「受験生なんだから勉強しなさい!」
世の中のオトナたちはそんなことをよく言います。でも、言われるこっちとしては「受験生だからってやる気が出ると思うなよ」と言い返したくなります。
もちろん、勉強が好きで好きで、受験と聞いただけでよだれが出る人も中にはいるかもしれませんが(いや、いないか(笑))、僕を含めた世の中の大半の人間はそうじゃない。
というかむしろ、「やれ」と言われるとやりたくなくなったりするわけです。
……本当はわかっているんです。学歴がモノを言う理不尽な世の中で生きていくためには大学受験で失敗するわけにいかないことも、そのためには将来なんの役にも立たない人名や記号の羅列を覚えないといけないことも。
わかっているんだけど、やる気が出ない。
もどかしいですよね? 苦しいですよね? イライラしますよね?
そんなあなたのために、勉強嫌いでもきっとやる気を維持できる方法、大公開しちゃいます!
なんで受験勉強しないといけないの?
勉強になかなか身が入らない原因で一番多いのがこれ。「本能寺の変で死んだのが信長だろうが秀吉だろうが、僕の人生には何の関係もないじゃないか」なんて思ってしまうと、すごーく無駄なことに時間と体力を使っている気になって、教科書を見るのも嫌になってしまう、なんてこともあります。
「いやいや英語とかね、将来絶対使うからね?」とか反論するオトナもいるかもしれませんね。でも、将来って何さ、って思うわけです。そんなのオトナの言う「いつか」と同じくらいぼんやりしてて信用ならないものじゃないかと。
もっとはっきり言うならこうです。
「将来などというものは何ら中身のない空疎な概念であり、そんなものに高校生という二度とない“今”を費やすのは宝くじに有り金つぎ込むようなものであるッ!!」
……なんて言って勉強なんて投げ捨てて、どこまでも自由に過ごすことができるならいいんですけどね。現実はそうもいかないですよね……残念ながら。
勉強なんて嫌いだしつまらないしやる気でないしだけど受験だし。
そんな場合、どうしても勉強をしないといけない時に使える作戦があります。
自分なりの答えを勉強へのやる気にする
なんで勉強するかわからないからやる気が出ない。それなら理由を見つければいい!という非常に単純な話です。
「世の中そんなうまくいかないだろ」って言いたくなるかもしれませんが、まあ、もう少し読んでみてください。
……突然ですが、あなたには将来の夢、ありますか?
「宇宙飛行士!」みたいにはっきりした夢じゃなくても、好きなこと、やってみたいこと、なんでも“夢”です。
世界中を旅したい。家でゴロゴロ暮らしたい。猫に囲まれて押しつぶされてみたい……あ、失礼。これは全部僕の夢ですね。
とにかく、どんなことでもいいんです。考えるとわくわくする何か、頭の中で妄想しているだけで1日を過ごせてしまうような何か、きっとあるんじゃないでしょうか。
もし「パッと思いつかないよ!」と思うなら、最近人からほめられたこと、うれしかったこと、よく人から頼まれること、一つ探してみてください。
ほめられることはあなたが得意なものです。うれしかったことはあなたが好きなことです。よく人から頼まれることはあなたの特技です。
得意も好きも特技も、あなたの夢の種になるものです。どんなにくだらないと思えることでも、です。例えば僕は野良猫に会った日は1日幸せな気分で過ごせますが、これだって立派な“好き”です。
この夢の種を大事に育ててみる事が、勉強へのやる気アップへの第一歩です。
「こんなことが得意なら、何ができるだろう」「こんなことが好きなら何をしたら楽しいかな」「この特技、どうしたらもっとうまくなるかな」なんて想像してみるんです。実現できるかどうかなんてどうでもいいです。そんなのはあと、あと。
夢の種をやる気にする
……夢は育ってきましたか? わくわくしますか? 気づいたらにやけてますか?(電車の中では要注意!)
ここまで来ればあとは単純です。あなたの夢と勉強をつなげるんです。
自分の夢に、こんな質問をしてみてください。
「この夢にはなにが必要かな?」
必要なのはなんですか? お金? 時間? 人脈? 体力かもしれませんね?
挙げられるだけ挙げればいいです。大切なことは、大きな紙に書き出してみることです。夢を想ってわくわくしている勢いで書き出すんです。わくわくパワーがなくなってきたら一回休んで、また妄想を膨らまして……その繰り返し。
書き出すときはできれば大きい無地の紙を用意するといいです。
真ん中にあなたの夢、もしくは夢の種を書いて丸で囲う。そして右側には「どんな夢なのか」「夢が叶ったらしたいこと」「夢を叶えたあなたはどんな風に過ごしているのか」などなど、思いつくままにわくわくを言葉にします。
左側には必要なこと、書いていきます。もし気が向くなら色ペンを使ったり、イラスト書いてみたりしてもいいです。
とにかく大事なのは、わくわくすること、作業を楽しくやること、自分の思いを書き出してみることです。
もう一度、勉強嫌いがやる気を出す方法
だいぶ勉強から離れた気もしますが、大丈夫。急がば回れ、です。これからちゃんと勉強の方に話は戻ります。
あなたがやっている勉強、いろいろあると思います。全教科嫌い!……という人ももちろんいますが、この教科はわりと好きかな、なんていうのが一つ二つある人も多いでしょう。
好きなものについては、勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強、とゲシュタルト崩壊しそうな勢いで自分を追い込まないようにして、楽しんでいればやる気は維持できます。ですが問題は嫌いな教科、苦手な教科。
ここでさっき夢を書き出した紙です。「夢ノート」とでも呼びましょうか。
夢ノートを見てみてください。あなたの嫌いな教科がそのまま役に立ちそうな「必要」はありませんか?
例えば、医者になりたくて、薬の知識が必要で、化学が嫌い、というような場合です。
「医者」←「薬の知識」←「化学の勉強」
見つけたら、「薬」の横に「化学!」と大きく書き込んでください。
うまく「必要」と結びつかなかった教科については、もう少し「必要」を細かくしてつなげてみましょう。
例えば、いっぱいおしゃれな服を着たくて、お金が必要な場合は、お金が儲かる仕事が必要で、そのためにはいい大学を出なくちゃいけなくて、そのためには日本史の勉強をしないと!みたいなことです。
「おしゃれな服」←「お金」←「いい仕事」←「いい大学」←「日本史の勉強」
つながったら、これもやっぱり夢ノートに書き込みます。
こんな風にして、大きな紙一枚に、自分の“大好き!”と“大嫌い!”を一緒に書いてつなげておきます。そして次から勉強をするときは、この紙を眺めて一人でにやにやわくわくしてから始めてみてください。
あれほど嫌だった勉強が、意外なほどすんなりできるようになっているはずです。
おわりに
勉強というのは、ほとんどの人が避けて通れない道です。でもだからこそ、無理やり頑張るんじゃなくて、自分が楽しめるようなやり方でやるのが本当に大切です。
やる気を出す方法、勉強を習慣にする方法、それぞれいろんな本があり、いろんな手法がありますが、何よりもまず大事なのは“わくわく”ではないかと、僕は思います。
勉強がなかなか進まなくてネットサーフィンをしてこのページにたどり着いたあなた。どうせ勉強できないなら時間が無駄になることもありません。試しに夢ノート、作ってみませんか?
(白黒熊 東京大学法学部)