東大の入試でどの程度得点できるかはその教科ごとの勉強法や、過去問演習の方法によっても異なってくる。
しかし、現代文はどのように勉強しけばよいのか、どのように過去問を解いていけばいいのか一番悩むところである。
ここでは、東大現代文の過去問演習方法を紹介する。
これを読めば、どのように現代文を勉強していけばよいのか、明確にわかるはずだ。
東大現代文の過去問演習の事前準備
東大現代文の過去問演習を始める前に、現代文という教科の構造とその勉強方法を考えておくことが重要だ。
また、東大国語全体での特徴や過去問演習の方法も知っておくことも準備として必要である。
まずは、この記事を読む前に以下の記事を読んでおいてほしい。
東大現代文の3つの対策法と絶対得点が上がる参考書6選
東大現代文の構造
まずは、東大現代文の問題の構造について説明していく。
現代文という科目は日本語の文章に対して、受験生が、筆者が伝えたいメッセージをどの程度理解しているのか、出題者がそれについて質問して確かめるものである。
これは、東大入試においても変わらない。
東大現代文では、漢字以外は、傍線部についての問題がほぼすべてだ。
では、どうして傍線部の問題によって、文章すべての理解度がわかるのか?
一つの傍線部問題には、文章中でその答えの根拠となる部分が含まれている範囲が決まっている。
つまり、この問題の答えはここからここまでの範囲から答えを拾ってくる問題ときまっているのだ。
また、その範囲は傍線部周辺に配置されており、問題ごとによって重複することはほぼない。
つまり、それぞれの問題は文章中である一定の範囲を担当しており、その部分を結果的に要約などさせることによって、その部分についての理解度を確認しているのである。
傍線部問題はこのような構造となっているのだ。
まずはこのことをよくおさえておこう。
東大現代文の問題の解き方
東大現代文の問題には以下の2種類が存在する。
「『傍線部』とあるがどういうことか。」
「『傍線部』とあるがなぜか。」
ここでは、それぞれの問題について、どのような手順で解いていけばよいのか説明する。
まずは傍線部の分析から
「どういうことか」問題でも、「なぜか」問題でも、まずは傍線部を徹底的に分析することが必要だ。
傍線部をそれぞれ、分解して、傍線部がどんな構造となっているのか徹底的に分析しよう。
もし、ここを怠ってしまうとそのあとの作業が無意味になりしっかり点数をもらえない。
まずは、徹底的に傍線部を分析しよう。
根拠拾いの範囲の選定
傍線部の分析を行ったら次は、答えを作るうえでの根拠を拾う範囲を選定しよう。
どの傍線部問題も文章中のある一定の範囲の理解をみている。
つまり、答えはその中から拾ってこなければならない。
しかし、この範囲は文章中に書いてあるわけではないので、段落の構成やその個所での内容から、その範囲を選定しなくてはならない。
この範囲を間違えてしまい、他の範囲から根拠を探してくると、文章を全く理解できていないことがまるわかりになり、全く点数をもらえない。
この範囲の選定になれも必要であるが、必ず間違えないように注意しよう。
「どういうことか」問題
ここでは、「『傍線部』とは、どういうことか説明せよ。」という問題の解き方を説明していく。
どの問題でも、傍線部を分析して、それぞれの要素に分解し、根拠拾いの範囲を選定しなければならないことがわかった。
「どういうことか」問題では、傍線部の各要素を根拠拾いの範囲からわかりやすくなるよう文章中の言葉を使い別の言葉で言い換えていくことが基本だ。(数学でいう同値変形に似ている。)
すべての要素を言い換えて満点を狙うことは、限られた解答欄に書かなければいけないため、多少短くなるよう言い換えが必要になってくるので、非常に難しい。
しかし、傍線部の骨格となる部分を言い換えることに成功していれば、6~7割ほど得点できるはずだ。
骨格となる部分をすべて言い換えることを目標として練習していこう。
また、以下には「どういうことか」問題でやってはいけないことを記す。
傍線部中の言葉は使わない!
当たり前のことであるが、傍線部中の言葉を解答用紙に書き込むことは、言い換えができていないということである。
しかし、これをやってしまう生徒が以外に多い。
その部分は減点されてしまい、勿体ないのでやめよう。
不適切が言葉を入れない!
答えとは関係のない、あるいは真逆の言葉を入れていると、採点者からは文章が全く理解できていないのがまるわかりである。
傍線部が担当している範囲外の言葉をいれるのも厳禁であるが、それ以外にも聞いていることと真逆の言葉、関係のない言葉などが文章中には存在する。
これらを入れてしまうと大減点になるので注意しよう。
要素間の論理関係を間違えない。
例えば、傍線部が「Aならば、B」とかいてあるとする。
文章中でそれぞれ、
A→A´B→B´
と正しく言い換えたとする。
これを、「A´ならば、B´」と答えずに「A´そして、B´」などと答えてしまっては、減点される。
つまり、要素間の論理関係は傍線部や本文中のものと全く同じものでないといけないのだ。
適当に答えを書いていると本文中の論理関係と違うものが書かれていることが多くなるので、ここは注意して解答をつくっていこう。
「なぜか」問題
ここでは、「『傍線部』はなぜか説明せよ。」という問題の解き方を解説していく。
基本的になぜかと理由を聞かれているので、
となるように、根拠を探していけばよい。(数学でいう証明問題に似ている。)
しかし、これは案外難しい。
基本的に「なぜか」問題のほうが難しくなるケースが多い。
過去問演習中に丁寧に練習しておこう。
また、以下にいくつかの注意点を記す。
トートロジーに気をつけよう
トートロジーとは同義反復、つまり同じことを繰り返し述べることだ。
「なぜか」問題では、原因を聞いているのに、結果の方を答えに書いてしまうことを言う。
例えば、「ダメ」と注意する親に、「なんでよ」と問う子供に対して「ダメだからダメ」という親は非常に非論理的だ。
これがトートロジーなのだ。
基本的にトートロジーは減点されない。
しかし、解答欄が非常に限られている中でトートロジーを入れるということは、その分だけ必要な要素が抜け落ちている場合が多い。
よって、結果的に点数が低くなる可能性が多いのだ。
できるだけトートロジーを書かないように注意しよう。
120字問題について
120字問題は基本的に他の問題と同じように「どういうことか」「なぜか」の二つの種類で問われる。
しかし、120字問題は非常に特別な問題なので以下のことを注意して解答していこう。
120字問題は必ず埋める!
120字問題は文章全体または、ほとんどの部分に理解を見ることができるので、得点が他の問題よりも倍近くあることが予想される。
よって、これを書かないのは非常に勿体ない。
普通の傍線部問題には1~2問ほど難しい問題があり、多少逃げ気味に解答を作ったり飛ばしたりしてもかまわない。
しかし、この問題は100字以上書かないとそもそも採点対象にならない。
なんとしても、120字問題は100字以上埋めるようにしよう。
「本文全体の論旨を踏まえて」という付帯条件に気を付けて
120字問題には以下の2種類存在する。
- 全文要約型
- 後半要約型
全文要約型にはだいたい「本文の全体論旨を踏まえて」という付帯条件がついている。
後半要約型については、途中で話が全く切り替わっていたりして、全体の論旨を踏まえようがないのでそのような付帯条件がついていない。
よって、120字問題は根拠拾いの範囲を注意深く見極めていくことが必要だ。
解答について
東大入試の解答を上げているのは、河合、駿台、東進などの予備校である。
また、赤本などにも東大入試の解答がのっている。
どれもある程度信用性の高いものだが、東大現代文だけ答えを見ると、各予備校の解答によっては全く違う。
いったいどれを信用すればよいのだろうか?
基本的に東進の解答を参考にしていこう。
他の予備校の解答は非常にひどく間違ったものも多いので東進以外の解答は基本的に信用しないでおこう。
まとめ
以上が東大現代文の過去問対策方法だ。
これで、現代文の過去問対策方法に迷っている人たちもしっかり対策できるはずだ。
この方法を実践して、現代文で高得点をねらっていこう。