東大文一といえば、文系で最も難しい一つ……東大文一といえば、将来の官僚や法曹を育てるところ……
そんな噂を耳にしますが、実際のところ、入学する人はどんなで、授業は何を習って、みんなどのような学生生活を送っているのか。
そんな東大文一の実態は、実は意外と知られていないのです。
そんなわけで今回は、東大文一入学者で法学部在学中の私が、東大文一のあんなことやこんなことを赤裸々に書き上げてみようと思います。
もしかしたら予想通り!となるかもしれないし、えええっ東大ってそんなんなの!?となるかもしれませんが、できるだけリアルに即して書いてみます。(読んでどう感じるかについては責任を取りかねますので、ご自身お判断で読み進めてくださいね……笑)
東大文一はガリ勉エリートの集まり?
東大に入学して、クラスの顔合わせに参加しようと案内板を辿って教室に流れ着き、扉をガラリと開けたら神経質そうなメガネ顏のチェックシャツが一斉にこちらを見る。彼らの手元には何語だかわからない本があって、自分も胸に抱いたラテン語の本を机に置いて席に着く…………。
なんてことはもちろんないです。
ない、ですよ?
まあそういう「イメージ通り」な「イカ東(いかにも東大生)」もいますけど、それは割合的にはごく一部で、クラスにはのっぽもいればチビもいる、デブもガリもマッチョもいる。一年に何日も日に当たっていないような青白いのもいれば、君どこの体育大学の人?って感じの真っ黒けもいる。
本当に色々です。
ただ、間違いない傾向も一つだけあります。
え?勉強が好き?違う違う。
ほぼ、男、ってことですね。残念なことに。
私のクラスは35人中女子は5人でした(=多い方)。
東大文一の授業の予習復習は忙しいの? 試験は大変?
結論から言ってしまいましょう。東大文一の授業をうけるのに、予習復習なんてものは必要ありません(キリッ)
……もう少し真面目に言うと、一部発表系の授業と語学の授業は宿題とかがあるので、授業時間外の勉強が一切ない、というわけでもないですが、真面目にやったとしても1日30分程度のものがほとんどでしょう。
さらに言えば、授業が始める10分前にひらすら書き移す(何をとは言わない)という荒業に出る人も多数見受けられます。
つまるところ、高校時代と大した違いはないというところでしょうか。
ただ、試験は結構大変なものもあります。気を抜いていると必修が不可となって留年、なんてことはざらにあります。3年以降の専門科目ではもっと大変です。試験対策プリントなる授業まとめノート的なものがあるのですが、それだけでも一科目数百ページになったりします(教科書はその倍あります)。
一方で法学部(3年以降)ではゼミ以外に出席を取る授業が基本的にないので、人によっては一週間に一度学校に行くかどうかだったりします。それを楽と考えるか、むしろ大変と考えるかは個人の好み次第でしょう。
東大文一生は、どんな学生生活を送っているの?
これに関しては本当に人それぞれです。朝から晩まで図書館にこもって法律の研究に励み、学部首席で卒業した知り合いもいますし、運動会(部活)で主将をやってほぼ学校には来ていなかった、という法学部の知り合いもいます。
私自身はそれなりに勉強もしましたが、基本的には部活動とサークル活動をメインに据えた生活を送っていました。
ちなみに、司法試験予備試験や法科大学院を目指して塾に通いつめ、ひたすら試験の勉強をしている法学部生はほぼ見かけませんでした。ダブルスクールをしている人は一定以上いる気はしますが、サークル活動や部活動と両立している場合がほとんどだと思います。
もしかすると、これは他大学の法学部とは多少違うかもしれません。
終わりに
今回は東大文一(とちょっと法学部)の実態について書いてみました。
幻滅した人がいればごめんなさい、です。ただひとつ間違いないのは、少なくとも法学部においては日本の最高峰の教授が集まっていますから、本気で学びたいと思う人にとってこれ以上の環境はないでしょう。
自分がやりたいことを十分にできないことがあるとすれば、それは大学の問題ではなく、自分自身の問題であると考えるべきです。
……まあ、そんなこんなで東大文一(法学部)は自由なところですよ(笑)
(白黒熊 東京大学法学部)