する思考力が身につく講義。「理解すべきこと」と「覚えるべきこと」を明確にし、複雑に見えるあらゆる問題もシンプルかつ普遍的な解法でわかりやすく丁寧に解説する。自ら考える力が身につき、化学のおもしろさが体感できる!
筆者も実際に大西先生の講義を受講していたが、紹介文のとおり、覚える過程で理解することを大切にした授業であるため、「理解すべきこと」と「覚えるべきこと」を明確に区別することで効率的に化学を勉強することができた。
筆者が実際に受講していた講座についてはまた後ほど詳しく説明する。
大西先生の授業
分かりやすさのひみつは「ていねいさ」
大西先生の授業は非常に分かりやすい。
その分かりやすさの最大の理由は「ていねいさ」にある。
先ほども少し述べたが、化学のさまざまな現象や反応に対して「なぜそうなるのか」ということを追求していく授業であるため、正確な知識だけでなく、それを理解・説明するための思考力を身につけることができるような講義となっている。
また化学の学習範囲は大きく分けて理論化学・無機化学・有機化学の3つであるが、学習量が他の科目に比べて膨大である。
大西先生の講義は「理解すべきこと」と「覚えるべきこと」を明確に区別してくれるため、膨大な内容を勉強しなければならない化学も効率的に学習し、身につけることが可能なのである。
大西先生の主な担当講座
高等学校対応 化学
この講座は数学などと同様、化学を履修し始める高校生、もしくは化学につまずきを感じている高校生を対象とした講座で、化学を理解するために必要な基礎力を養成することを目標とした講座である。
- 結晶の構造、物質の三態 90分×5回+講座修了判定テスト1回
- 気体、溶液 90分×5回+講座修了判定テスト1回
- 熱化学、電池・電気分解 90分×5回+講座修了判定テスト1回
- 無機化学① 90分×5回+講座修了判定テスト1回
- 無機化学② 90分×5回+講座修了判定テスト1回
学習内容は大きく分けて上記の5つである。
この講座では、化学の各項目を基礎から理解させ、初めて化学を学ぶ生徒でも、すでに学び終わったが理解できていない生徒でも、確実にわかるようにていねいに解説される。
筆者は次に紹介する「スタンダード化学」という講座を受講しており、この高校対応化学よりもレベルは上なのだが、ていねいで詳しい解説であったため、この講座はほんとうにていねいで、より詳しい解説が聞けるのではないかと思われる。
修了判定テストとは、東進では単元や講座の区切りごとにそれらのまとめとして講座修了判定テストというテストを受けなければならない。
高校対応化学では5コマごとに修了判定テストを受けなければならないため、自分の苦手な分野や克服すべき単元がわかりやすく、また復習しやすいのが特徴である。
スタンダード化学 理論化学/理論・無機化学/有機化学
この講座は上位国公立大や有名私大を目指している高校生を対象とした講座であり、上位国公立レベルの入試問題に対応し、化学の実戦力の養成を目指した講座である。
○物質の構造 ○固体 ○熱化学 ○気体 ○溶液 ○反応速度 ○化学平衡(電離定数と溶解度積は理論・無機化学で扱う)
理論・無機化学
○酸・塩基 ○酸化還元 ○電気化学 ○無機化学
有機化学
○有機化学(天然有機化合物、合成高分子化合物を含む)
上記がこの講座での学習項目となっており、分野まんべんなく学習するのは先ほど紹介した「高等学校対応化学」と変わらないがレベルがより上の講座と考えてもらってよい。
講義の様子としては何度も言っているが、かなりていねいな解説でわかりやすいという言葉に尽きる。
また、図やグラフがテキストに多く掲載されているため、ていねいな解説に加えて視覚的にも理解しやすい講義となっている。
例えばエネルギー図の描き方や酸化還元反応の仕組み、電池などの電気化学などの高校生がつまづきやすい理論化学や有機化学などの解説は丁寧かつ簡潔でわかりやすい。
さらに、高校の範囲を超えた内容も時々扱うことがある。
これは高校の範囲を超えた内容を理解したほうが現象や反応を理解しやすい、あるいは知っておいた方が便利だと思われる内容が化学にはあるためである。
受講の流れとしては、まず最初に単元の重要事項や基本事項についての解説があり、ひと通り終わったところで基本事項の確認として例題を解答、解説される。
そのあとに応用力をつけるために演習問題を解いてみる、というのが1コマの受講の流れである。
なかなかボリューミーな内容となっているが、受けていて苦になることがないのが不思議である。
さまざまな予備校で人気があるのが納得できる講義となっているため、化学を得意科目にしたい!と思っているひとには是非受講してほしい。
まとめ
以上、東進の化学講師・大西先生について経歴から授業の様子、担当講座について説明してきた。
再三述べてきたが、大西先生の講義はほんとうに「ていねいさ」を大切にした授業である。
理系のひとに関しては化学現象や化学反応の仕組みをほんとうに理解することによって、高校の化学だけにとどまらず、大学に行っても役に立つ化学の学力を身につけることができるのである。
ぜひ自分のレベルに合った講座を選択して、化学を苦手科目から得意科目にしてもらいたい。