学校や塾で志望校の調査がされても、つい明確な志望校が決められずに適当に志望校を据えてしまっている高校生は多い。
日々高校生活を謳歌している学生達にとって、数年あるいは数ヶ月先の大学受験のことまで真剣に考えられない人もいる。
しかし、大学受験は確実に刻一刻と迫り、志望校を遅く選定しては、その大学の入試レベルに自分の学力を追いつかせることができなくなってしまう。
早めに自分の行きたい大学を決めることで、その入試形態にあわせて学習計画を練ることができる上、目標が明確になって勉強へのモチベーションも上がる。
以下では、絶対に失敗しない志望校選定方法を4つ徹底的に説明していく。
この記事を読んで、ぜひ自分にとって最良の方法で志望校を決めよう。
学力で志望校を選ぶ
大学は、入学する以前に学力で合格・不合格が振り分けられる。
それならば、その大学の入試難易度に基づいて妥当な所を志望校に据えるのは合理的である。
模試を数回受験したことがあるならば、その結果をもとに、自分の学力で合格できそうな所を志望校にする。
そうすることで受験のリスクは軽減され、無理に長時間学習をしなければならなかったり自分より圧倒的に学力の低い生徒達と大学生活を共にせねばならなかったり、ということは起こり得なくなる。
しかし、「行ける大学を選ぶ」という大学選定方法は非常に消極的で、大学受験という観点から言うと負担も少なく効率のよい方法ではあるが、自分の将来を考慮に入れて、もっと視野を広げてみると、お勧めできない。
なぜなら、偏差値や難易度ではその大学の特色を推し量ることができないからだ。
「行ける大学」ではなく、なるべく世間的に評価の高い偏差値の高い大学に行きたいということで学習を頑張るのも良いことではある。
学力を引き上げるために受験勉強に尽力したことは必ず将来役にたつ経験となることだろう。
しかし、学力の尺度のみで大学を決めると、大学に入学してから何をするかを考えることなく、合格それ自体が目標になりがちなのだ。
地域で志望校を選ぶ
実家暮らし、一人暮らし、寮生活など、自分の暮らしによって大学生活というのは大きく変わる。
実家から遠い大学を志望校とするならば当然一人暮らしや寮生活を考えなければならず、それに伴い生活費も大幅に変わる。
生活費の問題は自分一人で決められない。親と相談しながら、一人暮らしや寮生活が必要となる大学を志望しても良いか確認をとっていかねばならない。
また、どうしてもある地域の大学に行きたいと考える高校生もいれば、本来は遠方の大学に行くことは許されないが、ある地域のみ親戚が住んでいるため進学が許されている高校生もいる。
憧れの地域等があるならば、そこで暮らすことを目標に志望校を決めるのもよい。
どうしても将来東京で働きたく、そのために大学から東京に行っておくというのも一つの手である。
このように、大学のある地域というのは直接大学自体には関係がないが、学生にとってはかなり重要な判断材料になる。
学費で志望校を選ぶ
私立・国公立・学部によって学費は大いに異なる。
大学の学費は全て自分でバイトして稼いで出しなさいという家庭もあれば、家計的に私立大学には行かないでほしいという家庭もある。
上記の章では地域で志望校を選ぶにあたり親と相談する必要性を述べたが、学費に関しても両親ときっちり話しておく必要があることだろう。
どれだけ行きたい大学・学部学科であろうとも、その大学の学費が非常に高ければやはり検討をし直さねばならない。
たしかに学費はあくまで志望校選定の一要素にしかならないであろうが、非常に重要なポイントでもあるのだ。
興味のある分野で志望校を選ぶ
ここまで学力や地理的な位置づけ、学費など、大学自体ではなくその周縁的な情報をもとに志望校を選定することについて言及してきた。
しかし、自分が興味のある分野を学習することができるかどうかということが最も大切である。
一度、自分は大学を卒業した時点でどうなっていたいのかを考えてみよう。もしくは、将来の夢に想いを馳せてみても良い。
その目標を実現するための実力をつけたり経験を積んだりする場としての大学や学部として、どこが最も適当なのかを考えて志望校を決めることが望ましい。
生物に興味があるから生物学の有名な教授がいる大学を選んでもよければ、将来弁護士になるために法律をとことん学ぶために日本最高峰の法科大学院が設置されている大学を選んでもよい。
大学というのは所詮将来に向けた人生の通過点に過ぎず、大学を目標ではなく通過点ないし目標のための手段と捉えても良い。
お金や学歴にともなう世間での立ち位置など、他にも考慮すべきことはあるだろうが、自分で「絶対に行きたい」と思える大学を選ぶことが受験勉強のモチベーションにつながる。
行きたいと思えるようになるには、地理的な問題や金銭面の問題など周縁的なものではなく、興味がありその大学に行って自分が価値のあると思えるものを得られるか否かなのだ。
自分の興味の持てる大学を志望校に設定することを全力でお勧めしたい。
まとめ
ここまで、どのようにして第一志望の大学を選べば良いのか、受験に失敗しない志望校4つの選び方を紹介してきた。
いかがだったであろうか。
偏差値、学費、場所、自分の興味など様々な要素が存在するが、どれも大学を決める上で考慮することは不可欠である。
いくら学費が安い大学を志望しても、一人暮らしが許されていないのに実家から数百キロ離れた大学であっては意味がないのだ。
しかし大切なのは各要素を考慮する際のバランスの取り方である。
あくまで受験生は自分の興味のある分野を最優先に考えねばならず、それに付随して他の要素を考えていけばいいのである。
この記事で紹介した志望校の選び方を実践して、ぜひその大学に合格することに向かって学習に取り組んでいこう。
明確な志望校の存在により、受験勉強へのモチベーションはぐっと上がり、効率的な学習を実現することができるのだ。
(celly 東京大学理科二類在学)