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コツを押さえて得点up!入試小論文の書き方とは?

小論文試験が志望校で導入されているが、どのように対策すればわからないという声がよく上がっている。

実際、小論文を授業で徹底的に教えている高校はあまりない

そんな中で、入試において小論文で点数を稼げる人は生まれつき文章のセンスがある人だと思い込んでしまっている受験生は多いのではないだろうか?

 

実は、そのように小論文は才能もともとのセンスに左右されるという認識はまったくの見当違いなのである。

大学入試の小論文において大切なことは、問われていることを簡潔に理解し、自分の考えを文章に書き起こすことであり特別な才能は必要とされていない。

 

では、学校であまり対策をされていない小論文をどのように勉強をし、どのように文章を書いていけば得点を高くすることができるのだろうか。

今回はそのような入試において求められる小論文の書き方徹底的に紹介していく。

ぜひこの記事を読んで小論文入試でどのような出題がなされても対応できるようになろう。

目次

入試で求められている『最低限の』文章力

導入で「もともとの文章力は小論文の入試において関係ない」という旨のことを述べた。

しかし、最低限守らねばならない文章のルールは存在する。

 

これらを守ることができなければ、文章の内容以前に文章を書く知識のなさが露呈してしまい、減点の対象となるのだ。

せっかくの得点を無駄にしてしまうことがないよう、ぜひここで文章を書く上での簡単なルールを確認していただきたい。

 

一文は60文字以内

必死になって自分の考えを文章に書き起こしていると、つい一文がかなり長くなってしまったという経験がある人は多いのではなかろうか。

しかし、修飾語や読点の多い文章というのは非常に読みづらく、理解しづらいものなのである。

なるべく簡潔に、すっきりとした印象の文を書くために、一文は60文字を限度とするということを心がけるようにしよう。

 

どうすれば一文が短くなるのかわからなかった君は、自分の書いた長い文章を見返してみよう

きっと、読点『、』の直前の語尾を少しいじるだけで終止形に変えられるはずだ。

あとはその読点を句点『。』にするだけである。

たったそれだけの心がけで文章のイメージは打って変わるのだ。

 

連用形は連続して使わない

「私は課題文を読み、〜と感じ、〜〜だった。ゆえに筆者に反対である。」

という文章と、

「私は課題文を読んで〜と感じたのだが、実は〜〜だった。ゆえに筆者に反対である。」

という文章、後者の方が読みやすいと感じる者が多いのではなかろうか。

 

実はここで言いたいのは、連用形を連続して使用することで文章をつなげていくと、読みにくく起伏の少ない文になってしまうということである。

これを改善する方法は非常に簡単だ。

 

接続詞をできる限りたくさん利用するのである。

そうすることで円滑で分かりやすい流れの文を書くことができ、ダラダラ長い割にメリハリがない文を書くことを避けられるのだ。

 

『です』『ます』調と『だ』『である』調は混同しない

小学校の頃から先生に言われていることなのに、意外と多くの受験生が実行できていないのが『です』『ます』調『だ』『である』調の使い分けだ。

長時間文章を書き続けていると、脳は緊張状態を保たねばならない。

かなり集中力の上がった状態だと、文章の内容のことばかりを考えてしまうのだ。

 

そして、細かいルールや語尾などはあまり気にしなくなる。

たしかに、文を書いている時に隅々の語尾まで神経をとがらせるのは意外と難しい

それならば、文を一通り書いたあとに必ず語尾の不一致がないかチェックをするようにしよう。

 

それだけで常体と敬体が混同して一つの論文に登場してしまうという事態を避けることが可能となる。

 

『たり』は必ず二回使う

「今日は学校で授業を受けたり、毎日放課後に通っている駅前の予備校で模擬試験を受けた。」

この文章を一読しただけで違和感を覚える人はあまりいないのではないか?

しかし、この一文をもし入試で書いたら減点対象になる。

 

なぜなら、「たり」は必ず二回使わねばならないという決まりがあるからだ。

しかし、一度「たり」を使ったあとに次に続く文が修飾語いっぱいで長い時、もう一度「たり」を使うことを忘れてしまいがちなのだ。

 

とはいえ文の意味は通じるし、あまり不自然でない文章になるためなかなか気づきにくい。

これだけは細心の注意を払い、ルールを守るようにしていただきたい。

 

入試で求められている『論理的な』小論文の書き方

前の章では最低限守りたい文章のルールを説明した。

では、ここから実際に文章の内容を考えていくにあたり、小論文入試で問われていることは一体何だろうか。

文章のセンス

人の心を動かすような言い回し

そんなことを思い浮かべた君は、間違っている

 

小論文入試を導入している大学側が見たい生徒の実力は、筋道立てて相手に説明をする能力だ。

それは時に受験生自信の意見を問うものだったり、課題文の要約だったりする。

しかし、根本的には全て『筋道立てて説明する能力』というところに集約される。

 

かなり単純なことが問われているとお分かりになっただろうか?

論理的に自分の頭の中にあることを整理してアウトプットする能力が問われているのであり、そこに劇的な演出のある言い回し書き手本人の文章センスなどは必要ないのだ。

 

では、どのような書き方のものが論理的であるのか?

以下で説明をしていこう。

初めと終わりに結論を書く

本章のタイトルを見て意外に思った受験生は多いのではないだろうか。

実は、小論文入試においては結論というものは終わりだけでなく初めにも書くべきなのである。

理想的な小論文

「わたしはAと考える

なぜなら、Bだからだ。

ゆえに、A’なのだ。」

という流れのものだ。

この場合、AとA’は言い回しが違うだけで同じことを言っている。

 

初めに結論を言い、次に結論に至るまでの経緯や思考回路を説明する。

そしてそのような迂回を経てまた初めの結論に至る

 

これこそが読み手を納得させられる文章なのだ。

 

反対意見も考慮に入れる

自分の意見をつらつらと入れているだけではなかなか説得力にかけることだろう。

そこで、自分の主張を強めるテクニックとして、あえて反対意見の妥当性を述べるというものがある。

ここで便利になってくる言葉が「たしかに」である。

 

たしかにCも〜〜である。

しかし、〜〜なのだ。

よって、Aがなのではないか。」

 

一度反対意見を認めた上で逆説をして否定することで、前の自分自身の意見が強くなるのだ。

このテクニックを用いればかなり信ぴょう性の高い文を書くことができる。

 

小論文において避けるべきこと

以上で小論文を書くに当たっての文章のルールと文章の書き方を説明してきた。

それらを完璧にマスターしていても、これをすると大幅に減点されるというNGな行動がある。

それは、非常識なことを書くということだ。

 

いくら完璧なテクニックで文章を完成させられていても、書き手が全く常識のない人間だということがうかがえるような小論文になっていたら読み手はどう感じるだろうか?

そのように致命的な事態にならないよう、小論文を書くにあたり避けるべきことを紹介していこう。

 

断定的な言葉は使わない

絶対」や「〜に決まっている」。

これらのワードは小論文においてはNGだ。

 

たしかに自分の論を強めるために断定的な言葉を使いたくなるかもしれない。

しかし、論を強めすぎると反論の余地がなくなり、その意見が100%正しいという主張になってしまう

100%正しい答えがあるようなことを小論文において問われることはなく、出題者側は反対も賛成も理解できるからこそ意見を書いて欲しいのだ。

 

だからこそ自分と違う意見を全否定してしまうような言い回しは非常識的であり、必ず避けるべきなのである。

 

あくまでも道徳的に

たしかに、さまざまな奇抜な考え方や意見があるからこそ小論文試験は導入する意義がある。

しかし、あまりにも道徳的でない思考をしている小論文はどうだろうか。

 

たとえば、人を殺すことを肯定するような小論文。

いかに筋道をたてて説明をされていても、書き手側の非社会的な信条が露呈するきっかけとしかならないのではないか。

道徳的に、一般的に正しいと言われる枠組みの中で論を展開していくように気をつけよう。

 

まとめ

以上が小論文入試を受けるにあたり絶対に知っておくべき文章の書き方である。

いかがだったであろうか?

文章を書くことは個人の持っている能力などに左右されるものではないことが十分すぎるほどわかったことだろう。

 

ぜひ、この記事で得られた小論文の知識をもとに志望校の小論文入試の対策をしていってみてほしい。

この記事の内容が頭に入っていれば、正しい手順で小論文を書くことなどは容易であり、小論文を入試の得点源にすることができるだろう。

 

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