大学受験.netは東大・医学部などの専門オンライン塾 赤門アカデミーが運営するメディアです。→赤門アカデミー公式

東大と京大の入試難易度の違いと攻略法を、現役東大生が比較・解説してみる

大学の中には、入るのが難しいといわれている難関大学というものが存在する。

 

その中で最も難しいといわれているのがみんなの知っている東京大学と京都大学の二つだ。

 

しかし、これらの大学は単に一番難しいというざっくりとしたイメージしか持っていない人が大半だろう。

いったい、これらはどちらのほうが、入試難易度が高いのだろうか

また、それらはどの程度の難易度なのだろうか?

 

ここでは、東大と京大を比較して、それらの入試問題の難易度について徹底解説する。

また、それを受けて大学受験に関するアドバイスを高校生に向けて紹介する。

これを読んで、難関大学を目指す受験生は、東大と京大がどんなふうにちがうか、どれくらい入試問題が難しいが知って、志望校の参考にしてほしい。

目次

東大と京大はどちらが難しい?

おそらく、いろんな人が東京大学と京都大学のどちらが入るのが難しいのか、どちらの入試問題が難しいのかという疑問を持っているだろう。

 

一応「世界大学学術ランキング2015」によると21位が東大で26位が京大と、東大のほうがランキング的には上になっている。

(参考→http://www.shanghairanking.com/ja/ARWU2015.html

 

しかし、これは単なる大学の学術的な面でのランキングであり、入試問題が、どちらが難しいのかという比較にはなっていない

 

実は、東大と京大どちらが難しいかという答えはない

 

東大と京大の入試問題は確かに両方ともとてつもなく難しい。

しかし、両大学とも入試問題の形態はそれぞれかなり違っている。

また、入試形態も違えば年によってまた、科目によっても難易度が異なってくる。

 

このように、入試形態の違いや、年度や教科による難易度のばらつきがあるため、二つの入試問題の難易度を単純に測れないのだ

 

このような意味でどちらが難しいかという答えはない。

 

まずは、東大と京大の入試問題は全く異なるものであるということを認識しておこう。

東大と京大の入試問題の特徴

東大と京大の入試問題が全く違うということはわかっただろう。

では、次には東大と京大のそれぞれの入試問題の特徴を説明していく。

 

これを読めば東大と京大が全く異なった問題を出してくるということがわかるだろう。

東大の入試問題の特徴

東大の入試問題の特徴は端的にいうと、「スピード重視」だ。

これについてここでは、詳しく説明していく。

東大入試の全体的な特徴

「スピード重視」というのはどういうことなのだろうか?

 

東京大学の入試問題は確かに難しい

しかし、これを時間無制限で解けといわれると、意外に難易度は下がってしまう

実際、問題単体で見ると東工大、京大年度によっては他の七帝大の入試問題に難易度の面では劣ってしまうこともある。

 

つまり、東大の入試問題の難しさの要因は、第一には制限時間の短さにあるのだ。

これは、社会、理科、英語などに顕著にみられる。

 

これは、頭の回転の速さを見るためのものだと思われる。

東大の入試問題は一見難しいが、ちょっと頭をひねって本質をしっかりととらえると簡単に解けてしまうといった問題が多い。

これらの問題は本質さえしっかりつかめば時間自体はそんなにかからない

 

つまり、入試問題を通して、少し頭をひねって本質をしっかりつかむということを瞬時にこなせるか、ということを見ているのだ。

 

しかし、このように文字で簡単に書けてしまうが、本質を素早くつかむということはかなり難しい。

東大の合格者の最低点が、二次試験だけをみるとだいたい五割以下なのはそのためだ。

ゆえにこの時間の短さというのは、かなり東大の入試問題の難易度を上げている。

東大の外国語に対するアプローチ

外国語の入試問題の形態も東大と京大とでは違ってくる。

 

東大の外国語の入試問題には、英訳や日本語訳などの典型的な問題形式はあまりみられない。

 

それよりも、二次試験では珍しい、要約、英作、リスニング、小説読解などを含んでいる。

このように外国語は外国語でも、ただ英語を訳せたり、日本語を英語に変換でききたりするだけでなく、英語などの外国語でもしっかり言語処理ができるかという、総合的な力を見ているのだ。

 

総合的な力を見ているため、帰国子女にはかなり易しい入試問題になっているわけだ。

 

時間が短い中で、これだけ多くの能力を要求されると、かなり難易度は上がってくる。

外国語単体でいうと、京大より東大のほうが難しいのかもしれない

京大の入試問題の特徴

京大の入試問題の特徴を端的に言い表すと「じっくりと考えさせる」だ。

ここでは、それについて詳しく解説していく。

全体的な特徴

東大が短い時間で頭の回転を見るのに対して、京大はその逆ともいえるじっくり考えさせるタイプの問題を出題してくる。

 

問題単体で見ると、平均的には確かに京大のほうが、東大にくらべて入試問題の難易度は高い。

東大みたいに、少し頭をひねったくらいで簡単に解ける問題はむしろ少ないだろう。

 

しかし東大と違い、京大は難易度が上がっている分、考える時間を十分与えている。

つまり、時間的にな厳しさはそこまでないのだ。

 

たっぷり時間を取らせて、そこでじっくりと考えさせるということをさせて、粘り強い思考力をみているのだ。

京大の外国語に対するアプローチ

東大が外国語の総合的な力を見ているのに対して、京大が見ている外国語の能力は二つだけだ

 

それは、外国語の入試問題としては定番の「和訳」「英訳」だ。

 

それに、東大のように時間が厳しいわけではない。

 

これは、京大が英語は、学術論文などを読んで理解して日本語に直したり、その逆を行ったりすることができれば十分だと考えているからだろう。

 

このように考えると、京大が求めている外国語の能力は東大より少なく、入試問題も東大よりも簡単だと思える。

 

 

以上の様に、東大と京大の入試問題の特徴はかなり違っている

このため単純比較ができないのだ。

受験生へのアドバイス

このように、入試問題の特徴は大学によってかなり違っている。

ゆえに志望校を選ぶときや、大学受験の勉強をするときは少し注意しなければならない

 

ここでは、東大、京大の入試問題の違いを受けて志望校を選ぶ際や、大学受験の勉強のアドバイスを紹介する。

行きたい大学と自分に合った大学、自分が行ける大学の折り合いをつける

当然、あなたに行きたい大学があることはいいことである。

しかし、今現在、あなたが行きたい大学が、あなたに合った大学とは限らない

せっかく合格して入学しても、『こんなはずではなかった』とならないように、両者の折り合いをつけることが大切である。
 

東大、京大もこのように入試問題に大きな違いが見られると、どちら自分に合っているかなどがはっきりするはずだ。

 

また、東大や京大などの難関大学では、自分が行きたい、自分に合っている、という以前に、自分が現実的に入れるか、という意味も問われてくる。

 
受験に費やせる時間は有限である。高望みしすぎて、本来行ける大学すら落ちるということがないように、自分の実力をしっかり推し量ることも大切と言える。

過去問研究は必須

上で書いたように、東大と京大では入試問題の形態がかなり違うわけである。

他の大学にもそれぞれ入試問題の特徴があり、それを攻略していくためのコツは大学によって異なってくるわけである。

 

であるならば、大学受験の勉強で過去問の研究は欠かせないことだということがわかるだろう。

 

確かに初期の段階では、基本的な問題で基礎を養うことはきわめて重要だ。

しかし、そればっかりでは特に難関大学になると受からない。

 

しっかりと半年以上(東大、京大であれば一年以上)入試問題の研究ができる時間を確保し、それぞれに入試問題の特徴をつかんでいくことは極めて重要である。

 

受験勉強において絶対に過去問研究はやろう!

志望校は決めたら変えない。

このように東大や京大の間でも入試問題に差があると、その過去問を攻略していくのにかなりの時間がかかるのがわかるだろう。

これは、東大や京大に限った話ではない。

 

志望校をころころ変える人は受からないといわれている。

これは、この観点から考えると極めて妥当なことだと思われる。

 

入試問題ごとの特徴がこうも異なると攻略に時間がかかるのは当たり前で、ここでコロコロ志望校を変えてしまうと、一つの大学の入試問題の特徴をつかむ時間が短くなる

十分特徴をつかみきれないまま入試を迎えてしまい残念ながら不合格になってしまうケースは少なくない

 

よって、志望校は一度決めたら、よっぽどのことがないかぎりできれば変えずに、そのまま一生懸命勉強すべきなのだ

 

 

以上が、各大学の入試問題の特徴のから言える、受験勉強のアドバイスである。

この3つは是非意識しながら受験に取り組もう。

まとめ

以上が、東大と京大の難易度の差異とそれを受けた受験生へのアドバイスだ。

 

このように、東大と京大だけでもかなり難易度や入試の特徴に差異があるのがわかっただろう。

 

また、大学ごとに入試問題の特徴に違いがあるゆえに、様々なことに注意して受験にいどまねばいけないことも分かったと思う。

 

是非これらのことは受験を今後する人であれば意識して勉強に取り組んでほしい。

必ず第一志望への合格が待っているはずだ

(celly 東京大学理科二類在学)

目次