センター英語の第一問は発音アクセント問題だ。
長文問題などの対策を主にしていると、なかなか手が回らず苦手意識を持っている人も多い。
しかし、発音・アクセント問題には法則があり、それを攻略するのは簡単だ。
文法問題のようにやればやるだけ得点があがる上に、難関大を目指すのであれば周囲と差が開かないようにここでの得点は死守しておきたい。
さらに、正しい発音やアクセントを理解することで、英語を聞き取る力があがりリスニングの得点アップや英会話にもプラスになる。
この記事を読んで、発音問題の対策で押さえておくべき3つの学習ポイントをマスターしよう。
センターで問われる発音問題とは
まず、センター英語の筆記問題で、発音アクセント問題がどのように出題されるかを分析する。
発音アクセントが問われるのは第1問だ。
平成28年度本試験では発音問題(第1問A)が3問、アクセント問題(第1問B)が4問出題され、計7問で14点の配点だった。
大問の中ではもっとも配点が低く、200点満点であることを考えると割合が小さく、一見軽くみてしまいたくなる。
しかし、難関大を目指すのであれば、満点を目標にし、少なくとも9割を死守しなければならない。
序盤の発音・アクセント問題でもできる限りミスなく点数をかきあつめる戦略をたてるべきだ。
発音問題の過去問分析
実際に過去問としては以下のような問題が出題されている。
ここでは平成28年度本試験から引用する。
第1問
A 次の問い(問1~3)において、下線部の発音がほかの三つと異なるものを、それぞれ下の①~④のうちから一つずつ選べ。
問1
① illegal ② logical ③ tigar ④ vague
(引用者注:それぞれ”g”に下線)
上記の問題が、「発音問題」だ。
この出題形式が定番で、4つのなかで少なくとも3つの単語の発音が正確に分からないと答えにたどり着けないようになっている。
しかも、同じ文字(上記の問題であれば”g”)の発音の違いを指摘させる問題で、単語の見た目からだけではなかなか判断できない。
しかし、出題される単語のほとんどは頻出単語であり、センター対策と銘打った単語帳であれば必ず掲載されているような単語ばかりだ。
詳しい学習ポイントは後述するが、この問題では言うまでもなく、頻出単語の発音をいかに正確に暗記しているかが問われるのだ。
アクセント問題の過去問分析
次に「アクセント問題」の過去問を確認する。
発音問題と同じく、平成28年度本試験から引用する。
第1問
B 次の問い(問1~4)において、第一アクセント(第一強勢)の位置がほかの三つと異なるものを、それぞれ下の①~④のうちから一つずつ選べ。
問1
① civil ② purchase ③ unite ④ valid
上記の問題が、「アクセント問題」だ。
この問題も、「4つの選択肢のなかから1つだけ第一アクセントの位置が異なるものを指摘させる」という出題形式が定番である。
第一アクセントは特に法則によってある程度決まっているので、たとえ知らない単語が出題されたとしても落ち着いて問題文を読むことが大切だ。
発音問題3つの学習ポイント
解くべき問題を分析したところで、次は、いかにその問題を攻略するかを説明する。
発音・アクセント問題で満点を取るためには、以下の3つの学習ポイントを踏まえるべきだ。
発音アクセントのルールを知る
英単語の発音やアクセントには、実は様々なルールがある。
発音・アクセント問題を攻略するにあたってまずしなければならないことは、どんなルールが存在するのか、どんなルールが特にセンター試験で問われるのかを把握することだ。
例えば、アクセントの法則には以下の二つがある。
① ”-tion・-sion・-cion・-gion” で終わる単語 → “1つ前の母音”にアクセントinformation → ”-tion”の一つ前の”a”にアクセント
conclusion → ”-sion”の一つ前の”u”にアクセント
【例外】
television → 最初の”e”にアクセント
② “-ic・-ics・-ical” で終わる単語 → ”1つ前の母音”にアクセント
economics → ”-ics”の一つ前の”o”にアクセント
technical → “-ical”の一つ前の”e”にアクセント
【例外】
politics → 最初の”o”にアクセント
arithmetic → 最初の”i”にアクセント
など
法則には少々例外があるが、何個か覚えるだけで数多くの単語をカバーすることができる。
しかも、センター試験で問われる法則はメジャーなものが多く、ひっかけも定番の単語だ。
このような発音やアクセントの法則を網羅している参考書としておすすめなのが「Next Stage」(ネクステージ、通称ネクステ)だ。
この参考書は「アクセント・発音」が独立した章で扱われており、発音、アクセントの法則や、それらの問題が豊富に収録されている。
また、受験まで時間にゆとりがある(あと1年以上ある)場合は、発音記号を習得するのも一つの手だ。
発音記号を習得することによって、発音の比較を文字に書き出して行うことができるのは大きなメリットだ。
発音記号は単語帳や教科書に書いてあるのを参考にするとよいだろう。
ルールを身体に染み込ませる
発音・アクセントのルールを知ることができたら、次はそれを自分の身体に染み込ませることが大事だ。
ここではCDなどでネイティブの発音を参考にしながら、音読をし、自分の口を使って勉強することが大切だ。
上にあげたネクステのような問題集や単語帳を使うことで、スペルと発音を結びつけて覚えるようにしよう。
長文問題やリスニングでも発音を意識する
発音・アクセントの勉強は、英語のどんな分野の問題を解いているときでもチェックすることができる。
単語を習得するときは、その覚える単語の正確な発音やアクセントを意識することはもちろん、長文を読むときにも積極的に音読をして、確認することで定着率があがる。
さらに、リスニング問題においても、正確な発音を意識することは必須だ。
自分で発音することができない単語を聞き取ることはできない。
リスニングで聞き取れなかった単語を復習する際に、正確な発音・アクセントを調べることは、センター第1問の得点アップにも、リスニング力の向上にもつながり、一石二鳥なのだ。
まとめ
以上、この記事ではセンター英語の第1問である発音・アクセント問題で満点をとるための3つの学習ポイントを紹介した。
発音・アクセントには法則があり、そのルールを体に染み込ませることで既知の単語はもちろん、未知の単語が出題された場合でも対応できるようになる。
さらに、センターの英語において、この発音・アクセント問題はたった14点に過ぎないが、この問題の対策することで、英語を聞き取る力や伝わる英語を話す力をあげることもできる。
この発音・アクセント問題を抜かりなく勉強することで、センター英語9割以上、さらには英語力の総合的向上を目指そう。