大学入試というとまず一番先に思い浮かぶのは私立大学の一般入試や国公立大学の前期・中期・後期試験であることだろう。
しかし、東京大学や早稲田大学、慶応義塾大学といった難関大の数々には、その他にも様々な入試が存在するのを、あなたは知っているだろうか?
実は、帰国生入試や推薦入試など、多種多様な才能を持つ生徒に入試資格を与える入試があるのだ。
今回は、推薦と一括りに言ってもいろいろな種類がある推薦入試というものについて、東大や慶応・早稲田などの各大学でどんな推薦入試が行われているのかを紹介しよう。
この記事を読めば、東大と私立の推薦入試について完全に理解することができ、一般入試のみではなく、推薦入試を受験するということも、大学受験の選択肢に入れることができるようになるはずだ。
東大の推薦入試
東大では、平成28年度から推薦入試が導入されたばかりである。
東大の推薦入試は、11月上旬にまず出願し、書類審査を通過したものに対して12月の中旬に面接などが実施される。
また、その一ヶ月後に行われる大学入試センター試験の成績も加味されて最終的な合格者が決定する。
センター試験で必要な得点は約8割と言われており、前期試験や後期試験を受験する際に必要なセンター試験の得点と比べるとハードルが低いといえる。
これを聞いて、普通に受験するよりも楽に東大に入れそうだという印象を受けた者もいるのではないだろうか。
では、一体書類審査や面接ではどのようなことが見られるのだろうか。
昨年度から実施されたばかりの入試形態であり、まだまだ合格者のデータが少ない状況であるが、どうやら過去の実績よりも大学に入学後どのような学問や研究を行っていきたいかが明確になっている学生が合格しているようだ。
つまり、高校時代に学問分野で多くの実績をあげた「スーパー高校生」よりも、純粋に東大に入ってどうしたいかをはっきり書類に書き、また、面接でも言えることが重視されている。
ここで東大の入試についてまとめると、
- 11月に書類提出
- 12月に面接
- センター試験の得点も加味
ということになる。
東大を受験しようと考えている人は、推薦入試も是非視野に入れておこう。
慶応・早稲田の推薦入試
慶応大学や早稲田大学というと、いろいろな学部があり、それぞれに個性のある学生が多いという印象を受ける。
そのように、大学の雰囲気が多種多様な人たちで活気溢れる者になっているのは、人柄などを重視した推薦入試の導入によるところのものだ。
例えば、早稲田大学では、なんと推薦入試やAO入試で入学した学生が全体の生徒数の六割ほどだということだ。
では、一体、慶応・早稲田ではどのような推薦入試が導入されているのか、これから見ていくこととしよう。
自己推薦入試
導入している主な学部
早稲田大学:社会科学部・教育学部・スポーツ科学部
慶応義塾大学:文学部
高校時代のさまざまな活動を評価される自己推薦入試。
選考は書類審査、面接、小論文等によって実施される。
この入試形態の特徴は、出身高校の学校長の推薦によらず、自分で出願できるということだ。
ここで自己推薦入試についてまとめると、
- 10月頃に書類提出(内申書と自己推薦書)
- 11月頃に試験(面接や小論文など)
- 数日後(多くの場合一週間程度)に合格発表
ということになる。
指定校推薦
導入している主な学部
早稲田大学:政治経済学部・法学部・文化構想学部・文学部・商学部・基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部・人間科学部・国際教養学部
慶応義塾大学:法学部・商学部理工学部・薬学部薬学科
各大学が指定した高校に推薦枠を与えることから、「指定校推薦」と言われている。
各高校の学校長が希望者の中から推薦枠の数の分を選出し、推薦をする。
ほかの入試とは違い、大学と高校の間の信頼関係で成り立っている側面があるため、指定校の校長が推薦した生徒は高確率で合格をすることができるのだ。
しかし、出願する際に必要な内申が非常に高いことが多い。
ここで推薦入試についてまとめると、
- 9月頃に推薦枠の発表
- 10月頃に高校へ指定校推薦の立候補開始
- 10月末〜11月に合格発表
ということになる。
まとめ
以上が、東京大学や慶応大学、早稲田大学で行われる推薦入試である。
いかがだっただろうか。
東京大学の推薦入試はほかの国公立の推薦入試と同様、センター試験の得点が加味されることが、私立の自己推薦入試は学校長の推薦によらず自分の判断で出願できるということ、指定校推薦は学校側が推薦する生徒を選出するということが特徴である。
早期に合格を手にすることができる推薦入試は非常に魅力的なものに移るかもしれない。
しかし、どの推薦入試に於いても高校時代の真面目な性格態度や大学入学後のビジョンが明確であるかどうかが見られる。
この記事を読んだ君は、推薦入試の特徴を理解し、AO、推薦、センター利用、一般入試などさまざまな入試のなかで自分がどの入試を目標として勉強していこうか考えることができることだろう。
(celly 東京大学理科二類在学)