子どもが誕生して真っ先に親が直面する問題が、教育方針をどうしていくかということ。
特に第一子であれば、全てのことが手探りでどのようにしつけを行っていけばいいのかもわからないはずだ。
しかし、誕生から高校卒業くらいまでの期間が子どもの人生の土台を形成する期間であり、そしてその期間では学校などの社会
環境よりも家庭環境の方が重要な役割を占めるのだ。
そうであるならば、間違った教育方針を適用してしまっては子どもに亜区影響をもたらす。
逆にいえば、両親の考え方と一致し、子ども自身も納得できる教育方針を早い段階から定めておけば、以後の教育はいくぶん楽になってくるということである。
ぜひ、この機会に子どもの教育方針を両親で相談してはいかがだろうか。
では、具体的にはどのようにして子どもの教育方針を定めていくといいのだろうか。
この記事では、徹底的に教育方針のたて方についてステップに分けて説明をしていく。
以下の文章を参考に、自分は子どもにどのように育ってほしいか、そのためにはどのような教育を適用していくか考えてみてほしい。
教育方針が明確にたてられている家庭において、子どもは正しく、まっすぐに育つことができるのだ。
30年後を想像してみる
まずは、30年後を想像してみてほしい。
親である自分は仕事を退職するころ。
子どもは自分の家庭を持ったり、あくせく働いていたりするだろう。
親として、どのような大人になってほしいという願いがあるのか。
それを胸に手を当てて考えてみてほしい。
幸せな家庭を持ってほしい、やりたい職業についてほしい。
そのような願いは誰にでもあるはず。
しかし、できればもっと具体的に考えてほしいのだ。
以下で具体例を提示することとしよう。
以下の例を参考に、30年後の自分の子どもの理想像を書き出してみよう。
- 子ども(自分から見たら孫)のやりたいことをやらせてあげられるだけの財力を持っている親になってほしい
- 正しいしつけを行える親になってほしい
- 年収800万円を越していてほしい
- 親に気をつかわずに海外や遠隔地でもやりたい仕事を貫いてほしい
- 親戚との交流を絶たない人間でいてほしい
いかがだろうか。
かなり具体的な像を設定することで、「では、そのような大人に育てていくにはどうすればいいのか?」という新たな疑問が生まれたはず。
ここから、次のステップでは理想の大人に育てていくためにどのような教育を選定していくといいのかについて解説をしていく。
どんな教育が適しているか見定める
実際に、大人になったときにどんな人間となっていてほしいかという自分の願いを確認することはできただろうか。
まずはその思いを固めることで教育の道筋を明確にするのだ。
つまり、将来どのような人間になってほしいか考えたら、次に、そのためにどのような教育が必要なのかを考える。
そしてどんな教育の実践が必要なのかが明らかになれば、もっとそれを細分化し、具体的なルールや方針を立てることが自ずと容易になるのだ。
目先の教育ではなく、数十年後という遥か先に視点をおいてみることにより、逆算で教育方針を簡単に立てることができるということだ。
では、この一通りの流れの2ステップ目として教育の選定を行っていく。
前の章で挙げた具体例を元に考えていこう。
財力を持っている親になってほしい・年収800万円を越していてほしい
財力ということは、30歳ないし40歳の段階である程度の収入のある人間になってほしいということだ。
つまり、言い換えるなら立派に手に職をつけてほしいということ。
人並みあるいは人並み以上の年収を得てあまり生活に不自由なく暮らしてほしいと願うのは親として当然のこと。
そのように考えるなら、就職を円滑にできるよう、小さなころから将来について子どもと一緒になって考えていくことが必要だ。
正しいしつけを行える親になってほしい
正しいしつけとは一体なんなのか、一概にいうことは難しい。
子どもが悪いことをした場合に暴力を振るうことを是とする親も未だに存在し、それが必ずしも悪いこととは限らない。
では、自分自身はどのようなしつけが子どもにとって良いのか考えよう。
虐待を行う親は、子どものころに自分の両親から虐待をされていた者が多いという。
子どもは、大人になったとき、自分が小さなときに親からされた教育をよくも悪くもたどってしまうのだ。
自分にとって正しいしつけがどんなものなのか、一度考えてみよう。
そして、それを実践する。
それが、次の章で述べる具体的な教育方針となっていくはずだ。
親に気をつかわずに海外や遠隔地でもやりたい仕事を貫いてほしい
親に気をつかわないでほしい。
親として、子どもを過保護したい考えと同時に自立をできる人間になってほしいという願いがあるはず。
自分のやりたいことをとるか、親をとるかという選択に迫られたとき、親ごころとしては親よりも自分のやりたいことを優先してほしいという考えを持つ人がおおい。
つまり、親に執着しすぎない子どもにそだてたいということ。
であるならば、いくら家庭に愛があっても、「マザコン」「ファザコン」ではいけない。
あるていど自立心を持たせる教育を行う。
具体的にどのような教育方針にするとよいのだろうか。
親戚との交流を絶たない人間でいてほしい
自立はしても祖先を敬い、親族との交流を代々絶えず引き継いでいってほしいと考えたならば、子どもの頃から「家」という概
念に関わりつづけることが大切だ。
家に重きを置き、大切にするという考え方は幼い頃から親戚との交流なくしては形成されない。
ぜひとも教育を通して家族や血のつながりの大切さを伝えられるようにしてほしい。
教育方針を具体的に定める
ここまで、例をあげながらどんな教育を子どもにたいして行うかを見定める段階まで説明を行ってきた。
具体例に自分が当てはまらなかったとしても、どのような順を追った思考回路で教育について考えていけばいいのかがわかってもらえたはずだ。
では、実際にここから教育方針を考えていくこととする。
例によって先ほどあげた実例から、教育方針の案を提示していくので、ぜひとも参考にしていただきたい。
就職を円滑にしてほしい
これは、先ほど2-1で説明を行った項目だ。
子どもが就職を円滑に達成できるということを教育のゴールとするならば、家族としてどのように教育方針を立てていくと良いのだろう。
- 様々な習い事をさせる
- 私立の学校を目指させる
- 小さな頃から有害なコンテンツに触れることを制限するため、ゲームを買い与えず、スマートフォンも小学校のうちは持たせず、ネットにも重いフィルタリングをかける
これほどまでに詳細に方針を立てることができれば、親としてやるべきこと、子どもに指導するべきことが明確にわかってくるだろう。
もちろん将来的に就職の成功に直結するとは思えないほど細かいルールではある。
しかし、これが逆算に逆算を重ね、子どもが幼いうちに親がやってあげられることなのだ。
正しいしつけを行いたい
子どもにたいして正しいしつけを行える親になってもらいたいから、本人にも正しいしつけで成長していってもらう。
これは子どもを育てる上で基本であり、しつけがきちんとなされていなければ人格形成にも支障をきたしてしまう。
しつけは非常に多種多様で、何が正しいかという絶対的な概念はない。
だからこそ、自分の思う「正しいしつけ」観だけにとらわれて行動することは少々危険である。
自分の価値観を子どもにたいして押し付ける結果になることがあるからだ。
同じくらいの年齢の子どもを持つ親としつけについて相談してみたり、学校や幼稚園の先生にしつけについて質問してみても良いだろう。
子どもを縛らずに豊かな感性を育て、善悪の区別がつく人間にするためにしつけは非常に大切なことであり、しつけの教育方針はなるべく細かく、慎重に立てていくと良い。
以下では、しつけに対する議論の一例を挙げていく。
- 子どもに対して手をあげてもよいかどうか
- 友人とのトラブルに親が介入するか否か
- 言葉遣いやマナーなどの指導をどの程度行うか
あくまでも例であり、しつけについて考え始めたらきりがない。
いろいろな人の意見を取り入れながら、しつけについて考えていくといいだろう。
親よりもやりたいことを優先できる子どもに育ってほしい
これは、小さなうちから自立心を育てていくということが重要だ。
子どもの自立を促すためには、過保護であってはいけない。
もちろん子どもに安全な環境を提供することは親の義務であるが、加減が必要である。
自立した子どもに育てるには、以下のような教育方針がいいのではなかろうか。
- 高校に入学したら門限を設けない
- やりたい習い事や趣味には口出ししない
- 高校あるいは大学に入学したら趣味などには一切親から支援としてのお金を提供しない
このように、年齢を追って自由度をあげると同時に本人に決断権を全てゆだねるようにしていくのだ。
そうすることで自ら考え、行動することができるようになるだけではなく、親からの支えを一切受けないという状態にも陥ることがないのだ。
親の重要性を認識しつつ、年頃になれば自立し、自分の力で生活していかなければならないことをわかってもらえるような教育方針の具体例をあげたつもりであるので、ぜひ参考にしてほしい。
「家」を大切にしてほしい
家という概念自体が現代では少々古い考え方と認識されるようになってきた。
しかし、親としては大人になってからも自分の家に愛着を持ってほしいと考えることも多いだろう。
自分の家のことを大切にする子どもに育てるには、どのような教育方針を立てると良いのだろう。
ここからいくらか例を提示していく。
- お盆や正月などに複数の親族の家に訪問する
- 祖父母、いとこといった近親たちと頻繁に会わせる
- 親族のお葬式や結婚式などにも参加させ、日本での儀式について学ばせるとともに血のつながりの大切さを実感させる
このように、様々な機会で交流を行っていけば、自分の家に愛着をもち、親だけでなく多くの親族や祖先などに対する敬いの気持ちが芽生えていくことだろう。
まとめ
ここまで、子どもの教育方針をどのような段階を追って立てていくといいのかということについて徹底的に解説を行ってきた。
具体例のなかに、自分が当てはまることがあればぜひ活用してほしい。
子どもの理想像が、具体例とはかけ離れていた場合も、この記事で紹介した考え方を実践すれば自分なりの教育方針を立てていくことがいかに簡単であることを実感していただけたことと思う。
子どもを育てるということは、もちろん非常に大変である。
だが、子どもが幼い頃から、あるいは子どもが生まれる前からどんな人間に育ってほしいか、そのためにはどのように教育方針を立てていくかという具体的なビジョンを抱いている親は強い。
教育への情熱は、子ども本人にも伝わる。
子どもは親が思っている以上に多感で鋭いのだ。
ぜひここで紹介した教育方針をたてるための3ステップを実践し、教育に対する方策を立ててほしい。
正しく健全な教育をもってして、一人前の大人へと育てることが可能となるのだ。