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化学重要問題集で模試の化学の得点率を10%上げる勉強法

化学は理系受験生のほとんどが選択する教科である。

そのため、受験において化学を攻略することは、どの受験生にとっても合格のために不可欠であるといえる。

しかしながら、化学は暗記するべき項目が多いうえ、模試などの試験では、こうした知識を踏まえた複雑な計算問題、論述問題が出題されるので、化学で点が伸びない、と悩む受験生も多い

 

そこで今回は、化学、特に私立大学の試験や国公立大学の二次試験における化学を攻略する上で欠かせない参考書として、「化学重要問題集(数研出版)」を紹介する。

この記事を読んでいる皆さんの中には、化学重要問題集が有名な参考書であるため、学校の指定参考書になっている、という人もいるだろう。

また、そうではなくても、化学の学習の基礎ができている、という人にはこの参考書をおすすめしたい

この記事を読み、化学重要問題集のおすすめの使い方を学んで実践することで、模試の点数アップにつがるのだ。

目次

化学重要問題集の特徴

まずは、化学重要問題集がどのような問題集なのか、構成、問題のレベルなどについての特徴を書いていく。

分量、難易度などの参考にしてもらいたい。

なお、化学重要問題集は毎年改定が行われるため、現在の最新版は、「2017 [実戦] 化学 重要問題集 ―化学基礎・化学」である。

だが、最新版を持っていないという人でも、毎年の改定によって、問題構成が大きく変化するということはないので、安心して読み進めてほしい

問題集の構成

化学重要問題集の構成としてはまず、学習の単元ごとに問題が分かれている。

この各単元は、要項、A問題、B問題の3つから成り立っている。

要項は、化学重要問題集の説明を引用すると

「理解・記憶しなければならない化学法則や現象を十分に整理してあるので、問題を解くための基礎とその応用を把握することができます。

【出展2013】:化学Ⅰ・Ⅱ重要問題集より

とあるように、その単元の問題を解くのに必要な最低限の知識を1~2ページにコンパクトにまとめている。

問題の構成と難易度

1.1でも触れたように、化学重要問題集の問題は各単元でA問題と、B問題に分かれる
問題の特徴としては、化学重要問題集の説明を引用すると、

  • A問題は、それぞれの項目における重要な問題を扱っています。内容的にも漏れがないようにしてあるので、十分に実力が養えると思います。
  • B問題は、ここまでやっておけば万全と思われる問題を選んであります。余力のある場合にアタックしてみてください。

【出展2013】:化学Ⅰ・Ⅱ重要問題集より

とあるように、A問題が標準問題、B問題が応用、発展問題となっている。

標準レベルのA問題であっても、内容としては大学入試の過去問を扱っているので、記述、論述問題も扱われている、という点が特徴的である。

また、問題によっては1回目に解いてほしい問題には必答マーク2回目に解いてほしい問題には準必答マークが付されている場合もある。

しかし、どの問題も取り組む価値のある良問ぞろいなので、よっぽど余裕がないとき以外は、すべての問題に手をつけるべきである。

 

なお、問題の総数はA・B問題合わせて250題程度と多めである。

特にB問題では東京大学、京都大学、東京工業大学といった、超難関大学の問題も扱われているので、こうした問題までマスターすることができれば、これらのレベルの大学入試の問題にも十分に対応できる学力が身につく

化学重要問題集に取り組むべきレベルとは?

前節で、化学重要問題集の構成、問題の難易度について述べた。

この章では、この問題集に取り組むにはどれほどの学力が身についていればよいのかを書いていく。

参考書を選ぶ時の参考にしてほしい。

受験生で、教科書で化学の勉強は進めているという人

受験生で、化学の勉強は教科書などで一通り終えた、という人にはぜひこの問題集をお勧めしたい。

「一通り終えた」の目安としては、模試の問題のその単元で、5~6割の得点をとっている、というのが適切であろう。

また、進度が遅くまだ学習していない単元がある、という人でも、一通り終わった範囲があるのであれば、その範囲から取り組み始めてもよい

この後の、勉強法を紹介する章でも取り上げるが、この問題集は、なるべく多くの時間を割いたうえで、すべての問題に手を付ける価値がある良問ぞろいの問題集である。

終わった範囲から逐次問題を解き始めていくのが後々役に立つだろう。

非受験生、もしくは化学の勉強を始めたばかり、というかけだしの受験生

まだ、本格的な化学の勉強を始めたばかり、という受験生やこれから少しずつ化学の勉強を始めるという人は、まずは教科書の基礎知識をおさえよう

教科書の補助となる参考書としては「らくらくマスター 化学基礎・化学(河合出版)」や、「化学[化学基礎・化学] 基礎問題精講 [三訂版](旺文社)」などがある。

これらの参考書で基礎的な問題を解いてから、この問題集に取り組み始めるのが良いだろう。

このように基礎的な事項の習得をお勧めするのは、化学重要問題集の「要項」がコンパクトにまとまりすぎているためである。

「要項」での基礎事項の確認は最低限にとどめて、必要な時には、教科書を併用できるようにしておくのが、化学重要問題集を取り組むうえでは効率の良い勉強法と言える。

化学重要問題集のおすすめ勉強法

この章では、実際に化学重要問題集を使用して勉強をしていくのにおすすめの勉強法を紹介する。

学校でこの問題集が指定されている、という人の中には学校から勉強の範囲、学習方法が指定されているという人もいると思うので、そのような人たちは参考の勉強法、と思って読んでほしい。

A問題はさらさらと何回もやろう

この問題集に初めて取り組む人はまずA問題に取り組もう

ここでポイントとなるのは、必答マーク、準必答マークの有無にかかわらず、すべての問題にどんどん取り組むことである。

そして、分からなかった問題、間違えた問題にはチェックをつける

この時大切なのは、分からなかった問題、間違えた問題の原因が、基本事項が身についていなかったことによるものの場合の対処の仕方である。

この場合は、ミスをそのまま放置せず、その場で、教科書等で確認、復習をしておこう

特に、無機化学の分野などは、問題として問われる場合、教科書とは異なった視点を求められる場合もある。

問題をミスすることが、基礎項目を多角的な視点で整理するのにつながるのである。

 

また、間違えた問題については、1週間以内での復習をお勧めしたい。

間違えた問題が復習して、2回解けるようになったらその問題はできたとみなしていいだろう。

A問題は、基本事項を問題で使えるようにトレーニングするための問題である。

解法をマスターするまで何回も通して演習を重ねてほしい

B問題は1回1回をじっくりとやろう

A問題は何度も取り組んで、解法をマスターするのが主な取り組み方であると紹介した。

しかしながらB問題は、実際の入試問題(特に難関大学の入試問題)がそろっているので、取り組み方も実際の入試問題を解くように、じっくりと行っていくべきである。

さすがにいきなりすべての問題を完答するというのは厳しいので、復習も丁寧にやることをおすすめする。

おすすめの復習法は以下に示すような、

  1. まず解けなかった問題の解答と解法を、赤ペンなどで理解しながら写す。
  2. ここで分からないことが出たら教科書などで確認しつつ理解をする。
  3. そして、1週間以内に再びじっくりと問題を解きなおす。

というものである。

こういった問題の場合は、特に問題の「流れ」というものがあるので、間違えた問題だけでなく、その大問そのものを解きなおしてほしい。

このようにすることで、難問の形式に慣れ、難問に対してのアプローチの仕方が徐々に身についていくので、ゆくゆくは初見の問題でもしっかりと取り組めるようになる

時間はかかるかもしれないが、その分の成果も大きいので焦らずに頑張ってほしい。

 

なお、B問題は難関大学の問題がそろっているので、必ずしもすべての人が取り組むべきであるわけではない。

しかしながら、悩みながら取り組むことによって、どんな問題にも対処できる実践力が必ず身につくので、ぜひ積極的にチャレンジをしてほしい

他の問題集(主に新演習)との併用について

化学重要問題集は非常に量のある問題集であるため、すべての問題をマスターするのは非常に時間がかかる。(仮に1日3題と決めても1周するのに3か月くらいかかる)

そのため、化学を受験に使う理系受験生は、この問題集だけを集中的にこなしても、合格するのに足りる学力は十分に習得することができると言える。

しかし、皆さんの中には、ほかにも受験問題集として「化学の新演習(三省堂)」を使用するか悩んでいる人もいるだろう。

結論を言うと、新演習は化学重要問題集よりも難しく、問われている知識も相当な難易度であるので、教科書程度の知識を持ち合わせているだけの人にはおすすめしづらい。(実は現役東大生の筆者も敬遠した問題集である)

そのため、ここでは、新演習の利用を考えている人に向けては、「重要問題集との併用」をお勧めしておきたい。

併用といっても、新演習はすべての問題をやる必要はない

新演習も問題が300題以上あるのでそのような時間はないだろう。

ここでの利用法は、「化学重要問題集を解き、余裕をもって解けた単元の問題については新演習の問題にも取り組んでみる」という勉強法だ。

得意分野の問題をさらに得意にするために新演習を使うことをここでは提案しておく。

 

しかしながら、化学重要問題集だけでも十分な力は身につくので必ずしも無理して取り組む必要はないことも強調しておきたい。

まとめ

この記事では、理系受験生の必携の問題集である化学重要問題集について解説した。

化学重要問題集は非常に問題が多く、レベルも高いが

  • じっくり時間をかけて何回も取り組む
  • わからなかったことはすぐに見直して基本事項をおさらいする
  • 問題の復習は1週間以内に

という点に注意して取り組めば、必ず自分の力を伸ばすことができる問題集である。

化学重要問題集をマスターして実践力を磨き、模試の化学の得点率を10%上げて、志望校合格に近づこう

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