東大の入試は、非常に難易度の高いものだ。
しかし、その中で最も受験生に差が表れやすいのが、物理、化学、生物、地学を含んだ理科だ。
よって、理科の攻略が東大の理類志望者にとって、カギを握っている部分が大きい。
差がつく理科で成功するためには、正しく過去問を活用していくことが必要不可欠だ。
ここでは、そんな理科の選択科目の一つ、化学の、最も効果的な問題演習の方法を紹介する。
これに従えば、理科全体で100点以上も夢ではなくなる。
東大化学の過去問演習における事前準備
過去問演習は基礎が備わっていてはじめて、効果的になるというのは、当たり前の話だ。
東大化学においてもそれは、例外ではない。
東大化学は、過去問を通して化学的な知識が解釈を十分得られることが多いので、物理ほどの事前準備は必要ない。
しかし、せめて高校化学の基礎をみにつけてから過去問演習にとりかかろう。
東大化学の過去問の特徴
東大化学の過去問演習を始める前に、まずは特徴を知っておくことが大切だ。
ここでは、配点や問題形式などの形式的な特徴を紹介する。
東大化学の配点と時間
東大理科では、選択科目を2科目選んで、それを150分でいっきに解かせる。
よって、時間は他の教科とのバランスで150分以内であればいくらでも自由にできる。
他の選択科目を考えて適切な時間配分をしよう。
配点は理科の半分の60点だ。
大問ごとの構成。
大問は全部で3題あり、それぞれの大問ごとに中問が2つ存在する。
以下が、それぞれの大問でおおまかにどんな分野が出題されるかだ。
問題 | 分野 | 配点 |
第一問 | 理論化学 | 20点 |
第二問 | 無機化学 | 20点 |
第三問 | 有機化学 | 20点 |
毎年これは決まっているので頭に入れておこう。
以上が問題の形式的な特徴だ。
過去問演習をやる前には、まずは敵を知ることだ。
これをしっかり頭に入れておこう。
10年より前の過去問、後期試験の過去問
東大化学においても、物理、数学と同様に、古い10年より前の過去問と新しい過去10年分の過去問の扱い方を分ける。
また、後期試験の過去問も化学では活用すると、効果的な過去問演習ができる。
化学の場合は特に後期試験(2007年度以前)にも手を出してほしい。
ここでは、そのメリットと活用方法を紹介する。
古い過去問、後期試験をやるメリット
東大は、理科においては、新しい科学的な知識をどう応用していくかが問われている。
実際の東大のホームページ(http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_01_18_j.html)を見ていただくと、以下のようなことが書いてある。
自然現象を科学的に分析し,深く掘り下げ,論理的に思考する能力を重視します
つまり、新しい科学的な知識を与えたら、それに基づいて正確に、分析して思考できるかを見ている。
これは、特に生物、化学に顕著である。
要するに、大学で習うような化学的な知識を問題文で与えて、実際解けるかということを試してくる。
これは、前期よりも後期に顕著である。
また、このように、入試で使うことができる大学の知識の題材はそんなに多くはない。
よって、後期も含めて、古い過去問を徹底研究することで、新しい知識を与えられたときの、対処法に慣れるとともに、本番で同じ題材が当たる可能性を少しでも高めておくのだ。
古い過去問、後期の過去問の活用法
化学は、物理ほど大問で問題がまとまっていることが多くない。
よって、基本的に分野別、大問別で時間をはからずに解いていくことをおすすめする。
また、数学の過去問演習のように、思考力を鍛えるという要素も強くなく、物理の過去問演習のように、理解度をチェックするわけでもない。
単純に、普通の問題集を解いている感覚で解いていって構わない。
ここは、割と自由に自分が最もやりやすい方法で解いていってほしい。
ただし、間違えた問題、できなかった部分の復習はしっかりやっておこう。
新しい過去10年以降の過去問
今度は、新しいほうの過去問で、実践的な演習を行っていく。
ここでは、その方法を紹介する。
必ずもう一つの理科の選択教科とセットで
理科は、化学だけを単体で解くわけではない。
物理、生物、地学のいずれかと、150分で解いていく。
もちろん、本番を想定した、実践的な演習なので、時間ははかるのは大前提だが、一教科だけ75分ではかっても全く実戦的でない。
よって、自分の選択するもう一つの教科とセットで150分はかって解くようにしよう。
化学はタイムアタック
化学は近年問題数が非常に増加している。
単純に量が時間に対して多いのだ。
そこで、手を止めて考えている暇など一切ない。
とにかく解ける問題からどんどん解いていこう。
有機化学を先に解こう。
第三問は毎年有機化学の問題となっており、今後も変わることはないだろう。
有機化学は、構造決定や立体化学が中心で、ややこしい計算問題が少なく、訓練次第でいくらでも早く解けるようになる。
有機化学が苦手でない限りは、極力第三問から解き始めて、解くスピードを演習の中で早めていけるように訓練しよう。
25年分過去問、東大後期の過去問を解き切ってひまったら
人によっては、25年分解き切ってしまって、もう問題がないという人がいるかもしれない。
それらの人のためにまだまだ演習できる問題はたくさんある。
ここでは、過去問以外にできる演習を紹介する。
東大型模試の過去問
東大型の模試も活用可能である。
問題の出来などに多少問題のある模試も存在するが形式的にはどの問題よりも似ているので、演習する価値は十分ある。
是非、東大型の模試を活用して、さらなるレベルアップを図っていこう。
他大の化学の過去問
東大化学は、確かに難しいがそれは、時間制限が厳しいことに由来する場合もある。
単に問題の難易度だけで言えば、東大と同等かそれ以上に難しい化学を解かせる大学はいくつか存在する。
それは、
などだ。
特に京大、東工大あたりは良問も多い。
時間配分が違うので、これらは、10年より昔の東大の過去問と同じ扱いで解いていこう。
まとめ
以上が、東大の化学の過去問を、後期試験まで最大限にいかした、過去問演習方法だ。
過去問は有限で本当に貴重である中、間違ったやり方で時間も過去問も無駄になってしまう。
この方法を用いて、本番、理科で100点以上を目指していこう。
なお、化学だけ対策しても理科全体で高得点を取ることは難しい。
合わせて、物理をはじめとする、他教科の演習方法も理解しておこう。