東大英語には、多種多様な問題形式が存在し、あまり、英語の問題として見たことのないようなものも少なくない。
その一つが第四問Aだ。
第四問Aでは、下線部の不適語除去と、下線部の語句の並び替えのどちらかの問題形式で、毎年3~5問出題される。
前者は、あまり見かけないもので、後者はよく見かけるが、東大の問題は見た目によらず難しく、どれもなにをすればいいかわからず、最後までネックになるだろう。
しかし、これらを含む第四問Aはその本質をつかみ、ちゃんと訓練すれば、得点は十分可能である。
ここでは、そんな第四問Aの本質の解説と、その訓練の仕方を解説する。
これを読めば第四問Aを得意分野にできるだろう。
事前準備
東大英語の入試問題は他大と違って英語の様々な能力を要求してくる。
従って、過去問を解くにあたって、たくさんの能力を身に付けることが必要となってくる。
よって、過去問に特化した対策をする前に以下の四つの基礎力
- 文法的知識
- 単語力
- 英文の論理的読解力
- 英語の独特な表現への対応力
を身に着けておく必要がある。
第四問A対策に当たっては、最低限1~2までの基礎力がついていることが必要だ。
まずは、第四問Aに特化した対策をする前にこの基礎力を身に着けておこう。
1, 2が身に付いていない受験生
東大英語の対策を始めるにはまだ早すぎる。
まずは、大学入試で一般的に必要とされている1,2を早急に身に着けよう。↓
英語の単語を本当の意味で覚える、最強の覚え方の3つのステップ
3、4が身に付いていない人
第四問Aの対策をするうえであまり必要ではないが、身に付いていた方がよい。
身に着けずにこの記事を読み続け、対策にうつってもかまわないが、東大英語全般的には絶対ひつようになってくる。
下記の記事に書いてあるので、あとでよんでおいてほしい。↓
東大英語に必須の基礎力の一つ論理的読解力とは?
不適語除去
事前準備が完璧であるなら、次に不適語除去問題の具体的な解説とともにその対策法を詳しく解説する。
出題者はどんなところをついてくるのか?
どうして、不適語除去を東大はさせるのだろうか?
それは、曖昧な理解で終わってしまいがちな、文法事項などの局所的な英語の構造が、本当に理解できているか確認するためだ。
問題作成者は、英語の熟練者たちのあつまりである。
英語の局所的な構造でどこがあいまいになりがちなのか、よく熟知している。
しかし、それらは無限にあるというわけではない。
よって、問題を分析すれば、問題作成者がついてきやすいところがみえてくるのだ。
それを先にこちらで把握し、それらを探していくように解いていけば十分得点は、可能である。
見るべき7つのポイント
ここで、僕が東大の過去問を分析して、不適語除去で疲れやすい7つのポイントを発見した。
もちろん、すべての問題がこれに当たるわけではないが、ほとんどはまっているので、まずはこの7つのポイントからさがしていこう。
1.関係詞
関係詞は、皆がわかっているつもりでも、以外にわかっていない文法分野だ。
関係詞が問題文中にでてきたら、まずはその周辺からさがしてみよう。
Discovery is not the sort of process about finding which the question “Who discovered it?” is appropriately asked.
2. ニセの「決まり文句」
“in fact” “by and large” “let alone” などよく知っている熟語的な「決まり文句」がよくある。
このような「決まり文句」を見るとわかった気になりがちだが、逆にそれが文章中にはいっていると不自然という場合がある。
Science does and must continually try to bring theory and in fact into closer agreement, and that activity can be seen as testing or as a search for confirmation or disconfirmation.
3. 文脈に合わない語句
文章で出題され、問題文中に「文法上あるいは文脈上」と書いてあるときに、文脈上に合わない語句を除く問題。特に、notをまぜて否定文にして、文章の主張と真逆の文書にすることが多い。
This idea that philosophy consists not only of its history is a strange one, but it has been defended with apparently striking arguments.
4. and/orの並列
並列構造は文法構造的に等価なものを結ぶが、不適語が入っていて等価でなくなっている場合がある。
また、むりやりand/orを入れて勝手に並列構造を作っている場合もある。
Discovery makes it possible for scientists to account for a wider arrange of natural phenomena of to account with greater precision for some of those were previously unknown.
5. 前置詞
これは、幅広い分野をカバーしている。
ゆえに皆が前置詞を曖昧な理解のままで終わらせてしまっていることが多い。
東大はそこをついてくる。実際わかっていても見つけにくい。
Sometimes I catch myself envying intensely at those monolinguals who were born, grew up, have lived all their adult life in one language.
6. 比較
比較も意外にわかっていると思っていても実はわかっていないことが多い分野である。
比較も問題文中に出てきたら、チェックすべきポイントだ。
There was a time in my life when I was trying to explain that I was not really multilingual, but rather than monolingual in three languages.
7. 動詞
自動詞、他動詞、分詞、自制など様々な分野があるゆえに、非常に複雑で曖昧な理解で終わってしがちなのが動詞という分野だ。
一番みつけにくいかもしれないが、よく聞かれる。
However hard it may have had been to justify the prime minister’s support for those groups, she proved herself to be a person of principle by continuing to hold this position despite considerable opposition during the next decade.
これらのポイントを押さえて、過去問を見てみてほしい。
だいぶ解きやすくなるはずである。
あとは、過去問などで、訓練を繰り返して、実感をつかみつつ、例外を一つ一つつぶしていくだけだ。
(Ans: 1.finding 2.in 3.not 4.were 5.at 6.than 7.had)
下線部中の単語並び替え
次に下線部の単語の並べ替え問題について解説する。
これについては、不適語除去問題のように、体系的に説明できないのだが、見ているところは、おなじである。
つまり、文法事項などを含めた、英語の局所的な構造をいかにちゃんと理解しているかということだ。
和訳などがなく、並び替えさせられるところもやはり構造的に複雑なところなので、普通の並べ替えとは比べ物にならないほど難しい。
しかし、ここで、毎回文書の中で出ているということに注目してほしい。
つまり、東大は文章の文脈を考えたうえで解答してほしいのだ。
よって、まずは文章を読み、並べ替える前にどのような内容のものが下線部に入るのか、ということを先に考えてから並べ替えをするべきである。
このやり方で、難しかった並べ替えが一気にらくになっていく。
しかし、それでもなおこれは難しい。
過去問などを通して十分訓練しておく必要がある。
まとめ
以上が第四問Aに相当する、不適語除去、下線部の並び替え問題の解説と対策法である。
この二つは確かに難しく、過去問演習などの訓練が必要なのは否定できない。
しかし、ここに書いてあるようないくつかのポイントを意識するだけで、問題の解きやすさがかなり違ってくる。
是非ここに書いてあるポイントを意識しながら解いていき、この分野を得意分野としてしまおう。