いくら勉強しても覚えられないよ……
そんなこと思っていませんか?
定期試験、受験対策、いろいろな場面で暗記というのはとても重要になってきます。
英語の構文や単語、歴史の人名、生物の分類……数学でさえ、公式や定理といった記憶物がたくさんあります。
高校までの勉強で、暗記はとてもとてもとっても、大切です。でもだからこそ、暗記が苦手だと大変です。困ります。勉強しても勉強しても砂が指の隙間から流れ落ちていくような感覚に襲われ、教科書を破り捨てたくなった経験は誰でもある(かもしれない)と思います。
安心してください。
暗記は能力ではありません。努力でもありません。
暗記はコツです。技術です。
いかに効率良く、いかに効果的にやるかが重要なのです。
そしてその中心となるキーワードこそが、「繰り返し」なのです。
今回はあらゆる勉強に使える「繰り返しの法則」について説明しようと思います。
まずは暗記で一番大事なエビングハウスの忘却曲線の話。次に忘却曲線からの脱却方法の話です。
あ、そうそう。その前に一つだけ。この文章を読み終わるまで以下の7桁の数字を覚えておいてください。
1024730
暗記は繰り返しが全て!エビングハウスの忘却曲線
エビングハウスの忘却曲線、というものを聞いたことはありますか。
ざっくり言うと、昔どっかの偉い心理学者が考え出したグラフで、人が時間の経過とともにどのようにものを忘れるかを表しています。
ざっくりしすぎですかね?(笑)
もうちょっと詳しく言うと、こういうことです。
人は10個のものを覚えたとして、1日後に1個、2日後に2個、3日後に3個、というように忘れるわけではない。20分後に42%を忘れ、1日後には74%を忘れる。そして1ヶ月経っても忘れる量は79%にしかならない。
つまり、忘却というのはほとんど最初の1日で起こるわけです。
英単語を100個覚えても、20分後には58個しか覚えていないのです。1日後には26個ですよ?
覚える気もなくなります。
でもご安心を。ちゃんとこの呪いのような曲線から抜け出す方法があるんです。
(あ。ちゃんと数字覚えてます?)
暗記するならエビングハウスの忘却曲線を逆手に取れ!
大層なタイトルをつけましたが、やることは簡単です。
何度も書いている「繰り返し」。それだけです。
ただし、むやみやたらに繰り返せばいいというものではありません。やり方を間違えれば効果が半減します。時間も余計にかかってしまいます。
たいていの知識は数回繰り返せばかなり長いこと(受験には十分なくらい)記憶に残ります。小学校の頃好きだったあの子の名前を何年経っても覚えているのと同じように、平清盛の名前を覚え続けておくことができるのです。
重要なのは、「タイミング」です。
恋愛はタイミングが全て、なんて言いますが、暗記もタイミングが全てです。
繰り返すべきタイミングは4回。
学習直後、10分後
学習の1日後
学習の1週間後
学習の1ヶ月後
30分から1時間ほどの勉強を1回と考え、すぐに繰り返します。繰り返す、といっても、5〜10分ほどで確認をするだけで良いです。見たばかり、覚えたばかりのところですから、ラクラク思い出せるはずです。
そして1日後。驚くほど楽に、繰り返せるはずです。5分もあれば全部確認できるでしょう。わたしはこれも2、3分でやってしまいます。
あとは同じことです。1週間後、1ヶ月後にも5〜10分の復習をするのです。
覚えた教科書やノートの端っこに、学習した日、復習した回数をメモしておくといいでしょう。④まで書いたらもう完璧です。その教科書のことはしばらく忘れて次の本に行きましょう。
このように復習すると、忘却量が20%くらいまで抑えられるんです。覚えたことの80%はかなりの期間覚えていられるということです。
終わりに
さてみなさん。最初に覚えた数字、まだ覚えていますか?
1024730
です。
実はこれ、意味のある数字だったんです。
10分、24時間、7日、30日
もうわかりますね? 復習をするべきタイミングです。
そしてもう1つ。ちゃんと最後まで覚えていた人はあることを必ずしていたはずです。
そう。繰り返し、です。
文章を読みながら、頭の片隅で繰り返していた。だからこそ、ここまで覚えていられたわけです。繰り返しの重要さを感じていただきたくて、こんな課題を出してみました(笑)
……というわけで、今回はエビングハウスの忘却曲線に基づいた暗記の繰り返し方を紹介してみました。
わずか15〜30分ほど余計に勉強するだけで、定着度が20%から80%まで増えるんです。やらないだけ損でしょう?
ぜひ、試してみてくださいね!!
(白黒熊 東京大学法学部)