東大の入試日本一難しいといわれている。
しかし、その中でも、差がつきやすい教科と差が付きにくい教科がある。
おそらく最も差が付きやすいのが理科だろう。
つまり、正しい方法で勉強していった人は、高得点を狙えるし、逆に間違った方法で勉強しなかったものは、得点は格段と低くなる。
特に過去問を最大限に活用できるかが、ポイントだ。
ここでは、最も効果的な東大物理の過去問演習方法を紹介する。
この方法を使えば、本番理科全体で100点以上狙うことも可能である。
東大物理過去問演習の事前準備
東大物理をクリアーするうえで、物理学を体系的に完璧に理解しておくことは、必要不可欠だ。
どこかに曖昧な理解があると、すぐに東大はそこを突いてくる。
いくらその場で考えても、問題は解けない。
また、完璧に物理学の体系理解がなされていないといくら問題演習をしても、伸びない。
問題演習はあくまでも、理解度のチェックなので、理解がなされていいないのに、過去問演習に取り組んでも、時間も過去問も無駄になる。
よって、過去問演習をする前に、まずは物理を完璧に体系的に理解しよう。
東大物理の過去問の特徴
東大物理の過去問演習をするうえで、配点、時間、などの特徴をおさえておくことが、重要だ。
ここでは、配点、時間、問題形式などの形式的な特徴を紹介する。
東大化学の配点と時間
東大理科では、選択科目を2科目選んで、それを150分でいっきに解かせる。
よって、時間は他の教科とのバランスで150分以内であればいくらでも自由にできる。
他の選択科目を考えて適切な時間配分をしよう。
配点は理科の半分の60点だ。
大問ごとの構成。
大問は全部で3題あり、それぞれの大問ごとに中問が2つ存在する。
以下が、それぞれの大問でおおまかにどんな分野が出題されるかだ。
問題 | 分野 | 配点 |
第一問 | 力学 | 20点 |
第二問 | 波動、熱力学 | 20点 |
第三問 | 電磁気学 | 20点 |
毎年これは決まっているので頭に入れておこう。
注意2015年度から新しく原子分野が高校物理の範囲にはいった。しかし、2015年度の東大物理では浪人生に配慮した結果、原子分野の出題はなかった。よって、2016年度から原子分野が導入される可能性が高いがどの大問として出題されるのかは、未定だ。原子分野については、過去問はないので各々で十分学習して、理解しておく必要がある。
以上が問題の形式的な特徴だ。
過去問演習をやる前には、まずは敵を知ることだ。
これをしっかり頭に入れておこう。
10年より前の過去問
東大の問題は、昔と少し問題形式が違ったり、量が違ったりする。
物理もそれの例外ではない。
よって、昔の問題と最近の問題で演習スタイルを分けていくべきだ。
まずは、10年より昔の過去問の演習方法を紹介する。
最初は、このような過去問から解いていこう。
時間ははからずに
この演習は、本番を想定した演習を目的としているわけではない。
これは、自分の理解が本当に曖昧でないかの確認の、そして、東大物理の問題形式に慣れるための、過去問演習である。
そのため、時間をはかってプレッシャーの中で、解いてしまうのでは、演習の意味がない。
時間をはからずに、落ち着いた状態で理解できているか、確認していこう。
ただし、数学の過去問演習の様に、無限に時間をかけていいというわけではない。
そもそも、問題に向かってずっと悩んでいるようでは、完璧な理解がなされているとは言えない。
大問一題あたり、だいたい40分程度で済ませてしまうようにしよう。
分野別に解いていこう。
これは、必須ではないが、数学と違い、年代別ではなく、分野別に解いていこう。
数学では難易度のばらつきがあることが前提とされているため、簡単な問題を識別する能力の育成という面で年代別に解いていくことが望ましい。
しかし、物理ではそもそもしっかり理解している人は、全部解けて当たり前なのだ。
よって、多少の難易度にばらつきがあるにせよ、それを識別することが必須ではないのだ。
よって、そもそも年代別に解く必要がない。
よって、ここでは、分野別に解いていくことをお勧めする。
間違えた問題、できなかった問題は要注意!
問題演習なので、間違えた問題、できない問題が出てきてしまうのは当然だ。
その中で、計算ミスでの間違いなどは、解きなおしだけでよい。
しかし、解答プロセスがそもそも間違っていたり、手が全く付けられなかったりした問題は、解きなおしだけでは十分でない。
この過去問演習の目的の一つは、物理の曖昧な理解がないかのチェックである。
解きなおすだけでなく、そこの分野の学習をもう一度参考書などで行い、他の問題集などに例題があれば、徹底定期にやっておこう。
過去10年以降の過去問
10年より昔の過去問の演習が終わった人は次に実践用に過去10年以降の過去問の演習をしていこう。
以下にその方法を示す。
必ずもう一つの理科の選択教科とセットで
理科は、物理だけを単体で解くわけではない。
化学、生物、地学のいずれかと、150分で解いていく。
もちろん、本番を想定した、実践的な演習なので、時間ははかるのは大前提だが、一教科だけ75分ではかっても全く実戦的でない。
よって、自分の選択するもう一つの選択教科とセットで150分はかって解くようにしよう。
物理は65分で終わらせるのが理想
ここで、2教科セットで解くにあたって、物理選択者は単に75分と半分に時間をわけて物理にさくことは危険だ。
なぜならば、物理に比べて、化学、生物のほうが、圧倒的に問題数が多いのだ。
それに、物理は完璧に理解さえしていれば、問題を解くスピードを比較的上げることができる。
よって、65分で物理をある程度終わらせられれば、化学や生物により多くの時間をさける。
そして量が多い化学と生物では、時間をかけるほど得点が伸びる。
つまり、理科の点数が全体的に上がるのだ。
物理は65分で解けるように頑張って演習を重ねよう。
解けなかった問題
解けなかった問題は当然出てくる。
そこで、いったん解けなかった問題を取り出して、時間をはかり終えてから落ち着いて考えてみよう。
そこで、解けてしまえば何の問題もない。
しかし、
そこで解けなければ、解きなおしだけでなく、2.3と同様にそこの分野の見直しも一緒にしておこう。
25年分過去問を解き切ってひまったら
人によっては、25年分解き切ってしまって、もう問題がないという人がいるかもしれない。
しかし、そんな人たちでも、まだまだ演習できる問題はたくさんある。
ここでは、過去問以外にできる演習を紹介する。
東大後期試験の過去問
東大後期試験の過去問も2007年度以前の物理なら十分問題演習になる。
是非、東大後期の過去問も物理の演習として用いて、さらにレベルアップしよう。
東大型模試の過去問
東大型の模試も活用可能である。
問題の出来などに多少問題のある模試も存在するが形式的にはどの問題よりも似ているので、演習する価値は十分ある。
他大の物理の過去問
東大の物理は、確かに難しいがそれは、時間制限が厳しいことに由来する場合もある。
単に問題の難易度だけで言えば、東大と同等かそれ以上に難しい物理を解かせる大学はいくつか存在する。
それは、
などだ。
特に京大、東工大あたりは良問も多い。
時間配分が違うので、これらは、10年より昔の東大の過去問と同じ扱いで解いていこう。
まとめ
以上が、東大の物理の過去問を最大限にいかした、過去問演習方法だ。
過去問は有限で本当に貴重である中、間違ったやり方では、時間も過去問も無駄になってしまう。
この方法を用いて、本番、理科で100点以上を目指していこう。
なお、物理だけ対策しても理科全体で高得点を取ることは難しい。
合わせて、化学などの他教科の演習方法も理解しておこう。