「勉強」と一概にいっても、定期考査の対策のための勉強や、大学入試を意識した勉強など、さまざまである。
定期考査が各学期にとりおこなわれ、その対策に追われているうちに受験勉強を意識した学習にとりかかっている同級生が徐々に成績を伸ばし始めて焦ってしまった、などという経験をしたことのある者も多いのではないだろうか。
では、実際に高校生はいつから受験勉強にとりかかれば良いのか?
また、そもそも定期テストの対策や普段の学校の授業の予習復習や受験勉強は、全く違うカテゴリの学習として区別してしまって良いのだろうか?
この記事では、高校生がどの時期にどのような勉強をすれば良いのかについて徹底的にアドバイスをしていく。
高校生諸君が、この記事を今後の学習方法の指針を立てるための参考にしてほしい。
「勉強」の目標を明確にしよう
自分は一体なんのために勉強をしているのだろうか?
そう自分に問いかけてみたことはあるだろうか。
たしかに、勉強を頑張って成績が上がればとても嬉しく、ライバルよりもテストで良い点を取ることができればかなりの達成感があるはずだ。
しかし、それだけではない。
勉強をして自分の学力を上げること自体が目的になっている人は少ない。
もちろん学問や研究に興味があり、勉強をするという行為自体を楽しんでいる者も存在する。
勉強自体が目的となることはとても良いことではあるが、多くの高校生にとって、「勉強」というものは目的ではなくてなんらかの手段となっているのだ。
しかし、何を目的にすれば良いのかわからない高校生もいる。
今から、勉強をすることの目的としてどのようなゴールを設定すると良いのかを2ステップに分けて解説しよう。
大まかなビジョンを描く
自分は数年後あるいは数十年後、どうなっていたいのか?
それをよく考えてみると良い。
将来どんな仕事をしたくて、どんな家庭を築きたいのか。
そのためにはどのような学問を大学で行うと良いのか。
どのような活動を大学生活を通して行うと良いのか。
このようなことをじっくり時間をかけて問い直そう。
そうすれば自ずと自分の目標地点は決まるはずだ。
また、最終目標から逆算して、たった数ヶ月や数年後の目標をたてるのも非常に良いことだ。
そうすると、読者のみんなの頭の中には大きな一つの目標と、要所要所での小さな目標が点となって形成されていくのだ。
小刻みの目標を立てる
では、それらの頭の中の「点」をさらに小刻みな点でつなげていき、最終的に将来の目標へとつながる一本の線にする作業をしよう。
小刻みな点とは一体どういうことか。
それは、数週間や数日間スパンで非常に小さな目標を立てるということだ。
それらの目標をコツコツと達成していくことが、点と点をつなげて線にしていく作業にあたる。
英単語を来週の土曜日までに50個覚える、でも良い。
明日の朝までに教科書を5ページ読み進めるなんてものでも良い。
ただし目標を立てる上で注意して欲しいのが、考えなしに適当な目標を立ててはいけないということだ。
あくまでもより大きな目標を前提に立て、それを期限までに達成するためにはいつまでにどの能力をどの程度まで伸ばしておくことが必要かを逆算することが大切なのである。
そうすることで常に自分の最終目標を念頭に置いた上で、日々の小さな学習が全て将来の夢へとつながっていることを実感しながら学習を進めていくことができるのだ。
「勉強」を一つのものとして考えよう
学校の授業の予習、復習、定期考査対策、宿題、受験勉強など、様々な「勉強」が存在する。
定期試験対策と受験勉強どちらを優先すれば良いのかわからないという高校生が非常に多い。
しかし、それらの勉強はまったくの別物だと一概にいってはならないのである。
学校教育はそもそも一般的な素養と知識を身につけるためのものであり、塾は志望校に合格するなり学校で良い成績を収めるなり具体的な目的のもとに生徒への指導を行う。
では、大学受験とは一体どんなものなのかというと、その大学で学問を行うために求められる基本的な知識が身についているかの確認のための試験が行われるということである。
そうであるならば、基本的知識をまんべんなく身につける学校での授業も、塾での学習も、大学入試対策も、全て同じ目標のもとにあるのだと言えるのではないだろうか。
それならば、高校一年生の段階で、いや、義務教育を受け始めた段階で将来の目標達成のための学習は始まっているといえよう。
つまり、いま自分がやっている学習が将来へとつながっていると感じたその瞬間からその勉強は「将来の夢のための勉強」になるし、同じように、自分がやっている学習が大学への合格へとつながっていると感じたその瞬間から、その勉強は「受験勉強」になるのである。
目標を達成するためには、小さな努力を前倒しで行っていくほかない。
できる限り早く「受験生」になり、できる限り早く「受験勉強」を始めるべきなのだ。
そして、ただの惰性での勉強なのか受験のための勉強なのかどうかは、内容は同じでも、気持ち次第で変わってくるのだ。
塾と学校での勉強を区別しよう
塾と学校の勉強はかならずしも違ったカテゴリのものではないということを前章において解説をした。
しかし、塾と学校では学習環境はかなり異なる。
どのように両者を区別して効率的に勉強をしていけばいいのか?
実は、学習環境の違いを徹底的に利用すれば、両者の長所を最大限に生かした学習が行えるのだ。
塾では多くの場合、自分と距離感の近い大学生のアルバイトの先生がいることだろう。
自分と年齢が近く、自分の憧れの大学に通っているなんてこともあるため、非常に身近で尊敬できる存在だと言える。
そのため彼らとのコミュニケーションは高校生の学習へのやる気につながることが非常に多い。
学校にそのような先生は存在しないため、現役大学生である塾のチューターに生の声を聞くことができる塾での機会を重宝すべきである。
また、学校は塾よりも組織体制として指導環境が整っていると言える。
各教科数人ずつ先生がおり、また、進路指導や生活指導などの先生もいる。
つまり、学習に関して専門的な意見を仰ぐ際の選択肢が非常に豊富なのだ。
このようにして、塾と学校では指導の体制が違い、それぞれ長所がある。
しっかりと長所と短所を理解し、うまく活用して学習をすることで、君の設定した大きな目標に速いスピードで歩を進めることができるのだ。
まとめ
以上が、大学や将来を考えていく上での高校生への勉強の3つのアドバイスである。
いかがだっただろうか。
とにかく自分の目指したいことを明確にし、そこから逆算をして考え、行動に移していくことがいかに大切なのかわかっただろう。
大学受験は夢のための手段である。
しかし、その大学に合格するというさらに小さな目標のためには日々の勉強という手段を取らなければならない。
しっかり大学受験を念頭に置いて学習をするということが受験勉強である。
受験勉強にフライングはない。
いますぐにでもこの記事で紹介した内容を実践し、とにかくはやく受験勉強を開始しよう。
そうすれば、早期で、効率の良い学習を始めることができ、ライバルに差をつけられるのだ。
(celly 東京大学理科二類在学)