早慶の入試、と聞くとどんな印象を受けるだろうか?
日本の私立大学のトップである早稲田大学と慶應義塾大学は、学部自治といわれるほど入試問題は学部ごとにクセがあるのだ。
早慶が第一志望の受験生も、早慶をチャレンジ校として受けてみようという受験生も、国公立と併願で早慶も受けておこうという浪人生も、早慶の入試対策にはかなり時間を割かねば合格圏に入ることは難しいはずだ。
しかし、文系でも理系でも、また、慶応義塾大学の文学部自己推薦入試などどという少々特殊な入試形態のものでも、基本的に入試において英語力は要求される。
そして、それは英語力においては、どの学部においても通用するのだ。
では、早慶に合格するためにはどのようにして英語を勉強していけばいいのだろうか。
今回は早慶どの学部の入試にも通用するような英語力を身につけるための勉強法を時系列順に伝授していきたい。
これを読めば、早慶のどの学部を志望している君たちも、早慶入試の英語において有利になることができる。
是非この記事を読んでこの勉強法を実践しよう。
英語力の基礎固め
早慶に合格するためには基礎的な英語力が必要である。
もちろん早慶の英語の入試問題にはそれぞれクセがあり、それらを踏まえた上での入試テクニックは存在する。
しかし、テクニックだけを身につけても、英語の土台がしっかり築かれていないと意味がないのだ。
この章では早慶レベルの問題演習を始める前に、受験をする上で必須な、英語の基礎力を身につけるための勉強方法をお伝えしたい。
センターレベルまでの勉強法
私立大学が第一志望でセンターを受験しないという生徒もいるだろうが、センター試験の得点は英語力を図る上で一つの目安となる。
センター試験において、基本的に上級の英語知識は要求されない。
したがって、「センター試験で満点を目指すことができる」「間違えてしまった問題も解答と解説を見れば容易に理解できる」という状態になっていなければ入試英語の基礎は完成したと言えないだろう。
さて、センター英語を攻略するために一番重要なのはズバリ英単語である。
センター英単語を暗記しきっていれば、ある程度問題文が理解できるようになり、7割を下回ることがなくなる。
ではセンター試験のためにどれほどの単語を暗記せねばならないかというと、1500〜1800語だと言われている。
多いと感じた読者もいることだろうが、1日たった10単語ずつ覚えていけば、半年もかからずセンターで必要な英単語を網羅できるということなのだ。
高校一年生の夏までにセンター英単語を完璧にすれば、秋にはセンター模試で7、8割を獲得できるようになる。
英単語の暗記法については以下の記事を参考にしてほしい。
英単語を暗記したあとは、英文法を理解して覚えることが必要になる。
これも上級の英文法を覚える必要はなく、学校でならう必要最低限のものだけでよい。
英文法の学習は反復により習得していくものなので、テキストを何周も何周も解くことで文法事項を頭にいれていこう。
英文法についてはこちらの記事も参照してほしい。
英単語と英文法が一通り頭に入れば、読解はみるみるうちにできるようになっていく。
もはや君はセンターレベルの問題ならば解けない問題はないはずだ。
センターレベルまで英語力を高めることができたら、センター以上入試問題未満のやや複雑な読解に挑戦して英語力を伸ばそう。
センターレベルを固めてからの勉強法
センター試験レベルの問題ならば一通り解けるようになってからは、入試を意識してやや難しい読解問題を解き始めるようにしよう。
やや難しい、とはどういうことかというと、文章自体が長い、一文が長い分が多い、関係代名詞などを用いた複雑な文が多いといった問題である。
じつは単語や英文法のさらに高次な知識はそこまで求められないのである。
つまり、センターレベルの英単語や英文法の知識を用いて、難解な読解問題を解く練習をしていくということだ。
使われている単語や文法はすべて知っているのに、なぜかどういうことが書かれているのか理解できない一文に遭遇したことはよくあることだ。
単語や文法レベルでは大して難しくないのに文が難しくなっているのは、基本的に文構造の複雑さに起因する。
文構造を複雑にしている要因としては、おもに関係詞の多用と倒置があげられる。
ここで必要になってくるのは、英文法の基礎の基礎である、SVOCの知識である。
文の主語がいったい何で、どこからどこまでが関係詞にかかっているのかをペンなどを用いて可視化しよう。
そういった地道な作業によって文構造が次第に分かってくるはずだ。
文構造を瞬時に理解できるようになれば、何が書かれているのかが手に取るようにわかり、解答率と解答速度がみるみる上がるのだ。
センター試験の読解問題よりも少し難しい文章が理解できるようになってきたら、いよいよ早慶レベルに実力を引き上げる段階に移そう。
早慶専用の対策
国公立と早慶を併願したら、早慶よりも偏差値の高い国公立に合格したのに早慶には合格しなかったという人が多数存在する。
英語力という面では問題がなかったのに、彼らはどうして不合格だったのか?
それは、国公立対策に時間を取られ、早慶の癖のある入試形態を攻略するために時間を割けなかったためである。
もちろん早慶の入試において非常に高い英語力が求められることはいうまでもないのだが、入試問題の傾向を把握してそれ用の対策をすることが必要なのだ。
では、早慶専用の入試対策はどのようにしていけばいいのだろうか?
まずは入試問題に取り組む前に、早慶レベルに通用するほどの英語力を身につける方法をここで伝授しよう。
問題集を用いた勉強法
早慶専用の英単語帳や英文法書は多く存在する。
まずは、学校や塾の先生に意見を聞きながらでもいいので、早慶対策用の英単語と英文法のテキストを一つ手に入れよう。
センターレベルの問題では出てきたことのないような難易度が高く複雑な単語や文法を身につけるのは骨の折れる作業かもしれないが、これらを完璧にすれば早慶の入試問題を解き始められる程度には力がついたと言えるだろう。
読解においては、難関大対策や超難関大専用のテキストを使用し、演習を繰り返そう。
最初の段階ではまだ「早慶」に照準を絞った問題ではなく、さまざまなタイプの難易度の高い問題を解きまくるのがポイントである。
そして、徐々に読解においても早慶対策専用の問題集に取り組み始めよう。
自分の志望する学部がどのような難易度で、どのような対策をしていけばいいのかの分析をここで行っていくのだ。
はじめに述べたように、早慶の入試問題は学部によって全く性格が異なる。
難易度の高い文法が出題される学部、段落ごとの理解が問われる学部、読解で超長文が出題される学部など、学部によって補強せねばならない力は違うため、問題の分析を繰り返していかねばならないのだ。
早慶模試の活用法
早慶の英語の出題形式が理解できたら、いよいよ模試を受験しよう。
年に数回、各予備校で早慶模試が開催される。
自分が実際に早慶を志望する生徒の中でどの程度の能力を持っているのかを推し量るために必ず受験しよう。
模試の結果が出るまでに数週間かかるため、ほかの模試と同様、自己採点がすぐにできるように問題へ自分の解答を書き込んでおこう。
「こんな問題、解けるか!」と言った難易度の非常に高い問題が出題されることも多いだろう。
しかし、そのような問題は全体の1、2割にも満たない。
早慶の入試に向けて対策を繰り返してきた自分が解けない問題など、誰も解けないと割り切るようにしよう。
模試というのは、時間をかけて考える問題の取捨選択をする訓練をする場でもあるのだ。
模試の結果が返ってきたら、自分の合格判定や志望者の中での順位などを確認しよう。
しかし、結果で一喜一憂はしなくてよい。
早慶を志望している生徒の中で自分の位置を把握することが目的なのであって、上位にいたら安心していいわけでも下位だったらあきらめるべきなのではない。
結果を客観的に見つめることで、今後の学習計画に役立てることができるのだ。
過去問の分析
過去問が模試とどう違うかというと、
1.正確に採点できないこと
2.実際に入試で出題された問題であること
以上の2点である。
早稲田と慶應義塾はどこの学部でも解答と採点基準の開示をしていない。
そのため、自分が入試で実際に何点取れるのかを計算することができないのだ。
ひとまず学校や塾の先生など、身の回りの「受験のプロ」を頼って採点をしてもらおう。
そして、だいたいの自分の得点率を割り出してもらい、合格最低点を上回りそうなのか下回りそうなのかを見よう。
また、模試とは違って過去問は実際に入試において出題されたものである。
つまり、年に数回予備校が実施する模試よりも時間をかけて作られた上質な問題なのだ。
過去問を何度もなんども解きなおし、活用していくことで早慶対策の仕上げとなる。
過去問の問題が理解できるようになれば、あとは入試を待つのみなのだ。
まとめ
いかがだっただろうか。
以上が早慶の入試において合格を確実に取れるレベルになるめの勉強法だ。
基礎の英語力をしっかり固めてそこから徐々に演習のレベルを上げていくことが重要なのである。
この勉強法を実践すれば、君の英語力はみるみる伸び、私立最難関の早慶の入試に十分通用する実力をつけられるだろう。
是非、早慶合格までの道のりを思い描いて、この勉強法をこつこつと始めてみよう。
(celly 東京大学理科二類在学)