こんにちは!
大学受験.netが運営するオンライン塾赤門アカデミーで講師をしている東大生のCellyです。
この時期になると、多くの浪人生や不合格者からの問い合わせがくる。
そののほとんどには、ほぼ100%同じ特徴が見られている。
それは、英数の勉強、特に数学の勉強が大幅に遅れているということだ。
様々な原因が考えられるが、難関大学の受験においては、英数の勉強の遅れが不合格となる大きな要因になっているのだ。
この記事では、不合格者から学ぶ受験必勝テク、英数の勉強法について解説していく。
不合格者のほとんどは英数の勉強が遅れている
先程導入文でも触れたが、うちの塾の殆どの人が問い合わせ時には英数の勉強のうちどちらか一方が遅れている。
特に数学が遅れているケースが多いのだ。
だいたいの方は根本的に勉強時間が足りていないのですが、そうなると英数が極端に遅れてしまうのだ。
そして、英語と数学は配点が高い大学が多い。
なので、必然的に英数の遅れが原因で不合格になってしまう。
英語と数学の勉強時間
それでは、英語と数学の勉強時間を概算してみよう。
まず難関大学に行くためには数学においては、青チャートなどの網羅系参考書の例題がすべて頭の中に入っていることが非常に重要になる。
では、その青チャートを網羅するのにどれくらい時間がかかるのだろうか?
青チャートは例題、練習問題、エクササイズ全て合わせて、数1A~3まででおよそ3000問ある。
そのうち、問題を実際に解いて採点して、間違えた問題、わからなかった問題を解き直して、実際に問題を何も見ずに解けるようにするのに、一題あたり平均で20分かかるとする。
すると、合計で60,000分、つまり1,000時間かかるという計算になる。
これを一年かけて終わらせることを考える。
休日など、勉強しない日もあるとして、だいたい一年300日間勉強することを考えると、およそ3時間半程度一日あたり勉強しなければならないという計算になるのだ。
次に、半年で考えると、一日あたり6時間半も青チャートを網羅するだけにかかるのだ。
そして、数学の勉強は青チャートを網羅しただけでは終わらない。
ここから、更に一対一対応などの、実践用の問題集をこなすことを考える。
一対一対応は、数1A~3までで720題ある。
青チャートより当然レベルは上がるので、一問あたり30分はかかると考えると、360時間の勉強が必要だ。
一日3時間勉強で、4ヶ月、6時間勉強では、2ヶ月かかるということになる。
東大の場合さらにそこから新スタンダード演習(400題程度)を行う。
一題あたり30分で、200時間となり一日3時間の勉強だと、2ヶ月程度だ。
さらに、ここから過去問を25~30年分解いて、ようやく東大数学で合格点が取れるようになる。
1年分を解いて、復習して、再度解き直すのに一日3時間の勉強で1週間かかるとすると、25年分解くのにほぼ半年はかかるということになるのだ。
つまり、数学の勉強が平均で一日3~4時間だとすると、青チャートの網羅から東大の過去問25年分を十分演習して本番を迎えるまでには、2年は必要だということになる。
これが、6~8時間の勉強だとすると、1年で行けるだろう。
英語の勉強については、過去に英会話などをやったことある人など様々なので計算しにくいですが、およそ平均的に数学の半分ほどの時間で大丈夫になる。
すると、1年かけて東大に行くには、英数だけで9~12時間の勉強時間が必要なのだ。
英語などの他教科の勉強も考えると、数学だけで一日6~8時間勉強して他の教科も間に合わせることは1年では不可能なのだ。
なので、まず、東大クラスの大学は1年では到底間に合わない事がわかる。
英語と数学の配点と得点率
それでは、英語と数学の東京大学(理系)の配点と得点率を見てみよう!
教科 | 配点(センター) | 配点(二次) | 割合 |
国語 | 24.4 | 80 | 19% |
数学 | 24.4 | 120 | 26% |
理科1 | 12.2 | 60 | 13% |
理科2 | 12.2 | 60 | 13% |
英語 | 24.4 | 120 | 26% |
社会 | 12.2 | 0 | 2% |
このように圧倒的に英数の割合が大きい。
さらにここから得点可能な点数の範囲というものを考えなければならない。
教科 | 二次の得点の分布 | 合格目標点 |
国語 | 30~50 | 40 |
数学 | 0~80 | 60 |
理科1 | 0~50 | 30 |
理科2 | 0~50 | 30 |
英語 | 40~90 | 80 |
これは、東大二次試験のおよそ得点可能な範囲と合格目標点を示した。
(二次試験の合格目標点は、理一、二の合格最低点がおよそ220で、それより20点高い240点を得点することを目標とした。)
このように、国語などはどんなに低くても解答欄を白紙で出さない限りは、勉強していなくとも30点以上は確保できるのだ。
しかし、英語や数学などは、勉強していない人としている人では、かなり点数の差がついてしまうということがわかるだろう。
また、英語に関して言うと、得点分布がどの教科よりも高いことがわかる。
これは、他の教科よりも高得点が取りやすいということを示しているのである。
数学で80点を取るよりも、英語で80点を取るほうが簡単なのだ。
そして、英語は数学と違い、実力がしっかりついていれば、非常に安定して点数を取ることができる。
数学は、ちょっとした計算ミスで多くの点数が引かれてしまうが、英語は、記号問題や得点の少ない問題が多いので、一つのミスが大きな失点に繋がりにくい。
英語は、高得点狙いの科目であり、安定的に得点することができるので、数学の次に重要な科目となってくるのだ。
結局英数が一番差がつきやすい
以上、勉強時間や配点、合格に必要な目標点などから、英数が結局のところ差がつきやすいのである。
コツコツ、2年以上前から、しっかりと英語と数学の勉強を積み重ねてきた人のほうが、土壇場で仕上げた人よりも得点することができるのは、考えてみれば当然のことである。
特に、英語と数学は本当に勉強していないと、全くと言っていいほど手がでないので、差がつきやすいのである。
そして、合格点に達するには、ある程度勉強の量を確保する必要があるということなのだ。
多くの不合格者はこの英数の勉強量を2年以上前から確保することができず、結果的に、しっかりやってきた人と大差をつけられて、受験に失敗してしまう。
上記の例は、東大の理系を想定してのことなので、医学部などはほぼ同じ時間が必要だと考えて良い。
旧帝大や、早慶、文系などはそれよりも勉強時間は少なくても良いが、1年を切ると難関と言われている大学は難しいだろう。
逆に理三を目指すには、2年半や3年前からコツコツ勉強しておく必要がある。
なので、いつからしっかりと勉強を始めるかによって、自ずと合格できる大学がほぼ決まってしまうということがわかるだろう。
受験はピストルのならないマラソン
「受験はピストルのならないマラソンだ。」
この言葉は筆者が中3の高校受験を控えていたときに聞いた言葉である。
しかし、東大に入り、多くの受験生を教え始めて、大学受験こそまさにこの言葉がぴったりであると思う。
英語と数学で差がつきやすく、これら2科目は対策に2年以上要するということを考えると、やはりできるだけ早く始めたものが受験に成功することになるのだ。
この記事を今日見た人は、将来目標とする大学がある、もしくはできるだけいわゆる「良い大学」、「難関大学」に行きたいと思っているのであれば、是非この日から本気で英数の勉強に取り組んでみてほしい。
早く始めれば始めるほど、良い大学に行くことができる。
まさにピストルがなっていない状態でいつでもスタートを切ってよいのだ。
望んでいる大学に合格するまでの時間を物理的に確保できなくなる前に是非とも勉強を本気で始めてほしい!
具体的な高校1・2年生の勉強
最後に、具体的に高校1・2年生はどのような勉強をしていけばよいのかについて英語と数学に分けて解説していく。
数学の勉強法
数学については、青チャートをいつ頃終わらせるかというのが鍵になってくる。
例えば東京大学の理系を目指したい場合、青チャートは3年生になる前に完璧になっていなければならない。
つまり、1000時間を確保しなければならない。
これは、300で割るとおよそ3.5時間平均となる。
ただ、質をもう少し高めたい場合は、復習の時間として2周目を考慮して、1500時間かけるというのも時間があれば悪くない。
なので、もし高校1年生から丸2年かけて青チャートを完成させる場合は、高校1年生時は一日2時間、2年生時は、3時間使うのが良いだろう。
高校2年生からはじめるのであれば、1日5時間という計算になるが、数学のみで高校2年生が5時間も勉強時間を確保することは現実的でない。
多少クオリティーが落ちたとしても、仕方がないとして一回目3.5時間+と二回目0.5時間の4時間が妥当である。
この計算絡みても分かる通り、早ければ早いほど丁寧に質を高めて勉強ができる時間が物理的に許されている。
なので、高校1年生からコツコツ始めるのが理想的である。
英語の勉強法
英語に関しては、最終的には感覚に落とし込んでネイティブ同様にすらすら英文が読解できることが重要だ。
なので、短期集中よりは、短い時間をコツコツ積み重ねることが良い。
具体的に、まず単語と文法が非常に重要になってくる。
これらをコツコツ積み重ねることが重要だ。
高校1年生の場合、一日あたりの英語の勉強時間は多くなくて良い。
単語に30分、英文法に30分の計1時間だ。
高校2年生から始める場合は、単語と英文法のペースを早めなくは行けないのはもちろんだが、同時に英語長文もやらなければならない。
なので、高校2年生から始める人にとっては、一日あたり2~3時間の勉強が必要となってくる。
他教科について
それでは、他教科の勉強はいつやればよいのだろうか?
筆者は、塾生には定期テスト期間をうまく活用することをおすすめしている。
英数の勉強は普段しっかりとやっているので、定期テスト期間中に特別な対策をせずとも得点することができる。
なので、逆にこの期間は理科や古典、社会などの他の教科の勉強に時間をかけたほうがよい。
いくら、高校2年生までは、英数に集中したほうがよいとはいえ、他の教科を全く0の状態から高校3年生で始めるのはかなり危険である。
ある程度、学校の定期テストなどで一度はしっかりやっておいたものを受験期になり本格的に受験用に勉強したほうが受験期にはいってからは楽なのである。
また、部活などが忙しくない人は、土日などの休日を使って、他教科の勉強するとよい。
他の教科は英数とはことなり、短期集中してある程度のところまで勉強を進めておくだけで、受験期の本格的な受験勉強が楽になってくるのだ。
特に、理系であれば英数の次に重要な理科2科目、文系であれば、古典や社会二科目を中心に、土日や定期テスト期間で勉強しておくと良い。
合計では?
なので、高校1年生から始める場合は、東大理系(理三以外)を目指すのであればだが、1日英語1時間、数学2時間の合計3時間が妥当だろう。
そして、高校2年生になれば、数学3時間、英語1〜2時間の合計5時間が妥当だ。
高校2年生から始める場合は数学4時間、英語2時間の合計6時間が妥当である。
そして、もし余裕があればこれに加えて土日に他教科の勉強を2~3時間ほどできると良い。
もちろん、理三を目指すのであれば、より早い段階で青チャートが完成していたり、英語ができていないといけない。
また、より確実に合格したいのであれば、たとえ文系志望だろうと、理一、理二志望だろうとこの時間より多くやっても構わない。
勉強の質も大切だと言われるが、一方で時間も非常に重要な要素であるということがわかる。
どんなに地頭がよい人でも時間をかけられない人は、絶対に難関大学には合格できない。
できるだけ、早い時期からしっかり時間をかけてやることが、大学受験における成功の秘訣なのである。
まとめ
以上が、不合格者から学ぶ不合格の原因、英数の重要性や勉強法について解説した。
ほとんどの不合格者が英数、特に数学の勉強の遅れで点数を落としてしまっている。
高校1・2年生はもし将来行きたい志望校がある、もしくはできるだけ良い大学に行きたいと思うのであれば、この記事を見た今日から、早速勉強を始めよう。
受験は「ピストルのならないマラソン」である。
いつから始めるかは、自分で決めることができる。
将来後悔することのないように、しっかりと進めてほしい!