東大の女子入学率を上げるためか、とも言われているが、今年は英語が難化した。

内容が難しくなった上、今までとの形式に加え、英語での要約などと新しい問題が現れ、戸惑った受験生も多かっただろう。

以下では、解答に至るまでの考え方の指針・解説とともに、二大予備校である駿台・河合の解答の良い点・悪い点の分析を行っていく。

第一問

(A) 要約

「噂」についての文章。

第一段落では、噂が広がる二つの過程(popular confirmationとin-group momentum)を紹介した後、popular confirmationとは何かを説明している。

第二段落では、in-group momentumの説明をし、第三段落では、これらの過程が誤った噂を広める危険性を減らす方法について書いてある。

比較的構成は分かりやすかったのではないだろうか。

解答としては、第一段落より「噂は二つの過程による」「その一つは大多数が信じることにより正しいと思ってしまう」、第二段落より「もう一つは似た考えを持つ人がいると、信仰が加速する」、第三段落より「そのリスクを減らすには、表現の自由が重要であるが、人は感情などに左右されやすいため、考えを変えることは難しい」という結論をうまくまとめれば良いだろう。

解答例:大多数の同調や、似た考えの人が周りにいることにより、誤った噂が広まる。それを減らすには表現の自由が重要であるが、感情に左右されるため考えを変えることは難しい。(79)

★駿台、河合の解答例はともに、「同調や集団内の意見の激化」「感情の妨げ」のようなキーワードが入っているが、結論が異なっている。

駿台は、人の考えは変わらない、とまとめており、河合は、噂を防げないことがある、と閉めている。

実際の問題文の最後の文章は、人の考え方についてであるので、駿台の解答の方が良いものであると言える。

(B) 穴埋め・英語要約

心理の実験についての文章。

人は、五感で感じたことを文章化する時、文章化したことに注目しすぎるため、その他の情報が薄れてしまう、情報の質が下がってしまうということを、実験を踏まえて説明している。

穴埋めをするには、前後の内容が分かっていないと解くことができないのできちんと理解することが重要である。

(ア)

(1) 前の文章では「五感を言葉にする」、後の文章では「言語化すると、情報を変える、または無くしてしまう」ということが書かれているので、その間に入ることは、「言葉にするということがよくない」と言った内容のものが合う。

(2) 前の文章では、「言語化することでよりよく覚えると思うだろう」、後の文章では「実際は、記憶が低下していた」と書かれているので、「その反対である」という意味を示すdが正解となる。

(3) これは段落の始まりであるため、前の文からは予測できない。後の文章では、「大きな努力を伴った心理実験の結果によって示されているように」と説明されているので、その実験によって示された何か、というのに当てはまるものを選べば良い。

robustの意味(強固な)を知らなくとも、消去法で選べると良い。

(4) 前の文章では、「説明をすると、元の情報を思い浮かべるのが難しくなる」、後の文章では、「もし他の人が、自分が感じたことを説明したとしても記憶が劣化する」と書いてあるので、fの他の人が言語化した場合も事実である、というのが入る。

(5) こちらも段落の始まるであるため、前の文章からは推測できない。

しかし、後の文章で、言語化することで記憶がよくなる例を挙げており、それまでは記憶が悪くなる例をずっと挙げていたので、hの、「常に悪いことであるというわけではない」というのが当てはまる。

ア (1) b (2) d (3) c (4) f (5) h

(イ)Jonathan Schoolerが発見したと言われていることは、「言語化すると記憶がそれに囚われる」ということである。

文法的に正しく、「言語化する」「記憶が劣化する」ということがかけていれば良いだろう。

If a non-verbal experience is verbalized, the focus will be changed and the original memory will be weakened. (18 words)

★駿台の解答例は、1も2もシンプルで書きやすく、どちらも、言語化の欠点といったテーマに沿って書いてあって良い。

一方、河合の解答例は、15字から20字という指定を無視しており(程度という言葉があるため、厳密には許される範囲かもしれないが、受験本番で危険を犯すよりは字数内に収めるのが無難である)、受験本番では思いつかないような難しい書き方をしているので参考にはなりにくい。

別解はシンプルで良い。

第二問

(A)

自由英作では、難しい言葉や構文を使おうとするより、まずは正しい英語で書くことを気にかけるのが一番である。

内容に沿って、ミスなく書けば、必ず点数はもらえるので、自分が思っていることではなく書きやすい内容で書くことが良い。

★駿台の解答例1は、自分自身を客観的に判断するのは難しい、と同意を示しており、解答例2は、それに同意した上で、客観的にみればすべてがわかるというわけではない、と意見を付け加えている。

河合は解答、別解ともにCassiusに同意する形を取っている。このように、どのような意見でも良いが、一般的にただ同意し、軽く説明する形が書きやすいのであろう。

(B)

It probably means that if you are content by doing only what you think you should do, your life will be over by the time you realize.

★「思い込む」駿台 assume 河合 believe 「すべき」have to do, expected of, should do, supposed to doなどと使っている言葉はバラバラ。東大の採点は柔軟であるので、意味が通れば良い。

第三問リスニング

(A)(B)(C) 音源がないため省略。

第四問

(A) 入れ替え

(21-22) inviting readers to solve the puzzle: g & b

前の文章がそれだけで完結しているので、動名詞を使って修飾するということに気がつけるかがポイントとなる。

inviting the readers to solve themにしようかと迷った人もいるかもしれないが、tooという言葉があり、前の文章ではsolving the puzzleと単数形であるため、theはpuzzleの前に置き、readersは冠詞がなくても大丈夫だと思い出せれば良い。

(23-24) who uses powers of thinking to accomplish: d & f

a kind of super heroがコンマの後に続いているので、それ自体がすべて修飾文だとわかると解きやすい。

よって、動詞をすぐ後ろに持ってくるのではなく、whoでつなぐ。その後は唯一の単数形に接続する動詞usesを使い、最後がgreat featsにつながるよう動詞を使おうと思うとaccomplishしかなく、それは単数形には繋がらないと分かれば、toを入れることも思いつくだろう。

(25-26) reasoning could hold the answer to any: d & h

まず、前後の内容から、「論理はすべての質問の答えを持つ」という内容は思い浮かぶと思うので、それに合わせて考えていけば良い。

まず、簡単なのは、最後questionにつながるのはanyである。promised thatときているので、その後は主語になるものを選ぶが、ここでは、論理について話しているので、reasoningを持ってこられると良い。

後は文法的に意味が通るよう試行錯誤すれば見つかるだろう。

(27-28) troublemakers and let honest souls sleep: c & e

track down theときているので、悪者を指す言葉を見つければ良い。

他の語句は、内容が違うとわかると思うので、andで挟む。at nightの前にはsleepが来ると想像がつき、letが来たらその後には主語がくるとわかるので、soulsを入れ、余った形容詞は文法的に意味の通るところに入れればOK。

(B) 英文和訳

(ア)それはざっと人間1人につき30から60羽ほど生きている鳥がいるということである。

★人間という言葉を入れることがポイント。

(イ)私の考えでは、これによって、私たちが想像することもできない形で鳥が賢いという考えを飲み込むことが難しいと多くの人が思っていることが、驚くべきこととなっている。

★ちょっとした言葉が違っていても、ニュアンスがあっていればOK。構造はできる限り英語から変えない方が採点者に取って分かりやすいので良い。駿台も河合も、言葉は若干違うものの、構造は全く一緒である。

(ウ)彼らの精神的強さは、私たちの複雑な考え方に合わないし、似てもいないとしても、例えば、試行錯誤せず学んだ、突然完璧な解決法を思い浮かべることのできる洞察力のように、彼らは私たちの思考の元になるようなものを持っている。

★河合は、seedsをそのまま種子と訳しているが、駿台の「もととなる」と言った意訳の方が内容を理解しているということをはっきり表せるので良い。減点にはならないと思われるが。

第五問小説文、随筆文読解

(A) 彼女が耳が聞こえないということについて言及していないのは、いかにも彼女の母親らしいだろう。

★her motherとあるので、駿台のように「私の耳」と訳すのは変。筆者はあくまで第三者である。

like人 で 人らしい、という意味がある。

(B)

(29) e

(30) d 写真の話なので、「何の写真?」と入れるのが無難である。

(31) a two breath-filled wordsとあるので、二つの語を選ぶ。内容からも選べる。

(32) f  前の文でI need you to…、後の文でI doと、あるので、それを否定するとNo, you don’tになる。

(C) (33) d 最初、goの種類を入れたくなるが、hadの後はgoneでなければならず、something __ wrongにはgoneでなくwentを入れなければならないのでどちらも違う。

seemedもsomething seemed wrongでは通るが、had not seemedだと意味が通じない。endedはそもそもどちらも入らない。

soundedだと、「何かがおかしく聞こえた、いやそもそも何も聞こえなかった」というように耳の聞こえない人をうまく表すことができる。

(D) (34) d その前の文に、その場所はto withdraw intoと説明されているので、それを言い換えたdが正解。

(E) Janeyの母親が、Janeyを叩いたことは、仕方がないことであるということ。

★河合の「自分のいうことを聞かない」部分はなくてもOK。

下線部の前のHer father told her,のherはJaneyを表しているので、会話文の中で、Janeyの父親が話している相手に向かって第三者的な話し方をするのはおかしいので、会話中のherはJaneyの母親になる。

その母親がしたこと言えば、Janeyを叩いたことである。

(F) know something about the buildings, the ones I will photograph

need toの後は動詞が来る。また、コンマがあるので主語+述語がもう1セットできると考えると、photographも動詞にしなければならないということに気づく。

Mr. ClarkはJaneyに歴史を教えて欲しいと頼んでいるので、「知らなければならない」と言った文章になると考えると、最初部分がI’ll need to know..になるとわかり、knowの後に続くのはsomethingと予想ができる。

(G) (35) d

itとはcleaningのこと。しなければならない、言われているから、cleaningが待てば良い、と返したということである。