東大受験にあたって、文系は地歴二科目をどう完成させるかが合否の分かれ目になる。
特に、世界史は範囲が膨大で、論述量も多く、敬遠されがちな科目だ。
しかし、東大世界史はしっかりと対策をすれば比較的安定して点数が取りやすい科目なのだ。
世界史は基礎力を身に着け、論述の経験を積んだ人であればだれでも得点がとれる。
この記事を読んで、東大世界史で高得点をねらうための必須5アイテムをそろえ、最強勉強法を身に着けよう。
東大世界史の問題とは
初めに、東大の世界史の問題がどのようなものなのかを説明する。
世界史の配点は、他の地歴科目と同じく60点満点だ。
目標点としては、他の科目との兼ね合いもあるが、30点(5割)~42点(7割)は狙いたい。
そして、問題構成は以下のようになっている。
- 第1問 大論述(600字以内)
- 第2問 中論述(40字以内)+ 語句
- 第3問 一問一答
(2015年世界史の過去問参照)
2017年度東大入試の世界史も同じような問題形式で出題されている。
その解説は以下の記事のっているので問題形式と合わせて見ておいて欲しい。
世界史でコンスタントに点数をとる戦略としては、まず第一に語句や一問一答で確実に点数を稼ぐこと。
そして、大論述、中論述でいかに点数を集めるか、という二点が重要になるのだ。
東大世界史攻略のための必須な5つのアイテム
目指すべき東大世界史の問題について理解できたところで、次は勉強法の説明に移る。
世界史の場合、勉強をするまえに、どのような教材で勉強するかがカギになる。
勉強法を詳しく解説するまえに、絶対にそろえるべき必須アイテムを5つ紹介する。
凡ての基本は「教科書」
第一に必須なアイテムは「教科書」だ。
当然のように思われるかもしれないが、教科書は世界史を勉強するうえで必ず無視してはいけない。
なぜなら、「教科書」=出題範囲であるからだ。
いくら東大の世界史が難関だとはいえ、踏まえておかねばならない基礎項目はすべて教科書に網羅されている。
逆に言えば、国立の大学であるからこそ、教科書に書いてあること以外は出題できないのだ。
また、「教科書」は端的に、重要事項がまとまっている。
通読するだけで簡単に通史を網羅でき、論述対策のための巧みな言い回しを盗むこともできる。
おすすめは、山川出版社の「世界史B」と東京書籍の「世界史B」だ。
理解を助ける「参考書」
次の必須アイテムは、「参考書」である。
特に、独学につかえる参考書がおすすめである。
なぜなら、世界史の対策は高校の進度に合わせていると間に合わない場合があるため、自分で先取りして勉強する必要があるからだ。
そのため、教科書に準拠しており、重要事項の解説が豊富で暗記しやすい参考書が必要となる。
おすすめは「ナビゲーター世界史B」だ。
右脳で覚える「図説集」
次の必須アイテムは、「図説集」である。
世界史では、地図はもちろん、風刺画や文化史における絵画の知識など、図を踏まえるべき問題が多く出題される。
そのため、普段の勉強から、単に語句の暗記をするのではなく、地図を見て位置関係を確認することが必要になる。
さらに、図を使って勉強することによって、右脳が刺激され暗記がしやすくなるのだ。
おすすめは、「世界史図説 タペストリー」だ。
苦手を集中暗記「用語集」
次の必須アイテムは、「用語集」である。
用語集はどうしてもわからない言葉や項目が出てきた際に使える。
用語集では詳しい解説を知ることができる上に、論述の際に役に立つ言い回しも豊富にある。
おすすめは、山川の「世界史B用語集」だ。
過去問データベース「赤本」
最後の必須アイテムは、「赤本」こと「東大の世界史25カ年」である。
最新版の「東大の世界史25カ年」では、1989~2013年度の前期日程25カ年分の過去問が収録されている。
東大の世界史では、どれだけ過去問を解いたかが点数を稼ぐ上でのカギとなる。
沢山の過去問を解くことで、東大世界史の傾向をつかむことができる。
そして、論述はとにかく書いて慣れることが重要なのだ。
さらに、問題の解説が詳しく、論述の答案作成のコツも読めばわかるようになっている。
東大世界史対策の最強勉強法
ここまで、東大世界史攻略のための必須な5つのアイテムについての解説をした。
次はいよいよ「東大世界史対策の最強勉強法」の説明をする。
アイテムをそろえることは誰にでもできるが、アイテムを効果的に使うことは、使い方を知る一部の人間にしかできない。
以下の項目を読んで、最強の勉強法を身に着けよう。
通史を先取りで勉強
多くの高校では、高校三年生の冬まで時間をかけて通史を勉強する。
しかし、東大受験を考えているのであれば、高校で学ぶ進度よりもより早く勉強する必要がある。
つまり、通史を先取りして独学しなければならないのだ。
「通史を先取りで勉強」する際に使うアイテムは
- 教科書
- 参考書
- 図表
- 用語集
の四つである。
参考書(書き込み式が望ましい)を進めながら、同じ範囲の教科書を読み進める。
このとき、地名や人名が出てきた際はかならず図表を確認し、写真まで目を通そう。
始めの一周は、とにかく最後まで終わらせることを第一に考え、細かい点を暗記する必要はない。
そして二周目はより丁寧に進めていく。
このとき、わからない言葉がでてきたときは用語集を使って意味の確認を行おう。
高校三年の夏までに二周できていることが望ましい。
教科書はほとんどの学校で山川出版の教科書が用いられている。
山川出版の教科書、用語集、一問一答などの使い方は以下の記事を参考にして欲しい。
センター対策で基礎力形成
独学で通史を二周できたら、次は基礎力をより強固なものにするフェーズに入る。
このときに使うのがセンター試験の過去問と模試である。
センター試験をペースメーカーとして、基礎力をチェックする。
まず、一通り通史を学んだ時点でセンター過去問を一年分解く。
そして、間違ったところを、参考書や図説集に書き込む。
このとき、教科書にもマーキングするとよい。
このような過去問の解きなおしの際には、必ず同じ問題が出てきたときに100点を取れるように意識するのが重要だ。
これを一セットとして、過去問と参考書を行き来し、繰り返し学習をすすめる。
平均して9割程度取れるようになれば、基礎力の完成だ。
センター試験を活用した基礎力養成は、遅くとも高校3年生の秋までに完了させよう。
センター試験の世界史の対策は以下の記事を参照して欲しい。
東大二次試験論述対策
センター対策で基礎力が付くと、第三問で出題されるような一問一答形式の問題はほぼ満点が取れる。
最後に、東大の二次試験で問われる中論述・大論述の対策に入ろう。
このときまずはじめに使うのは、市販の論述対策の参考書だ。
論述の経験がない人にとって、いきなり過去問に取り組むのは難しい。
論述のコツは、少ない文字数の場合と共通する点もある。
例えば、解答に端的にポイントを盛り込むことや、メモを作ってから文章を書き起こすという方法論である。
おすすめは、中谷臣の「世界史論述練習帳new」である。
そして、論述問題の解法が身についてきたら、過去問を並行して進める。
このとき、赤本の解説を見て自分で採点するだけではなく、世界史の先生に添削してもらおう。
まとめ
この記事では、東大世界史対策に必須な5つのアイテムと合格点が取れる最強勉強法を解説した。
東大世界史対策には、教科書、参考書、図説集、用語集、赤本の5つが必要だ。
それらを使って、高校三年の夏までには通史を二周、高校三年の秋までにはセンター対策をしながら基礎力を養成しよう。
そして、最後に論述対策をおこなうことで、効率的に東大世界史の対策ができる。
この勉強法を実践して、東大世界史で合格点を取ろう!
【参考】
・「東大の世界史25カ年[第4版] (難関校過去問シリーズ) 」(Amazon)
・「最新世界史図説 タペストリー」(Amazon)
・「世界史B用語集」 (Amazon)
・「ナビゲーター世界史B (1) 」(Amazon)
・中谷臣「世界史論述練習帳new」