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東大生直伝!共通テスト現代文で9割突破の解き方3ステップ

 高校生や受験生のみんながほとんど大学受験で受験する試験それが共通テストだ。

しかし、その共通テストの中でほとんどの人が苦手だと苦労している科目がある

それが現代文だ。

現代文が苦手な人はどのように対策して良いか分からず、自分にはセンスが無いと諦めかけている人さえいる。

いつも模試の結果を見ると足を引っ張っているのは国語の現代文…

そんな人が非常に多い。

しかし、現代文は正しい方法でしっかりと対策していけば、必ず点数が伸びてくる

共通テスト現代文も数学と同じようにトレーニングによって誰でも成績が伸びてくるのだ。

ここでは、その共通テスト現代文の正しい解法3ステップとその注意事項を徹底解説する。

この記事に書いてあることをすぐに実践することによって、自分にはセンスが無いと諦めかけていた現代文の点数が爆上がりして、共通テスト現代文9割を突破できるようになるのだ

目次

共通テスト現代文攻略のための参考書と問題集

共通テスト現代文の解法や対策を知る前に一体どのような問題を通して解法を習得していけば良いのかについて説明する。

残念なことに、現代文全般的に見て、理想的な参考書や問題集は皆無だ

これは、あの有名な東進衛星予備校の現代文講師林修先生も主張していることなので間違いない。

特にセンター現代文では、過去問以外はやらないほうがいい。問題集はおすすめできません。
【出典】:「今でしょ!」林修がマジメに教えるセンター試験1カ月前の対策

これは、センター試験1ヶ月前の直前期にどのような勉強をすれば良いのかということを林修先生が週刊朝日の記事で述べていたことの引用だ。

これは、センター試験が共通テストに変わる以前の記事からの引用なので、センター現代文となっているが、共通テストとさほど変わらないと考えてもらって良い。

センター試験の現代文の対策でもやはり過去問が一番効果的なのだ。

2007年から12年までの本試験は本当によくできているので、もしもやり残しているなら、それをしっかりやるといい。もう終わったという人は、00年から06年の本試や追試をやるといいが、最後の仕上げは07年から12年の本試のどれかでやりたいですね。
【出典】:「今でしょ!」林修がマジメに教えるセンター試験1カ月前の対策

このように、林修先生は述べている。

これは、共通テストにもいえることである。

現代文が苦手で困っている受験生の中で、過去問以外の参考書や問題集を使っている人は今すぐやめよう

それらをやるよりも過去問を使い、のちに記述する正しい解法でトレーニングしていけば必ず成績は上がってくるので林修先生も言及しているように、過去問をとくことに専念しよう

共通テストでもセンター現代文の過去問は使える!

先ほど、過去問を使って対策していくのが一番の近道であるということを述べた。

しかし、ここで勘の良い人は不安になったと思う。

なぜならば、共通テストは2021年度入試から実施されたばかりで、2年度分しか過去問がない

試行調査(共通テスト実施前に大学入試センターが公開した問題)や追試験などを含めても10回分もないだろう

このように思い、不安になった人は焦らずに安心してほしい。

実は、センター現代文での対策も大いに役に立つ

どのくらい有効かというと、他の予備校の共通テスト予想問題集を解くよりもセンター現代文の過去問を解いた方がよい

共通テストとセンター試験の現代文は本質的にはさほど違いはないのである。

共通テストでは、本文だけでなく、出題者が用意した別の資料の文章や2つの文章を比較して答える問題が新たに増えた。

これは解答の根拠を拾う箇所が少し増えただけで、基本的に文章中の根拠をもとに回答するというセオリーは一切変わらない

その意味においても、センター現代文を使った対策は大いに役に立つ。

共通テストの過去問はそれほど数がないことを考えると直前期にとっておいて、基本的な解法を身につける段階では、むしろセンター現代文の過去問を積極的に使っていくと良いだろう。

共通テスト現代文の問題の仕組み

共通テスト現代文では、他の参考書や問題集を解くよりも、過去問を真面目に解いって行ったほうが効果的であるということが上記を読んでわかっただろう。

さらに、センター試験の過去問を使うこともかなり有効なので、問題もかなりの数用意されているということがいえる。

次に、この章では、共通テスト現代文の問題がどのような仕組みに基づいて出題されているのか、出題者の意図を考えながら解説していく。

現代文の正しいテクニックを身につけるにはその問題についてしっかり理解しておかなければならない。

この章はしっかり読んでおこう

現代文の問題の根本原理

現代文の問題はどうして出題されるのだろうか?

現代文の問題を語る上で3つの要素を考えなくてはならない。

それは、

  • 文章を書いた筆者
  • 問題を作成する出題者
  • 問題を解く解答者

の3人だ。

筆者は伝えたいメッセージがあって文章を書く。

そのメッセージが正しく解答者は読み取れているのかを確認するために、問題作成者は問題を作るのである。

よって、現代文の問題を解くときは、問題作成者は筆者のどのメッセージを読み取って欲しいのかを常に考えなければならないのだ。

共通テスト現代文の傍線部問題の意義

共通テスト現代文の問題はほとんどが、文章のある箇所に傍線が引いてあり、

傍線部とあるがそれはどういうことか、その説明として最も適当なものを次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

などという問題形式になっている。

では、どうしてこのような問題の出題の仕方をするのだろうか?

それは、その傍線部について問題を出題することによって、出題されている傍線部付近のある範囲までをしっかりと理解できているかわかるからだ

つまり、傍線部の問題は出題されている文章のある一定の範囲をそれぞれ担当しているのだ

そして、それぞれの問題が担当している箇所がかぶるということは滅多に起こらないのだ

このことは非常に重要なので、しっかり理解しておこう。

共通テスト現代文の解答の根拠

「現代文が得意な人はセンスや才能で解いている!」と現代文が苦手な人は勘違いをしているが、全くそうではない。

現代文にも数学の計算過程と同じように、解答を導くためのプロセスが存在していて解答が得られる根拠もしっかりと存在する。

そして、その根拠を探すことが解答を導く重要なプロセスである。

先ほど、共通テスト現代文の問題一つ一つがは文章のある一定の範囲を担当していると述べた。

よって、その問題の解答の根拠となる部分はその範囲にあるわけだ

 

 

以上が共通テスト現代文の重要な問題の仕組みである。

この仕組みをしっかりと理解していないと正しい解き方が身につかないのでしっかりと理解しておこう。

共通テスト現代文を正確に解くための3つのステップ

では、いよいよ、共通テスト現代文をどのように解いていけば良いのか3つのステップに分けて説明していく。

この章を読んで現代文の苦手を克服してしまおう。

まずは、傍線部の分解

傍線部問題は通常2〜3個程度の根拠によって解答可能である。

だいたい2個の時が多い。

そして、傍線部はその根拠の数だけ(稀にそれ以上のときもある)分解することができる。

例えば、2010年度の第一問の二問目を見ていただきたい。

傍線部A「経済学という学問は、まさにこのヴェニスの商人を抹殺するところから出発した」とあるが、それはどういうことか。その説明として最も適当なものを次の①〜⑤のうちから一つ選べ。
【出典】:2010年度センター試験国語第一問より

この場合であれば、傍線部Aは、

  1. 経済学という学問
  2. まさにこのヴェニスの商人を抹殺するところから出発した

の2つに分解することができる。

どういうことかと聞かれているので、この2つとイコールになるものを本文中から見つけてこれば良い

そして、その2つのものがこの問題の解答の根拠となるのだ。

よって、問題のそれぞれの根拠をどのようにして文章中から拾ってくるか見極めるためには、この傍線部の分解という作業は非常に重要なのだ

こんなことしなくても正解できるよ、という現代文が得意な人はやる必要がないが、現代文が苦手という人は必ずやろう

根拠拾い

傍線部を分解したあとは、いよいよ問題の根拠を拾う必要がある。

そのためには、まず問題はどこからどこまでの範囲の理解を聞いているのか見極める必要がある。

先ほどあげた問題を例にとって説明しよう。

この問題の場合文章中に

しかしながら実は、〜ここでいささか回り道をして、まずは「ヴェニスの商人」について語らなければならない。

と書いてあるので、その前までは、ヴェニスの商人についても経済学についても述べられていないので解答の根拠はそれ以降にあるとわかる。

そして、傍線部Bがある段落の冒頭に

だが、産業革命から二百五十年を経た今日、〜

とあるので、解答の根拠があるのはここまでだ。

そして、傍線部Aがある段落を読んでいくと、ヴェニスの商人とは「利潤は差異によって生まれる」という考え方の体現者であるということがわかる。

これがヴェニスの商人イコールになる内容だ。

その後の段落に「スミスは、真の富の創造者を労働者に見出した。」とある。

これがまさに経済学イコールになる内容で、合わせて、傍線部Aは、

経済学は、差異によって利潤を生み出すという考え方を排除して、富の真の創出者を労働者に見出した。

ということになる。

選択肢チェック

これで解答の根拠は出揃ったので、あとは頭の中で解答の根拠をつなぎ合わせて、 その解答と最も近く全ての要素が揃っている解答を選択肢の中から選ぶだけだ。

例えば、上で紹介した問題の場合選択肢は以下のようになっている。

  1. 経済学という学問は、差異を用いて莫大な利潤を得る仕組みを暴き、そうした利潤追求の不当性を斜弾することから始まったということ。
  2. 経済学という学問は、経済学という学問は、差異を用いて利潤を生み出す産業資本主義の方法を排除し、重商主義に挑戦することから始まったということ。
  3. 経済学という学問は、差異が利潤をもたらすという認識を退け、人間の労働を富の創出の中心に位置付けることから始まったということ。
  4. 経済学という学問は、労働する個人が富を得ることを否定し、国家の富を増大させる行為を推進することから始まったということ。
  5. 経済学という学問は、地域間の価格差を利用して利潤を得る行為を批判し、労働者の人福を擁護することから始まったということ。

まず、傍線部を分解した時の前半の部分「経済学の学問」の説明は「スミスは、真の富の創造者を労働者に見出した。」で、その説明がうまくなされている選択肢は③と⑤(少し微妙ではあるが)だ。

また、「ヴェニスの商人」についてうまく言い換えられているのは(抹殺という内容が暴くと同義かどうかは怪しいが)、②、③である。

よって、正解は両方がうまく言い換えられているであるのだ。

共通テスト現代文の問題を解く上での注意

前の章で共通テスト現代文の詳しい解き方について例を交えながら説明した。

しかし、何点か注意しなければいけないことが存在する。

ここでは、共通テスト現代文を解く上での注意事項を3つ紹介する。

上の解き方と合わせて覚えてより正確に問題が解けるプロセスを身につけていこう

文章、問題文、どっちを先に読むべきなの?

みなさんの中には文章か問題文どっちを先に読むべきなのかという疑問を抱いている人は多いのではないだろうか?

ここは、多くの受験生の悩みどころである。

結論から言うと、基本的にどちらでも大丈夫だ

様々な過去問を解いて自分でチャレンジすることでどちらが自分に合っているか確かめながら自分のやりやすい方、より高得点を狙いやすい方を選んでほしい

理由は簡単だ。

先ほど共通テスト現代文の問題は一つ一つがある一定の範囲の理解を問う問題となっており、その範囲は被っていることはない。

よって前から順番に読んでも、根拠を拾う範囲が散らばっていて先に問題文を読んでおいた方が得をすると言う構成ではないからだ

基本的に前の章で説明した解き方を守っていれば、あとは自由に自分に合うものを研究して選んでいこう

選択肢は自分の中で十分根拠を拾ってからみる。

先ほど説明した解法のステップをもう一度確認してみよう。

  1. 傍線部の分解
  2. 根拠拾い
  3. 選択肢チェック

この順番でいくと選択肢チェックは根拠拾いを十分に行ってからのステップだと言うことがわかる。

これは重要なポイントで共通テスト現代文ができな人は基本的に根拠拾いを十分行っていないのに選択肢チェックに移ってしまっている

これをしてしまうと、選択肢の中でどれが一番良いかと言う選択肢同士の比較や選択肢の中の間違い探しをしてしまう。

間違い探しは、内容はあっているが解答としては根拠が不十分と言うものを排除できない。

選択肢同士の比較はしっかりと問題の根拠を拾っていないのにやってしまうと、時間がかかる上、問題をしっかり理解しきってないので間違いやすい。

しっかりと根拠を拾ってその要素が全て選択肢に含まれているものを選んだ方が解答が早く、より間違いにくくなる

しっかりと根拠を十分拾ってから選択肢チェックをかけるように注意しよう。

小説も論説文と基本的に解き方は同じ

共通テストの現代文が苦手な高校生、受験生の中には、評論文は大丈夫だが小説文になると苦手だと言う人も多く存在する。

ここで覚えておいてほしいのは、小説文も先ほど説明した3ステップの解き方で解くことができ、評論文と解き方は全く同じなのだ

問題の対象になるものが小説文が故に、筆者の主張ではなく登場人物の心情に当てられることが多いだけである。

また、以前紹介した林修先生の同様の記事で先生も以下のように述べている。

小説が苦手だという人が多いですが、基本的には評論同様に、明示された根拠を押さえて解くことが大切です。苦手だという人は、勝手な思い込み、感情移入をして、客観的に解けていないのではありませんか?
【出典】:「今でしょ!」林修がマジメに教える共通テスト1カ月前の対策

このように、勝手に感情移入して思い込みで解くことのないよう、小説文でもしっかりと3つのステップを守ろう

漢字や語彙はしっかりと対策を

最後に、漢字や語彙はしっかりと対策しておいてほしいということを強く主張したい。

特に漢字は第一問の冒頭に出題され、配点が10点も占めている。

単純にしっかりと対策をしたかしないかでこの10点が確保できるかどうかが決まるので、これを丸々落としてしまうのは非常に勿体無い

さらに、語彙の対策も忘れたくない。

近年、高校生を教えていると、そもそも日本語の語彙数が少ない人が目立つ。

英語を教える際に、まずは英単語をやるようにと口すっぱく述べているが、現代文も基本的に英語と同じ言語なので、語彙がわからないと、先ほど述べたような対策で解答の根拠を拾うことは困難になってくる

基本的に日本語の場合漢字を勉強することで自然とある程度語彙が身につくが、それでも不十分だと思う人は、なんでも良いので現代文の語彙集を一冊買ってまとめて暗記してしまうのが良い。

さらに、取り組んだ文章の中で意味のわからない語彙や怪しい語彙については、しっかりと調べてその都度暗記することも大切だ。

まとめ

以上が、共通テスト現代文の問題を確実に解くことができる解き方の3つのステップだ。

共通テストの現代文は苦手としている人が多い。

しかし、そのような人たちはしっかりと以下の3つのステップ

  1. 傍線部の分解
  2. 根拠拾い
  3. 選択肢チェック

を守れば必ず高得点を記録することができる

このステップを是非実践して、しっかりと訓練して、共通テスト現代文の苦手を克服し、高得点を叩き出そう

また、古典も受験するみんなに関してだが、古典をしっかりと勉強することによって現代文の得点を大幅にあげることも可能である。

なぜなら古典は勉強するほどかなりスピーティーに解くことのできる科目で現代文はより時間をかければ高得点が狙える科目だから。

古典をしっかり勉強しておくことも強くオススメする

共通テスト古典に関する記事は以下を合わせて読んでおいて欲しい。

共通テスト古文で満点がとれる「マドンナ」4冊のメリットと活用法

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